5人の輪を大事にしていけばいい

──アルバムのラストを飾る「そばにいつでも」は、「そばにいつでもミュージック」というフレーズが心に残るバラードナンバー。作曲はYOHさんですね。

YOH　はい。イントロのフレーズが最初にできたんですけど、そのときに頭の中で広大な景色が浮かんで。そこから広げていった感じですね。

YAMATO　すごく広いイメージの曲だし、その中でいろいろことを想像できるんですよね。さっきの話に戻ると、大猿にもなれるというか……。

HIROKI　もういいよ、ドラゴンボールの話は（笑）。

──「行き先も わからないよ 迷ってるよ 悩んでるよ」という歌詞もありますが、バンドを続けてきて、行き先が見えなくなったことってありますか？

NAOTO　もちろんありますよ、それは。行き先なんて全然わからないですから。

HIROKI　（笑）。

NAOTO　前作がああいうアルバムになるのもまったくわかってないし、今回のアルバムに関しても、できあがってから「あ、こういう感じになったんだ」って思ったので。2年前に今の自分たちのことが見えてたか？って言えば、そんなことも全然ないし。曲を作るってことも、予想できないんですよね。そのときにならないと、自分がどんな曲を作るかわからないっていう。

──その瞬間にやりたいことをやる。それを続けるしかない、と。

NAOTO　そうですね。「次はこういう感じの曲を作ろう」って考えていても、そのときになると忘れてたり……。

RYO　変えちゃったりね。

──では、バンドの将来像についても考えない？

NAOTO　将来像……どう？

RYO　そういうことは考えてないですね。音楽がどうやって人に届くのか、全然予測できないじゃないですか。だったら、あんまり考えすぎないで、好きなことを続けていけばいいのかなって。本当にどんどん変わっていきますからね、いろんなことが。

──そうですよね。CDを中心としたビジネスモデルに配信が入ってきて、最近はクラウド型の音楽配信サービスが主流になりつつあって。

NAOTO　CDが売れてた時代も知ってますからね。あの頃って、ミリオンが当たり前のように出てたし。

YAMATO　オリオン（ビール）と同じくらい身近だったよね（笑）。

──（笑）。そう考えると、環境の変化に惑わされずに音楽を続けることが一番重要なのかも。

RYO　うん、だから、この5人の輪を大事にしていけばいいのかな、と。この場の雰囲気はずっと変わらないし。

YAMATO　みんな1回死んで、神龍で生き返ってるんですけどね。

NAOTO　（笑）。

HIROKI　あとは、いつか時代がハマってくれるまで待とうかなって。こっちが合わせるんじゃなくて、合うのを待ってます。

NAOTO　他力本願だな（笑）。

過去曲と一緒にやることで相乗効果も生まれる

──アルバムリリース後のツアーも楽しみです。バンドサウンドを軸にした作品だし、ライブで映えそうな曲も多いですよね。

YOH　そうですね。アルバムの曲はもちろんなんですけど、今までの曲といっしょにやることで相乗効果も生まれると思うんですよ。違う聞こえ方になることもあるだろうし、楽しみですね。

──ライブに対する意識も少しずつ変化していきそうですね。

RYO　ライブに関してはずっと積み上げてる感じだと思いますけどね。

HIROKI　ずっと楽しいですよ、ライブは。始まる前は「こういうふうにできたらいいな」とか「あそこはこんな感じでやろう」みたいなことを考えて、いろいろと整理してるんですけど、ステージに上がると全部なくなっちゃうんですよ。そういうふうになったときが、一番いいライブだと思うし。あれこれ考えず、とにかくライブに集中するっていう。

YOH　僕は以前に比べて、ライブの良し悪しを気にしなくなりましたね。やるべきことが明確で、そこに向かって集中していればいいっていう。アルバムのツアーもそういう感じでやりたいですね。