「すごいストレート。これが今のバンドのモード」
2001年9月の解散ライブ以来、6年ぶりの復活となったSHIBUYA-AXでの2daysライブ「Resurrected」。実はこのライブよりも先に、新作「OBLIVION DUST」の制作はスタートしていた。
KEN「ライブだけだったら、別に復活しなくてもいいかなっていう。もちろん、またこのメンバーで昔の曲をやるのもいいんだけど、それよりも新しい音を作りたかった。この6年間、それぞれの音楽活動を続けてきて、個人的には今のK.A.Zと今のRIKIJIと一緒に曲を作ったらどんなものが生まれるんだろう、それが一番の魅力だったかな」
2006年末にメンバー3人が再び集結し、年明けと同時に各自が曲作りをスタート。そして夏からレコーディングが始まった。
RIKIJI「真夏ですね。灼熱の中、スタジオまで行って楽器を下ろした記憶があるから」
K.A.Z「7月頭からリハーサルを始めて、8月からリズム録りを始めました」
KEN「基本的にはすんなり進んだよね」
新曲を書く際に、それぞれ『過去のOBLIVION DUST』を意識/イメージして制作したのだろうか。
K.A.Z「もともとオブリ自体が話し合いで曲の方向性を決めてきたバンドではなかったんです。今回も特にそういう話はしてないし、この6年間、個々の活動で身についたものが自然と表れたアルバムになったら面白いな、とは思ってました。でも自分の中には、『ちょっとオブリっぽい曲を作ってみよう』と意識した曲も1曲だけあります」
KEN「基本的に『オブリっぽい』と言われてるものって、K.A.Zがギターを弾いて、RIKIJIがベース弾いて、俺が歌を乗せれば、それがオブリっぽくなるわけ。この3人がやっていればオブリになるし、だから昔からあまり話し合ってこなかったのかもね」
新作「OBLIVION DUST」にしても、オープニングの「Red Light Green Light」を聴けば、それが間違いなく『OBLIVION DUSTの曲』だと気付くだけの説得力を持っている。
KEN「それぞれ音楽的なルーツは違うんだけど、3人揃うとなぜか一丸となる。不思議だけど、この3人がピッタリ合ってるんだと思うよ」
2000年にリリースされた4thアルバム「BUTTERFLY HEAD」から7年ぶりに発表された本作は、バンド史上もっともストレートな作風に仕上がっている。
KEN「俺ら的には、すごいストレートにやってるつもり。これが今のこのバンドのモードなんだと思う。K.A.Zから送られてくる曲がエネルギッシュで、アップテンポのものが多かったから、俺もひねくれずにストレートなメロディを乗せていったんだよ。RIKIJIが言ったのかな、『そんなに凝らなくてもいい』って。今回はとにかくバンド内がエネルギーに満ちあふれてたから、それが自信になって、変にもったいぶるようなことはしてないよね」
過去の作品には日本語詞のナンバーも含まれていたが、今回は全編英詞。意図的なものだったのだろうか。
KEN「いや、そこはこだわりはないから。ただ、日本語詞のほうが書くのに時間がかかるんだよ。今回は英語が似合う曲ばかりだったから、無理矢理日本語でやる必要はなかったし。逆に日本語でやりたいと思ったら、周りに相談してたと思う。日本語にすると失敗する確率が高いから(笑)、最初に相談するんだよね。しばらく日本語の歌詞を書いてないからやりたいなとは思うんだけど、わざと全部英語にしてるわけじゃないよ」
K.A.Z「言い方が悪いかもしれないけど、ホントに売るためを考えたら、日本語にしたほうが聴いてくれる人は増えるかもしれない。でも、オブリは別にそういうバンドじゃないし。例えば、KENがフランス語しか喋れなかったら、フランス語でもいいじゃん、って思う。強要はできないけど、聴き手ももっと冒険してくれたらいいですよね」
KEN「今はインターネットが普及して便利にはなったけど、自分から見つけにいく冒険の楽しさがなくなっちゃった気がするんだよね。大袈裟かもしれないけど、ちょっと平べったい、浮き沈みがあまりない世の中になった印象を受ける。俺はやっぱり、誰も知らないバンドや、すごくいいアルバムを見つけたときは嬉しかったけど。そういうことが減ってる気がするな。みんな、こちらからスプーンを口元まで持っていかないと食べてくれないみたいな状況だよね」
これだけの自信作。多くのロックファンに届いてほしい1枚だ。
KEN「うん。昔だったら絶対に言ってないけど、やっぱりいろんな人に聴いてもらいたいな。じゃないと、聴かないうちにまた解散しちゃうかもしれない(笑)」
「どこにも当てはまらなかったし、売りにくいバンドだった」
ロックやパンク、メタル、デジタルなど、さまざまな要素を取り込んだミクスチャー・サウンドは、このメンバーだからこそなし得たものだった。彼らが活躍した90年代後半は、日本にはまだこのタイプのバンドは少なく、それ故に苦労した面もあった。
KEN「当時のシーンではどこにも当てはまらなかったし、売りにくいバンドだったよね。けどそれは、別に狙ってやっていたわけじゃないし、俺らとしてはライバルがいたりとか、一緒にライブをできるバンドがいたほうが楽しいんだけど。昔はそれですごい悩んだのを覚えてる。だからといって、周りに合わせる必要もないし、安売りはしたくなかった」
当時は『早すぎた』と言われたOBLIVION DUSTのサウンド。しかし、21世紀になり彼らのようなスタイルのバンドは増えつつある。
KEN「難しいところなんだけど、自分の中では『早い』と言われたい部分もあるんだよね。10年前の自分たちのアルバムを聴き返して、『こんなのやってたの? ダッセーな』とか恥ずかしいと感じちゃうのが一番怖いし。でも、リスナーも当時より音楽を聴く『耳』が良くなってると思うし、国とか関係なく『いいものはいい』という人たちがどんどん増えてるよね。今の中学生の感性とか侮れないと思うし、そういう意味では前よりもやりやすくなってるかな」
K.A.Z「オブリを結成して海外に行ったりして、知らないうちに向こうのミュージシャンと友だちになったりして、そこでインスパイアされたものがあると思うんですよ。自分たちが最先端だとか周りよりも進んでるとは特に思ってなかったし」
KEN「復活が決まってから、オブリのアルバムを聴き返したんだけど、客観的に見たら日本のシーンでは早かったのかもしれないと感じるところもあるかな。海外と比較したら、そんなに早いわけでもなく、むしろリアルタイムな感覚でやってたと思うんだけどね」
「今後はやりたいと思ったときに、自然にやる」
このアルバムを引っさげて、2月からは待望の全国ツアーがスタートする。
KEN「新曲中心というわけじゃなく、古い曲もやるよ。6年やってなかったから、やっぱり昔の曲もやりたいよね。9月のライブでやってない曲もあるし。でも、新しい部分もちゃんと見せる。そういうバランスのよい内容にしたいですね」
ここで気になるのが、ツアー終了後のOBLIVION DUSTの動向だ。バンドはその後も続いていくのだろうか。
K.A.Z「それはお楽しみということにしておきましょうよ(笑)」
KEN「じっくり考えながらやりたいのと同時に、ある程度流れに任せて動くというのもあるかな。以前はキッチリ予定を組んでやってたけど、流れに任せてどこかにたどり着くのもいいかなと思ってます。もちろん3人とも、オブリをずっとやっていきたいという気持ちは強いから、アルバム作ってツアーやって終わりという感覚は当然ないけど、今はとりあえず目の前のものをきちんとやっていこうといったところです(笑)」
RIKIJI「あんまりガツガツやるメンバーでもないし、ホントにタイミング次第です。以前は1年先までスケジュールが決まっていて、忙しいと休みがないって文句言うし、休みがあったら暇でしょうがねえって言ってた(笑)。曲にしてもアルバムをいつ出すから、この日までに曲を用意してとかじゃなくて、ちゃんといい曲をじっくり書くような、よりアーティスト指向になっていくんじゃないかなと、ちょっと思いますね」
KEN「このバンドをやりたいと思ったときに、自然にやる。OBLIVION DUSTはそういうバンドかな」
RIKIJI「当分解散はないんで、安心してください(笑)」
CD
- Red Light Green Light
- Never Ending
- Haze
- When You Say...
- More Than That
- Daisy
- Man In The Sky
- Alone With Everybody
- The Ocean
- Microchipped
DVD
*2007.9.8&9に SHIBUYA-AXにて行われたLIVE "Resurrected"の9/9公演を全曲収録+[Never Ending]のMusic Videoを収録!!
-LIVE "Resurrected" 2007.9.9-
☆OPENING
☆NO REGRETS
☆PLASTIC WINGS
☆THERAPY
☆TRUST
☆COME ALIVE
☆WHICH HALF DO YOU OWN?
☆SELFISH
☆DISAPPEAR
☆BLURRED
☆CRAWL
☆30
☆S.O.S.
☆RADIO SONG
☆GIRLIE BOY IMITATION#6
☆DESIGNER FETUS
☆GOODBYE
☆YOU
☆OUTRO
-Music Video-
☆Never Ending
メッセージ動画
ツアースケジュール
- 2008年2月4日(月)
心斎橋CLUB QUATTRO
open 18:00 / start 19:00
一般問合せ:ソーゴー大阪 06-6344-3326 - 2008年2月5日(火)
名古屋ボトムライン
open 18:00 / start 19:00
一般問合せ:ジェイルハウス 052-936-6041 - 2008年2月10日(日)
恵比寿LIQUIDROOM
open 17:00 / start 18:00
一般問合せ:DISK GARAGE 03-5436-9600
(平日12:00-19:00) - 2008年2月16日(土)
Shibuya O-East
open 17:00 / start 18:00
一般問合せ:DISK GARAGE 03-5436-9600
(平日12:00-19:00)