ナタリー PowerPush - ORIONBEATS

1stアルバムは2枚組100分超え!大作「AWESOME BEATS」を哲史が語る

YAMATOの声をうまく生かせてるかも

──ではここからはアルバムの収録曲について訊かせてください。まずは1曲目の「Let's ORIONBEATS feat. YAMATO」。

まさにORIONBEATSのテーマ曲(笑)。

──ビール瓶の栓を開ける音も入ってますし(笑)。この曲はストレートなパーティチューンだと思いました。ORANGE RANGEのYAMATOさんのボーカルがさらにアッパーな雰囲気を後押ししていて。制作はどういうきっかけから?

YAMATOとは昔から知り合いで。なんだろうな、地元が近いから、同級生とかと地元の居酒屋に飲みに行くと、偶然横にいたりする。「あ、何やってるの?」って話から、結局一緒に飲んじゃうみたいな(笑)。それぐらい近い。でも、ちゃんと音楽で絡んだことはなくって、一緒に音楽をやったのは普久原恒勇さんのトリビュート盤(2011年11月リリースの「普久原メロディー」)が初めてで。

──遊びでスタジオに入るようなことも全くなかったんですか?

うん。なかったですね。

──YAMATOさんのボーカルは非常に特徴的ですよね。だからこそ多少クセもあると思うんですが、やりにくかった点はありました?

うーん、どうでしょうね? 特になかったかな。あ、びっくりしたことはあって。キーを決めるときに、僕が「これぐらいでどうかな」って提案すると「もう1オクターブ上まで行けるよ」「もしかしたらもう1つ上までいけるかも」って言うんですよ。ものすごい上のキーまで出るから、すごいなって。

──声域が広いんですね。じゃあYAMATOさんのボーカリストとしてのパワーも改めて感じられたと。

そうですね。だから「Let's ORIONBEATS」は、そのへんをうまく生かせてるかも。YAMATOにいろんなオクターブの声を出してもらって、それを混ぜて合唱してるようにしたのもポイントだし。最初はこの曲、メロディにボーカルがキレイに乗った歌だったんですよ。でもそれだと普通になっちゃうかなって思って、それよりもっと面白いことを、っていろいろ試していったらこういう仕上がりに。

ビールが合う時期がいいな

──2曲目の「TANDIGA DANCE feat. SHINJI」に参加されているSHINJIさんは、インクルシャーという宮古島の5人組バンドの方ですね。だからなのか、楽曲の仕上がりもハードコアテクノみたいな。

最初は、SHINJIさんと宮古でオトーリ(宮古島で行われる飲酒の風習)しながら「テクノ対ハードコアでケンカしよう」って話してたんですよ(笑)。それがきっかけでできた曲。ハードコアvsテクノ=ガバ、っていうかちょっと速いビートになって。

──ガバっぽいキツいビートにジャギジャギとしたギターが鳴ってる、哲史さんが今まで作った曲の中で若干異色に感じられるナンバーです。こういうテイストの曲を作るのは、新しいチャレンジでした?

うん、確かにそうですね。そういう曲を思い切って2曲目に持ってきたっていうのもチャレンジだし。

──1曲目がすごくキャッチーで、2曲目にリスナーを振り回すような楽曲を配置している。

それもあえて(笑)。

──3曲目の「iSanshin 3GS」はどんなところから発想したんですか?

元々「iSanshin」って曲があって、それがAndroid用のアプリに収録されたんです。その曲がバージョン1で、バージョン2はライブでよくやってるもの。それをさらに発展させた曲が、この「iSanshin 3GS」。バージョン3と、スクラッチの「S」をくっつけたんです(笑)。フィーチャーしてるFencerさんが、三線の音をスクラッチしてるから。

──で、4曲目の「Save The Sea, Save The Sky feat. TAKASHI」には、MONGOL800のTAKASHIさんが参加されてます。

これはね、TAKASHIがMONGOL800とは別でやってるバンドを観にいったのがきっかけかな。そのバンドが、レゲエテイストですごい面白かったんですよ。TAKASHIはレゲエのDJもするし。だから、TAKASHIと曲を作るんだったらこんな感じかなーって発想から作って。

──この曲は、ゆったりしたビートが心地良いナンバーです。ここで沖縄テイストとは異なる感じが表現されてますね。言うなれば、沖縄の海ではなくカリブ海っぽいイメージの。

レゲエテイストが入ってるんでね、確かにそうだ(笑)。さんざん速いビートで振り回しときながらここでゆったり行くっていう。

──そういえば、今作の収録曲ってBPM的な意味ではなく、体感速度が速いように思います。

そうですね。平均的に速いですね。

──高揚する感じというんでしょうか。だから、夏に聴きたくなるイメージで、これからの季節にすごく合うんじゃないかなって。

実は、このアルバムは当初去年の11月くらいに出そうかって話もしてたんですけど「やっぱ夏だ」ってことで。沖縄だし、RAKUEN RECORDSだし、ORIONBEATSのデビュー盤だし。こう……ビールが合う時期がいいなって思って(笑)。

1stアルバム「AWESOME BEATS」[CD2枚組] / 2012年6月12日発売 / 2625円(税込) / RAKUEN RECORDS / RKEN-002

DISC 1:AWESOME BEATS
  1. Let's ORIONBEATS feat. YAMATO
  2. TANDIGA DANCE feat. SHINJI
  3. iSanshin 3GS feat. Fencer
  4. Save The Sea, Save The Sky feat. TAKASHI
  5. Kabira Bay feat. C-R
  6. ORION BEACH
  7. Humoresque 8
  8. Medetai Medetai from. RINKEN BAND
  9. ORION MATSURI
  10. Eisa from. DIAMANTES
  11. Tweet Me, Tweet You feat. AWICH
  12. Anmar from. KARIYUSHI58
  13. Pop 'n Talk feat. lichard.
  14. ROCK IN CHATAN FES feat. NEON
  15. GarageDJ
  16. The Orion Nebula
DISC 2:Souvenir from ORIONBEATS (Bonus Nonstop Mix CD)
  1. Let's ORIONBEATS Remix
  2. ORION Boy
  3. ORION MATSURI Remix
  4. Hangover
  5. Pop 'n Talk Remix
  6. Fresh Plaza Un10n
  7. Fifty Eight Drive Music
  8. Toshin Electric Boy Remix
  9. Tequno Eisa
  10. I Just Wanted To Be A Drummer
  11. Tweet Me, Tweet You Remix
  12. ORION BEACH Remix
  13. Hungry Birds
  14. The Orion Nebula Remix
  15. RAKUEN Break
  16. Space Opera
  17. UCHUNCHU
  18. iiTenki
  19. DidgeridooooOOOOOO
  20. One Day
  21. Tablama Remix
  22. Mukashi no Tekuno
  23. Ketchup on The Fish & Chips
  24. DAN DAN DAN
  25. TANDIGA DANCE Remix
  26. From The Three Stars in Orion's Belt, Via Okinawa to You. At the Crack of Dawn, Play ORIONBEATS and Enjoy it.
ORIONBEATS(おりおんびーつ)

廣山哲史のソロプロジェクト。2011年6月にリリースした廣山哲史名義のミックスCD「Souvenir from RAKUEN」に、初めてORIONBEATSとしての曲が収録される。同年9月に沖縄・名護で開催された野外フェスティバルで初のライブステージを踏む。その後、ロックカバーアルバム「Rock You!」や普久原恒勇の作曲家生活50周年記念トリビュート盤「普久原メロディー」などに参加。並行して精力的なライブ活動を展開する。2012年6月、1stアルバム「AWESOME BEATS」を沖縄発クラブミュージックレーベル・RAKUEN RECORDSよりリリース。