≠ME|数え切れないほどの成長を経て 2ndシングルで届ける初の失恋ソング

≠MEの2ndシングル「まほろばアスタリスク」が11月10日にリリースされる。

指原莉乃がプロデュースを手がける=LOVEの姉妹グループとして2019年に誕生し、今年4月にキングレコードよりメジャーデビューを果たした≠ME。短いスパンでの新曲リリース、初の単独コンサートやライブツアーの開催、=LOVEとの合同冠番組への出演と次々に経験を積んでいる彼女たちは、2ndシングルで初の失恋ソングに挑戦した。今回の音楽ナタリーの特集ではメンバーの中から鈴木瞳美、谷崎早耶、冨田菜々風、永田詩央里の4人にインタビューし、グループに対する成長の実感とともに新曲の注目ポイントを語ってもらった。

取材・文 / 近藤隼人撮影 / 佐々木康太

グループが全体的に強くなった

──10月9日に山梨・富士急ハイランドコニファーフォレストで行われた=LOVEとの合同コンサート「イコノイフェス 2021」では、=LOVEの諸橋沙夏さんが≠MEのことを「去年より頼もしくなってくれてありがたいですね」と褒めていました(参照:=LOVEと≠ME「イコノイフェス」は雨にも負けない“伝説のライブ”に、第3のグループ始動も決定)。昨年の合同コンサートでメジャーデビューが発表されてから丸1年が経ちましたが、グループとしてこの1年での一番の変化はなんですか?

鈴木瞳美 やっぱりメジャーデビューさせていただいたことが大きくて。今回の合同コンサートは花道があってステージがすごく広かったり、≠MEにとって初めてのことが多かったので、リハーサルが今までで一番大変でしたが、それを乗り越えられるくらいの力が付きました。メジャーデビュー前は新曲が増えるペースが数カ月に1曲くらいだったんですけど、自分たちのシングルを出させていただくようになったことで以前より楽曲の数が一気に増えたんです。レコーディングやミュージックビデオ撮影の経験が自分たちの力につながったんだと思います。グループが全体的に強くなりました。

──強くなったというのはパフォーマンスのスキルはもちろん、精神的な部分も?

鈴木 そうですね。今までは1つのことでいっぱいいっぱいになってしまっていたんですけど、いろんなことに対して意識を向けられるようになったり、ペース配分をうまくできるようになったり。濃い1年だったので、数えきれないくらい成長したところがあると思います。

左から鈴木瞳美、谷崎早耶、冨田菜々風、永田詩央里。

谷崎早耶 トーク力やMC力も前より上がったと思います。=LOVEさんと比べるとまだまだですが、≠ME単独のコンサートやツアーを経験させていただく中で、みんなで「こういうふうにしゃべったらいいんじゃないか」と話し合うこともあって。ライブのMCだけじゃなく、ラジオ番組や地上波のレギュラー番組「イコノイ、どーですか?」で経験を積ませていただいたことで、みんなのトーク力やバラエティ力が上がっていくのも感じました。メンバーに対して感動したり、尊敬の気持ちを抱いたりする機会も増えましたね。

冨田菜々風

──MCやトーク力については=LOVEも初期の頃、指原さんにクリアすべき課題として指摘されていた記憶があります。アイドルにとってはパフォーマンスと同様に重要なんでしょうね。

冨田菜々風 はい! でも、やっぱり難しいんですよ……! 早耶が言っていたみたいに、確かに1、2年前と比べるとトーク力は上がったと思うんですけど、「イコノイフェス 2021」のリハーサルを通してまだまだ=LOVEさんから学ぶことがあって。次の課題がたくさんできました。

──レベルアップすればするほど、新たな課題がどんどん出てくると。

冨田 はい。1つずつ成長していっている感覚はあるし、グループとしてもみんなで同じ方向を向いて大きくなっていることを感じられてすごく楽しいです。あと、合同コンサートは今年で3回目の開催だったので、=LOVEさんともかなり仲よくなれました。毎回会うのが楽しみで、自分たちからどんどん絡みにいくようになって。=LOVEさんもたくさん話しかけてきてくださってうれしかったです。

──ファミリー感がより増してきたんですね。

冨田 はい! 指原チルドレンとして(笑)。

永田詩央里

──永田さんはこの1年間のグループについて、どう感じていますか?

永田詩央里 えっと、さっきすごく言いたいことがあったんですけど忘れちゃって……あっ、思い出した! 初めての単独コンサートやツアーを経験したり、音楽番組に出演させていただいたりしたので、同じ曲を何度もパフォーマンスする機会も多くなったんですよ。その中で、メンバーそれぞれが自分をどう見せたいかを考えるようになって。グループとしてはもちろん、1人ひとりの色がどんどん強くなってきたように感じます。

──それぞれのキャラクターも、より濃くなってきた?

永田 それも感じます! 「イコノイ、どーですか?」でいろいろなことをやって……例えば虫を食べるとか(笑)。12人それぞれのキャラクター、色が出てきた1年だと思います。

もはや滝修行だった大雨ライブ

──「イコノイフェス 2021」では≠MEのパフォーマンスの途中に急に雨が激しくなり、どしゃ降りに変わりましたが、それに怯むことなく堂々としたステージを見せていたのが印象的でした。

冨田 あの雨があったからこそ、私たちのパフォーマンスがより引き立ったというか、スイッチが入ったと思います。新曲の「まほろばアスタリスク」をセンターステージで披露させていただいたときは、その状況が曲の世界観にぴったりで、歌により気持ちが乗りました。

鈴木 私は「うわー、野外楽しいー!」ってテンションが上がりました(笑)。雨も野外ならではの出来事ですし、≠MEは今までミュージックビデオの撮影なども晴ればかりだったんですよ。でも、さすがに雨が強すぎて、自分の容姿のことも気になってしまって(笑)。今までは前髪をきちんとセットした状態でしかステージに立ったことがなかったので、「今、自分はどんな顔なんだろう」と不安になりつつも、しっかりパフォーマンスを届けなきゃと強い心を持ってライブを続けました。

鈴木瞳美

──鈴木さんは特技が「きれいな前髪を作ること」で、YouTubeで絶対に崩れない前髪の作り方を紹介していましたが、さすがにあれだけ強い雨に降られたら関係なくなってしまいますね。

冨田 でも、よかったよ! あのときの前髪も。

鈴木 嘘だ!(笑) ただ、ライブを観てくださった方しか見られなかったレアな顔だったと思います。楽屋に帰って鏡を見たら、前髪が全部なくなっていて(笑)。昼公演が真夏日の天気だったのに対して、夜公演はホントに大雨で、すごく思い出に残る1日になりました。

──普通の雨が続くより、あそこまで激しい雨になったほうが開き直れますよね。でも歌いにくい、踊りづらいというパフォーマンス面での大変さはなかったですか?

谷崎 私は途中で目が開かなくなっちゃって(笑)。「君はこの夏、恋をする」の「青空 夏に変わる準備を」という歌詞のところで、空を見上げる振りがあるんですけど、雨がすごすぎて目をつぶったら、そのあとに開かなくなっちゃったんです。なんとかがんばって目を開けたら、今度はコンタクトが曇ってしまって。それも思い出に残るアクシデントでした。

鈴木 シャワーみたいだったもんね。

冨田 もはや滝修行だった。

谷崎 「青空」という歌詞なのに、真逆の天気だなと思いながら踊ってた(笑)。

ついに≠MEもこういう曲を歌えるんだ!

──ここからは2ndシングルの話に移りたいと思いますが、先ほど話に出た表題曲「まほろばアスタリスク」は、≠ME初の失恋ソングになっています。

永田 私は秋や冬にぴったりな失恋ソングが大好きなので、初めて聴いたときは「わー、ついに≠MEもこういう曲を歌えるんだ!」とうれしくなりました。しかも、「まほろばアスタリスク」は星をイメージした幻想的な歌詞になっていて。今まで聴いたことのないタイプの失恋ソングなので、「早くファンの方に届けたい!」とワクワクしました。

鈴木 私は初めて聴いたときに、すごく切ない気持ちになっちゃって。今までも片思いの気持ちを歌った曲はあったんですけど、失恋はなかったんですよ。好きな人に相手がいて、それでもその人のことが好きっていう、ホントに切なくて儚い恋が描かれていて。パフォーマンスのときも感情を入れすぎちゃうと、切なくなって踊れなくなるくらいです。とにかく切ないですが、これからの冬の季節にぴったりですし、皆さんに新たな≠MEを見せられると思います。

谷崎早耶

谷崎 これまでの楽曲は青空が似合う王道の青春ソングが多かったので、基本的に笑顔でパフォーマンスしていたんですが、「まほろばアスタリスク」は明るい曲調ではありつつも、笑顔だけで表現する曲じゃないなと感じています。これまで以上に曲の主人公の心情を考えながらパフォーマンスすることを意識していますし、菜々風が歌う落ちサビを聴いていると泣きそうになりますね。≠MEの切ない表情を見られるのが、この曲ならではの注目ポイントだと思います。

──センターの冨田さんは、この曲に対してどういう印象を持っていますか?

冨田 MV撮影のときはいつも以上に感情を入れやすかったです。私も恋が叶う曲より、失恋ソングのほうが好きなんですよ。初めて「まほろばアスタリスク」の歌詞を読んだときに、いくつか心に引っかかるところがあって。特に「あの子を好きな 君が好きだ」というフレーズを見て、心をかき乱されるような気持ちになりました。「もしかして…」のあとに「そうだ わかった」と歌っているところも、どういう気付きなんだろうといろいろと考察しちゃいます。

──指原さんもこの曲について「落ちサビや大サビの気持ち、ストーリーの変化がお気に入りです 切な明るソングです」とTwitterで紹介していました。

冨田 冒頭の「孤独な星」という歌詞についても、この曲の主人公は自分の思いを叶えることをあきらめてしまっているのかな……と想像しちゃいますね。これから曲を聴いてくださる方にも、歌詞の意味をいろいろと考えてほしいです。