男女混合10人組ユニット・ONE LOVE ONE HEARTが1stアルバム「LOVE1」をリリースした。
「LOVE1」というタイトルには本作が結成からの1年間の集大成的な作品という意味と、「グループ名の略称であるラブワンをもっと広めていきたい」というメンバーの思いが込められている。収録されているのは、Hi-yunk(BACK-ON)作詞作曲のリード曲「Glory Dayz」、デビュー曲「Now or Never」、Do As Infinity「本日ハ晴天ナリ」のカバー、主演舞台「オノマトペ」の劇中歌など計11曲。迫力あるユニゾンや男女によるかけ合いのパートなど、男女混合ユニットならではの強みを生かした多彩なナンバーがそろっている。
今回、音楽ナタリーでは10人のうち飯塚瑠乃、咲太朗、笹原遼雅、矢嶋由菜にインタビュー。結成からの1年を振り返ってもらいつつ、「LOVE1」についてじっくりと話を聞いた。
取材・文 / 川倉由起子撮影 / 梁瀬玉実
主演舞台で10人の距離がギュッと近くなった
──ONE LOVE ONE HEARTが結成されてから2023年1月で1周年になります。昨年6月には初の主演舞台「オノマトペVol.1」、11月にはその再演となる「オノマトペVol.2」が上演されましたが、振り返ってみていかがですか?
咲太朗 結成1年目の僕らはとにかく「オノマトペ」一色って感じでした。あれだけハードな作品を年に2回もやるとは思わなかった(笑)。
飯塚瑠乃 確かに。でも「オノマトペ」があったから10人の関係性がガラッと変わった。もちろん、いい方向に。
笹原遼雅 それまではメンバーが男女でキッパリ分かれてたんだよね。
飯塚 同じ空間にいても男子チームと女子チームで固まっちゃって。
矢嶋由菜 仲が悪いわけじゃなかったんだけど、「オノマトペ」をはじめ、いろんな活動を積み重ねていくうちにお互いに話す回数が増えていったよね。
飯塚 変な言い方だけど、普通にしゃべれるようになった(笑)。
咲太朗 舞台の稽古がやっぱり大きかったんじゃないかと思う。それぞれの役やセリフについて話し合うこともけっこう多くて、作品を通してお互いを知ることもできた。僕と(矢嶋が演じた役の)芽衣が絡むシーンだったら、「ここ芽衣はどう思う?」って意見を聞いたり。
矢嶋 作・演出の谷(碧仁)さんがたぶん、私たちにまだ距離があることを察してくださったんだよね。で、あえて話をするだけの時間や、お互いを知るための稽古の時間を設けてくれて。おかげで今こうして仲よくなれてるから谷さんには本当に感謝だなって。
笹原 「Vol.1」のときは10人全員が初舞台だったし、プレッシャーもある中、みんなで1つの作品を乗り越えたことで以前とは関係性が全然変わった。
咲太朗 主演なのにメンバー全員が初舞台って異例だと思う。必然的に協力し合えた部分も大いにあるよね。
──今だから話せる苦労や、大変だったエピソードはありますか?
咲太朗 劇のストーリーがそもそもけっこうメンタルにくる内容だったんです。だから、みんな役に入り込んで精神的に不安定になっちゃうときもあって。
矢嶋 そんなメンバーを谷さんがずっとフォローしてくれてた。稽古中、「ここがうまくいかないんですけど」って相談すると、いつも救われるアンサーをくださって。
咲太朗 頭の中では役に対する理解があるのに、いざやろうとすると表現できなかったときはつらかったな。あと、自分とほかのメンバーを比べて自信をなくして悩んじゃうことも。
矢嶋 落ち込んでるメンバーに話しかけるべきかどうかも迷うんだよね。逆に傷をえぐるんじゃないか……とか。
笹原 いろいろ考えちゃって。
飯塚 稽古中に進化していくメンバーに刺激を受けることも多かったけどね。
千秋楽の達成感と気持ちよさはサウナ以上
──ここまでは主に「Vol.1」のお話だったかと思うのですが、「Vol.2」はどうでしたか?
咲太朗 「Vol.1」とはもう全然違いました。1回目は正直、大人の方に言われたことをやるので精一杯だったんですが、「Vol.2」では作品への意識が一段上がったというか。当たり前のことではあるんですけど、「10人で本気でいいものを作ろう!」という空気感がありました。
笹原 うん、体感的にそれはめっちゃ感じた。
矢嶋 個々の演技スキルも「Vol.2」で上がったよね。しっかり考える余裕ができたことによって役への理解がさらに深まって。それで演じやすくなったところもあったと思う。
飯塚 周りの方々にも「Vol.2」でのメンバーの進化を褒めていただくことが多かった。
咲太朗 まあ、自分たちでも思うもんね。クオリティが全然違ったって(笑)。
笹原 SNSを見ても「Vol.1より内容を深く楽しめた」という声がけっこうあった。
矢嶋 「Vol.1」を配信で観た方が「Vol.2」を生で観て「心にグサグサ刺さるものがあった。感じるものが違った」と言ってくださったのもうれしかった。
飯塚 両方を会場で観てくださった方は「Vol.2でみんなの演技がまるで変わった」って。
咲太朗 セリフも聞き取りやすくお客さんの耳に入ったみたいだね。「Vol.1ではわからなかった謎がVol.2を観て理解できた」って声も多かった。
──「Vol.1」「Vol.2」の両方が大きな経験になったんですね。
咲太朗 はい。2回やれてよかったよね?
矢嶋 うん、本当に。
飯塚 「Vol.2」が終わったとき、達成感がすごかったんですよ。頭がすっきりしたというか。
咲太朗 めっちゃ気持ちよかった。サウナ以上!
笹原 伝わらん、伝わらん(笑)。
矢嶋 整った?
咲太朗 めっちゃ整った!(笑) 今までは歌やダンスの活動だけだった僕らがお芝居という未開の境地に足を踏み入れた感が「オノマトペ」にはすごくあって。自分たちの活動のフィールドが広がったなって、大きな自信につながりました。
最年少・久昌歩夢のキャラが真逆に
──先ほどからお話に出ているメンバーの関係性についてですが、変化が伝わる具体的なエピソードはありますか?
飯塚 もう、メンバーとは常にくだらない話をしてます(笑)。
咲太朗 多いよなー。
飯塚 昔は全っ然なかった。
矢嶋 同じ部屋にいてもしゃべらなくて気まずい、みたいな。
笹原 今はみんな素を出してて、自由にしゃべりたい人としゃべってる。
咲太朗 特に変わったのは最年少の(久昌)歩夢じゃない? 最初はずっとシーンとしてたのに、今はめっちゃ面白い。
笹原 ヤンチャボーイだよね。
飯塚 こんな子だったなんて想像してなかった。
矢嶋 前はレッスンの先生に怒られて1人で泣いてたんだよ。「この子、大丈夫かな?」って心配になったもん。
飯塚 それが今じゃ「みんな俺についてこい!」って。
一同 (笑)
笹原 真逆になった(笑)。
咲太朗 完全にムードメイカーです。
──仲が深まったがゆえにケンカもしたりするんですか?
咲太朗 しますします!
笹原 潔い(笑)。
咲太朗 そりゃたまにはしますよ。男子チームの話でいうと、「お前があそこで立ち位置間違ったから俺が怒られたやん!」「は? お前やろ!」みたいな。
笹原 幼稚なやりとりです(笑)。
咲太朗 冷静に考えるとホントくだらない理由。でもそのときは熱くなっちゃうんだよね。
──最年長の咲太朗さんと最年少の久昌さんがぶつかることもあるんですか?
笹原 や、それは全然なくて。
咲太朗 学年でいうと5つ違うんですけど、俺的にはアム(久昌)とすごい波長が合う。
飯塚 だって、精神年齢が……。
矢嶋 2人めっちゃ一緒。
咲太朗 やっぱり!? 俺、精神年齢決して高くないよな?
飯塚・矢嶋 うん!
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1stアルバムは世界線が別の曲が半分ずつ