NMB48「渚サイコー!」特集|絶対的エース・渋谷凪咲の卒業で迎える転機──NMB48の現在地と未来とは

NMB48が10月4日に28thシングル「渚サイコー!」をリリースした。

「渚サイコー!」は8月にチームN劇場公演のステージで卒業を発表した渋谷凪咲にとって、最後のシングルとなる。渋谷は2012年にNMB48に4期生として加入。山本彩や渡辺美優紀といった中心メンバーの卒業後、NMB48のエースとしてグループを懸命に牽引してきた。また渋谷は大のお笑い好きで、バラエティ番組でも大喜利スキルやトーク力を発揮して活躍。今回のシングルに収録されている「人生は長いんだ」には、彼女と親交のあるダイアン、かまいたち、見取り図が参加している。

渋谷の卒業は、NMB48にとって大きな転機になることは間違いないだろう。音楽ナタリーでは渋谷、そして今後のNMB48の中心メンバーになっていくであろう山本望叶と上西怜、今作が初選抜となる期待の9期研究生・青原和花の4人にインタビュー。4つのテーマをもとに、NMB48の現在地と未来に迫る。

取材・文 / 小野田衛撮影 / 塚原孝顕

インタビュー参加メンバー
渋谷凪咲

渋谷凪咲

渋谷凪咲(しぶやなぎさ)

4期生
生年月日:1996年8月25日
出身地:大阪府
今夏の思い出:スイカが大好きなんです。今年は大きいのを4玉もいただきました。めっちゃおいしかったんですけど、量が半端じゃなかったから、ずっとスイカばかり食べる毎日でした(笑)。

上西怜

上西怜

上西怜(じょうにしれい)

5期生
生年月日:2001年5月28日
出身地:滋賀県
今夏の思い出:メンバーみんなでインドネシア・ジャカルタのフェスに出演したこと! 日本とは違うコールも新鮮だったし、熱狂ぶりにも圧倒されました。すごく貴重な体験でしたね。

山本望叶

山本望叶

山本望叶(やまもとみかな)

ドラフト3期生
生年月日:2002年3月11日
出身地:山口県
今夏の思い出:怖い体験をすることが多い夏でしたね。ロケで心霊スポットに行ったときは、音声さんが急に「女の人の叫び声が聞こえてきた!」と騒ぎ始めたので、顔面蒼白になりました。

青原和花

青原和花

青原和花(あおばらわか)

9期生
生年月日:2004年1月6日
出身地:大阪府
今夏の思い出:7月15日に若手メンバーだけのライブ(「NMB48 NEXT GENERATION 789 LIVE」)を開催しました。活動に対する気持ちの面が、以前とは大きく変わったと思います。

テーマ①
絶対的エース・渋谷凪咲“電撃卒業”の真相と余波

──8月に卒業を電撃発表した渋谷凪咲さんですが、現段階だと卒業する日程は決まっていないんですよね。今の心境は?

渋谷凪咲 まず卒業を発表した次の日、朝起きたら情報番組、ネットニュース、スポーツ新聞ですごく大きく取り上げられていたので、そのことにびっくりしました。ファンの皆さんやNMB48のメンバーから反響があるのはなんとなく予想していたんですけど、世間一般の方からしたら「はあ?」って感じだと思うし……。

上西怜 凪咲さんの存在が世の中に知られていないってことですか? さすがにそれはないですよー。

渋谷 というか、最近、よく芸人さんとかから言われるんです。「えっ、まだNMB48のメンバーだったの!? とっくに卒業したかと思っていた」って。私の存在をなんとなく知っている方も、渋谷凪咲が現役のアイドルだと認識していないパターンはけっこう多いんじゃないかなと。だからこそ、私にとっては最後となる今回のシングル「渚サイコー!」で音楽番組にたくさん出て、歌って踊るアイドルの姿を観ていただきたいです。

左から青原和花、上西怜、渋谷凪咲、山本望叶。

左から青原和花、上西怜、渋谷凪咲、山本望叶。

──どうして卒業を決めたんですか? 渋谷さんはNMB48への愛が深いことで知られていますし、活動自体も停滞することなく絶好調でしたよね。「何も今、グループを離れなくても……」という声もあったはずです。

渋谷 正直なところ、NMB48を卒業したいなんて考えたことはなかったです。ホンマにNMB48で過ごす毎日が楽しいし、グループが大好きでした。活動歴が長くなるにつれ、「卒業」というフレーズを周囲から聞くことも増えましたけど、自分としては「早く個人での活動もしなきゃ」と焦って卒業するのは絶対に嫌だったんですよ。どうせならファンの方からもメンバーからも「なぎちゃん、本当に卒業おめでとう」と納得して拍手してもらえる形がよかったので。

──ベストなタイミングでステージを降りたかったというわけですか。

渋谷 それで今年に入ると、演技のお仕事に挑戦させていただく機会が増えたんですよね。私はアイドルと並行してバラエティのお仕事をやらせていただくことが多いですけど、実は昔から女優さんに憧れていたんです。演技の現場で共演させていただいた方たちは、本当に素敵な方ばかりでして……。年齢的には私より上の方が多かったんですけど、少年少女のようにキラキラした瞳をしているんです。自分が本当に好きで楽しいと感じることを、全力で追い続ける姿勢に感動しちゃったんですよね。

山本望叶 でも、わかる気がします。そこまで本気で打ち込めるものがあるって、なかなか珍しいことだと思うので。

渋谷 私、生きていると、心がシビれることがたまにあるんです。どうしようもないほどワクワクして、一心不乱にがんばりたいと思うときが。思えばNMB48に入ったときもそうだったし、バラエティに出始めたときもそうでした。今、自分自身と素直に向きったとき、「演技で新しい挑戦がしたい」と私の心が言っている。まさに今だと思うんですよね、卒業するタイミングは。11年間NMB48をやってきて、こんな気持ちになったのは初めてです。

渋谷凪咲

渋谷凪咲

上西 凪咲さん、すごいカッコいいです! 自分の考えをしっかり持っているのがさすがだなって思う。現時点だと私自身はまだ卒業なんて想像もつかないけど、こういう納得できる卒業の仕方は憧れますね。

──メンバーとしては、渋谷さん卒業の第一報を聞いてどのように感じました?

青原和花 凪咲さんが卒業発表した劇場公演をYouTubeで観ていたんですよ。帰り道、妹(青原優花。同じくNMB48の9期研究生)と一緒にイヤホンを片耳ずつ付けながら「嘘でしょ?」って茫然としちゃって……2人とも、道のド真ん中で突っ立っていました。そのときの気持ちは、「寂しい」だけじゃなくて複雑なものでしたね。「これからどうなっていくんやろ?」という不安もありましたし。

山本 ほかのメンバーも、凪咲さんの卒業には驚いていました。私は同期の安部若菜ちゃんと仲がいいんですけど、2人でよく「凪咲さんみたいになりたいよね」って話していたんですよ。

渋谷 えー!? そんな素振り、一切見せなかったやん!

山本 2人とも、すごく尊敬しているのは本当です。だって凪咲さん、NMB48にいっぱい貢献してくださったから……。だから「寂しい」「悲しい」というよりも、「今まで本当にありがとうございました」という感謝の気持ちのほうが今は大きいかもしれません。

山本望叶と渋谷凪咲。

山本望叶と渋谷凪咲。

上西 ああ、私も同じ考えだな。卒業発表の日にキャプテンの小嶋花梨ちゃんが「今までいっぱい卒業を決めるタイミングはあったはずなのに、ずっとNMB48で光を灯し続けてくれた」とコメントしていて、本当にその通りだと私も思ったんですよね。「だったら、気持ちよく送り出さないといけない」と気持ちを切り替えるように意識しました。

渋谷 うれしいことを言ってくれるねー(笑)。

上西 だけど、人間の気持ちってそんな簡単に変わるものじゃないんですよ……。ライブの配信が終わったあと、今まで凪咲さんとの間であったことを振り返っていたら、どうしようもなく寂しい気持ちになっちゃって……。

渋谷 怜ちゃん、泣きそう……。

上西 (涙をこぼしながら)だって凪咲さん、私がしんどかったときもずっと寄り添ってくれたじゃないですか……。私、もともと人に相談するのが苦手なタイプなんです。だけど凪咲さんは人が元気ないときにすぐ気付いてくれて、優しく声をかけてくれる。私が一番落ち込んでいたときも、もう相談できるのは凪咲さんしかいないなと考え、思い切ってLINEしてみたんです。そうしたら、すごい温かい長文のLINEが返ってきて……(嗚咽しながら)ずっと私の心の支えだったんですよ。いなくなると思ったら、寂しいに決まっているじゃないですか。

渋谷 そんなふうに思ってくれていたんだね。

上西 でも、この取材でもキラキラした表情で楽しそうに卒業後のことを話していらっしゃいますし、そんな様子を見たら、「おめでとうございます!」って元気に送り出さなきゃいけないって改めて思いました。

上西怜と渋谷凪咲。

上西怜と渋谷凪咲。

テーマ②
後輩3人が考える「凪咲サイコー!」ポイントとは?

──3人から渋谷さんをリスペクトしている旨の発言が続きましたが、具体的にどういう点が「凪咲サイコー!」なのか解説していただけますか?

山本 凪咲さんって、パッと見はふわふわ系じゃないですか。天然というか、何も考えていないような雰囲気を出していますし(笑)。だけど実際は、めちゃくちゃいろんなことを考えているんですよ。例えばお笑いに関してもすごく信念があるし、自分の軸がブレない。「大喜利は本来こうあるべきで……」とか大真面目に語っているのを見ると、すごいなって目から鱗が落ちます。そのお仕事に取り組む真剣さが、私の考える「凪咲サイコー!」ポイント。

──バラエティ出演時も、わりとロジカルに見せ場を作っているんですかね。

渋谷 いやー、そう言われるとちょっと恥ずかしいんですけど。考え込みすぎると、“がんばった感”が出ちゃって笑えなくなりますし、その場の空気を楽しみながら、スッと自然に出たコメントのほうがウケる確率は高い気がする。私、テレビの収録が終わるといつも後悔するんです。「あの大喜利は、もっと気の利いた回答ができたな」とか1人反省会を始めちゃって。

青原 すごい! プロ意識が高すぎます。

渋谷 日常生活を送る中で、視野を広げることを大事にしようと思っています。そこでいろんな言葉遣いや、いろんなものの考え方を自分の中に取り入れていくんです。毎日生活していれば、楽しいことや引っかかることは誰にでもありますよね。それをどうやって自分なりに消化して、発信するかなのかなと思ってます。

山本 聞きました? ここまで深いレベルで物事を考えているメンバー、ほかにいないと思いますよ。ちょっと軽々しく「私も真似します」とか言えないですね(笑)。

──8歳年下の青原さんが考える「凪咲サイコー!」ポイントは?

青原 私からすると、凪咲さんって神みたいな存在なんですよ。本当に偉大な存在。にもかかわらず、こんな一番下の私に対しても分け隔てなく接してくださるんですね。優しく、そして温かく包み込んでくれるような人間性が「凪咲サイコー!」ポイントじゃないかと思います。

渋谷 神って(笑)。さすがにそれは大袈裟でしょ!

青原 そんなことないです。今、こうやって目の前に座っているのも緊張するくらいなんですよ。でも凪咲さんと話していると楽しいから、いつの間にか安心感に包まれているんですよね。凪咲さんは、本当に周りを笑顔にする天才だと思います!

渋谷凪咲と青原和花。

渋谷凪咲と青原和花。

上西 素晴らしい! 私が考える「凪咲サイコー!」ポイントは、ふわふわの眉毛です。なんだか浮き出てくるような感じだから、すぐ触りたくなっちゃう(笑)。

渋谷 そんなところに注目していたの!?

上西 あとは、やっぱり存在自体がサイコーですよね。その場に凪咲さんがいるだけで、周りの雰囲気がパッと明るくなりますから。それはきっと凪咲さん自身が温かい心を持っているからだと思うんですけど。最近、メンバーの中で“なぎちゃんスマイル”というのが流行っているんですよ。(実演しながら)こうやって下唇を上の歯に乗せるんですけど。

渋谷 私、いじられているだけやん(笑)。

上西 違いますよ! みんなも真似したくなるくらい凪咲さんの笑顔がサイコーだって言いたいんです(笑)。