大竹しのぶ|素晴らしき音楽家たちと“人生”を歌う

素晴らしき8人の音楽家から大竹しのぶへ

ゴールデンボンバー。中央左が鬼龍院翔(Vo-karu)。
鬼龍院翔(ゴールデンボンバー)「Miren」作詞作曲

今回提供させていただいた楽曲ですが、曲調的にはしのぶさんが歌うのにピッタリだと思いました!
しかし……できあがった歌詞がとっても情けなくしょうもなくカッコ悪い男の歌詞になってしまい、、
これは大丈夫なのだろうか……(汗)と思いましたが、
しのぶさんは見事に主人公の男性を歌い上げてくださいました。
改めてしのぶさんは歌手であり女優であると実感いたしました。
歌の主人公になりきるということを勉強させていただきました! がんばります!

2004年に結成されたヴィジュアル系エアーバンド・ゴールデンボンバーのVo-karu。ゴールデンボンバーは大ヒット曲「女々しくて」がカラオケの連続首位獲得週数歴代1位を獲得したほか、シングル・アルバム共にオリコン初登場1位を獲得するなどインディーズ史上初の記録も持つ。2017年11月には47都道府県それぞれで異なるバージョンが用意されたシングル「やんややんやNight ~踊ろよ※※~」(※※に各都道府県名)を発表。2018年1月31日にはニューアルバム「キラーチューンしかねえよ」をリリースする。

ハンバート ハンバート。左が佐藤良成(G, Violin, Vo)。
佐藤良成(ハンバート ハンバート)「きもち」作詞作曲

映画「黒い家」が大好きな私たちは、「大竹しのぶさんがコンサートで、ハンバート ハンバートの『ぼくのお日さま』を歌っていたらしい」と聞いたときにびっくりしました。その後、テレビでコンサートの模様が放映され、実際に歌われているのを観て、「本当だったんだ!」と感激したものの、「選曲したのはきっとご本人でなく、スタッフのどなたかだろう」と勝手に思っていたのです。だから今回、作曲の依頼をいただいたとき、ご本人が希望されたと聞いて、本当にうれしかったです。自分たちの音楽が大竹しのぶさんに届いていたなんて、長く活動しているといいことがあるもんですね。そんなわけで、大竹さんを思い浮かべながら張り切って曲を作ったのですが、できあがったものを聴くと、やさしく美しく儚い歌に仕上がっていて、歌手としての大竹さんの表現力に圧倒されました。ほかの曲もすごくバラエティに富んでいて、こんな素敵なアルバムに参加させてもらえたなんて光栄です。

1998年結成の男女デュオ・ハンバート ハンバートでギター、バイオリン、ボーカルを担当。ハンバート ハンバートは2005年リリースのシングル「おなじ話」が各地のFM局でパワープレイとなったのをきっかけに、活動を全国へ広げた。デビュー15周年を迎えた2016年には、記念作品として弾き語りアルバム「FOLK」を発売。2017年7月には細野晴臣、長岡亮介、エマーソン北村らゲストアーティストが参加したニューアルバム「家族行進曲」をリリースした。

高橋優
高橋優「キライナヒト」作詞作曲

当初のご依頼としては社会派でメッセージ性のある楽曲を、ということでした。ご依頼に添うべく思い巡らす中、大竹さんの還暦パーティにご招待いただきました。そこで、お二人の“あのやりとり”を目の当たりにしました。還暦の祝辞……? いや元夫婦漫才……? いや元夫婦喧嘩……? 一体どれが正しい呼び方なのか。その日一番の爆笑が会場を席巻しておりました。
世に言う愛とか然るべき男女関係、そんな固定概念を痛快にぶっ壊すお二人がそこにおりました。別れてなお、いがみ合ってなお、周囲を爆笑させて元気にしてしまうこの関係をどう形容すべきか。
……まさに超越した愛の形。
これに勝る社会派メッセージはないと思いました。
ぜひとも、嫌いな人を想像しながら聴いていただけたらと思います。笑

1983年生まれ、秋田県出身のシンガーソングライター。2010年7月にシングル「素晴らしき日常」でメジャーデビューし、2013年11月には初の日本武道館公演、2016年9月には地元・秋田のグリーンスタジアムよこてで野外音楽フェス「秋田CARAVAN MUSIC FES 2016」を開催した。2017年11月には三浦春馬が主演を務めるテレビ朝日系連続ドラマ「オトナ高校」の主題歌を表題曲としたニューシングル「ルポルタージュ」をリリースする。

Kiroro。左が玉城千春(Vo)。
玉城千春(Kiroro)「まばゆい君へ」作詞作曲

まずこの作品の素敵な名前が並んでいる中に、私の名前があること大変光栄に思います。
大竹しのぶさんは、女性として、母として、そしてこの世界・人に愛や驚き、疑問や感動を届ける場所にいる先輩として尊敬しています。
今はまだ私は子育ての真っ只中で、沖縄にいることが多く、大竹さんにお会いすることができなかったのですが、楽曲を作るにあたり、お電話やメールを直接いただき、何度かやり取りをしながら、仕上げていきました。
とてもお忙しいスケジュールの中、おっとりと自分の時間 流れ 空気 声をコントロールする姿はとてもカッコいい。ちっちゃなことで右往左往してしまう私からは手の届かない存在です。
今回のアルバムタイトルは「ち・ち・ち」ということで、感謝をこめて、ちちちの千春でした。

1995年に結成された女性2人組音楽グループ・Kiroroのボーカル。翌96年に発表したインディーズシングル「長い間 / 青のじゅもん」が、沖縄限定での発売にも関わらず売上枚数が1万枚を超え話題になる。1998年1月21日にシングル「長い間」でメジャーデビュー。2016年3月には子供に聴かせたい、子供と一緒に歌いたい楽曲をセレクトしたベストアルバム「子供といっしょにききたいキロロのうた」をリリースした。

中村中
中村中「天使じゃないけれど」作詞作曲

大竹しのぶ。
どんな者にも化けてしまえる人。
どなたでもそうお思いになるのではないでしょうか。

知、痴、稚。
この中から1つ選んで大竹しのぶを化けさせる、というお題目です。
詞、曲を作るというよりも、物語を作るという感覚で取り組みました。

最近、映画「黒い家」を見直したばかりだったので、
とんでもない「痴人」を書こうと思っていました。
でも、ほかの作家の方も思いつきそうだなと思い、考え改めました。

私が選んだのは「稚」です。
「稚」から「知」への成長物語と言った方がいいかも知れません。

人と関わりを持つことが恐いときはありませんか?
人と関わるには勇気が必要です。
でも、その理由が「傷つく」前提であったら悲しいですし、
すべてを恐れて閉じこもってしまうのも、また悲しいことです。

「天使じゃないけれど」は、
両親によって大切に守られながら過ごして来た少女が、自由を求めて旅立とうとする物語です。
外の世界との関わりを持つ恐ろしさを父と母に、
外の世界への好奇心と希望を少女に重ねました。
この世に希望がなくなりませんように。

大竹しのぶさま。
もし次がありましたら、
今度は「痴」の世界にも連れて行ってください。

歌手、作詞作曲家、役者。2006年6月にシングル「汚れた下着」でメジャーデビューし、2007年に「友達の詩」で「NHK紅白歌合戦」に初出場した。多くのアーティストに楽曲提供をしているほか、さまざまな舞台にも出演。2017年6月には自身も出演する鴻上尚史の作・演出による4人芝居「ベター・ハーフ」の劇中歌を収録した同名ミニアルバムをリリースした。

松尾スズキ
松尾スズキ「変な芸術の先生」作詞

大竹さんにはずいぶん僕の詞を歌ってもらって来ました。
かつては、「恋は余計なお世話」というテレビ番組の主題歌。
「蛇よ!」という僕との二人芝居で、「エニシングゴーズ」の替え歌。
「女教師は二度抱かれた」という音楽劇では2曲も。1曲は僕とのデュエット。非常に光栄でした。
そういえば、友川カズキさんの「夜を急ぐ」を一緒にテレビで歌ったこともありましたね……。
2人とも歌手でもないのに、歌に縁がある感じです。
大竹さんが歌が大好きだから、歌わせたくなるのだと思います。
今回はCDという形で、初めて僕の歌を歌っていただけてとてもうれしかった。
いつか、ライブでも歌ってほしいな、なんて夢も抱いております。

1962年12月15日生まれの作家、演出家、俳優、脚本家、映画監督。1988年に大人計画を旗揚げし、1997年「ファンキー!~宇宙は見える所までしかない~」で「第41回岸田國士戯曲賞」を受賞した。2017年8月には自身の結婚生活をつづったエッセイ「東京の夫婦」を発売。9月には出演映画「奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール」が全国公開された。

森山直太朗
森山直太朗「しのぶ」作詞作曲

この度はアルバムリリース誠におめでとうございます。
初めてこの曲を聴いてもらったときに「自分の名前を自分の曲で自分に対して歌うのってなんか変な感じー」ってしのぶさんから言われて、その“変な感じ”がずっと続いたらいいなあと思いました。
願わくば「しのぶ」を舞台で歌っているしのぶさんの姿を拝見したいです。

1976年生まれ、東京出身のシンガーソングライター。2002年10月にアルバム「乾いた唄は魚の餌にちょうどいい」でメジャーデビューした。2003年3月に発表したシングル「さくら(独唱)」がロングヒットとなり、120万枚を超えるセールスを記録。2016年6月には約半年の“活動小休止”を経て生まれたニューアルバム「嗚呼」を、9月にはデビュー15周年記念のオールタイムベストアルバム「大傑作撰」を発表した。

山崎まさよし
山崎まさよし「願い」作詞作曲

大竹さんへの曲提供を依頼されたときは大役だなあと思いましたがとても光栄に感じました。
「願い」という楽曲には、大竹しのぶという“ブレない人間性・あり方・佇まい”を
そのまま歌詞にも表現できたらと思い制作を進めました。
仕上がった楽曲を聴いたら、大竹さんが歌うことによって“唄”に昇華されていた気がしました。
大竹さんにしか歌えない気がします。
作家冥利に尽きると思います。

1971年生まれ、滋賀出身の男性シンガーソングライター。1995年9月にシングル「月明かりに照らされて」でメジャーデビューし、1997年1月に発表したシングル「One more time, One more chance」のヒットで一躍ブレイクを果たす。2016年12月には約3年ぶりとなるオリジナルアルバム「LIFE」をリリースした。

大竹しのぶ「ち・ち・ち」
2017年11月22日発売 / Victor Entertainment
大竹しのぶ「ち・ち・ち」

[CD]
3000円 / VICL-64790

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収録曲
  1. Miren
    [作詞・作曲:鬼龍院翔(ゴールデンボンバー)]
  2. キライナヒト
    [作詞・作曲:高橋優 / ゲストボーカル:明石家さんま]
  3. 天使じゃないけれど
    [作詞・作曲:中村中]
  4. きもち
    [作詞・作曲:佐藤良成(ハンバート ハンバート)]
  5. 変な芸術の先生
    [作詞:松尾スズキ / 作曲:門司肇]
  6. まばゆい君へ
    [作詞・作曲:玉城千春(Kiroro)]
  7. 願い
    [作詞・作曲:山崎将義]
  8. しのぶ
    [作詞・作曲:森山直太朗、御徒町凧]
  9. The Rose
    [作詞・作曲:アマンダ・マクブルーム / 日本語詞:渡辺えり]
  10. 愛の讃歌
    [作詞・作曲:マルグリート・モノー / 日本語詞:松永祐子]
大竹しのぶ ミニライブ&握手会

2017年11月23日(木・祝)
東京都 タワーレコード渋谷店8階イベントスペース
START 14:00

大竹しのぶ(オオタケシノブ)
1957年7月17日生まれ、東京都出身。1975年に映画「青春の門 -筑豊篇-」のヒロイン役で本格デビュー。同年、NHK連続テレビ小説「水色の時」に出演し幅広い世代から人気を集める。以降、映画や舞台への出演を重ねながら主要な演劇賞を数々受賞し、女優としての存在感を確立。歌手活動も継続的に行っており、2016年には舞台「ピアフ」で2011年より歌い続けている「愛の讃歌」で「NHK紅白歌合戦」に初出場した。2017年10月には朝日新聞にて連載中のコラムを収載した単行本「わたし、還暦? まあいいか2」が発売された。2017年11月にはニューアルバム「ち・ち・ち」をリリース。12月には東京・シアターコクーンにて主演舞台「欲望という名の電車」が上演される。