NIGHTMARE×MUCC、デビュー20年にして初ツーマン!座談会で大盛り上がり (3/3)

うらやましいと思った「DEATH NOTE」主題歌

──うらやましいという言葉も出ましたが、お互いの楽曲についてはどういう印象がありますか?

ミヤ 今のヴィジュアル系は、歌詞とかに関してけっこうなんでもアリじゃないですか。でも、そうなったのは、NIGHTMAREや蜉蝣がヴィジュアル系の枠組みを壊していったからだと思うんですよ。ちょっとコミカルな要素を入れたりするヴィジュアル系バンドの走りだったイメージがあります。MUCCはまた別の世界観だったから、そういうことは逆にやってなかった。

 確かに。

YUKKE 俺がうらやましいと思ったのは、「the WORLD」でアニメ「DEATH NOTE」の主題歌を担当したとき。「DEATH NOTE」は好きだったし、「一歩先に行かれた!」と思いました。当時の世の中の流れとしても、一緒のシーンでやっていたNIGHTMAREが表に出て行ったことで、ヴィジュアル系がさらに広まるきっかけにもなった印象がありましたね。

ミヤ 俺、「the WORLD」はカラオケで歌ったことある。

YOMI えー! ありがとうございます(笑)。

ミヤ 最近、改めてNIGHTMAREの曲を聴き直していたら、けっこうYOMIくんの声が昔と変わっているんですよね。それが、俺の好きな変わり方だったから、すごくいいなあと思いました。

YOMI ミヤさんにそう言っていただけるとうれしいです。僕も今回のツーマンに向けてMUCCの曲を聴いていたんですけど、逹瑯さんの歌は逆にいい意味で変わっていなくてすごいなあと思いました。昔から変わらない色があるというか、力があって。自分のインディーズ時代の曲とかは、もう全然聴けないレベルですから。

ミヤ 聴けないレベルのものは廃盤にして、世に残していないだけというところはあるけどね。

逹瑯 はははは!

Ni~ya 俺がMUCCを見ていてうらやましいと思うのは、音楽性ももちろんですけど、ライブのやり方や演出のアイデアですね。ちょくちょくライブを見せていただいて、いつもすごいなと思っています。特に印象に残っているのは、2012年に幕張メッセでやった「MUCC vs ムック vs MUCC」。ライブのスタイルが斬新すぎて、衝撃を受けました。

Ni~ya(B / NIGHTMARE)

Ni~ya(B / NIGHTMARE)

ミヤ 15周年のときに、時代ごとに分けて三部構成にしたライブだ。

YUKKE 30曲以上やって、めちゃくちゃ大変だった(笑)。

Ni~ya そうですよね。セットリスト以外にも、転換中のモニターにリアルタイムでツイートを流したり、ずっと飽きないような工夫をされていて、面白かったんですよ。そういうふうに自由なライブをやられているのはうらやましいです。

バンドにしかない、夢を見れる要素が今でもあるはず

──MUCCもNIGHTMAREも20年以上第一線に立っていますが、ヴィジュアル系シーンの変化は感じますか?

咲人 当時は、もっとバンドの数が多かったですよね。

逹瑯 多かったね。ヴィジュアル系だけじゃなくて、全体的にバンドが多かった。今は、音楽活動をしたいと思ったときに、まずネットに投稿しようってなるだろうから。自分が作った曲を、この歌い手さんに歌ってもらって、この絵師さんにイラスト描いてもらって……とつないでいけば、それで1つの作品になるわけで。自分が今17歳だったら、バンドやってないかもしれない。

ミヤ テレビで観てバンドに憧れるということ自体がなくなってきてるよね。俺たちの時代は、やっぱりテレビの力が大きかったから。でも、バンドにはバンドにしかない、夢を見れる要素が今でもあるはずなんですよ。それをわかっている人がライブに来るんだろうと思います。

逹瑯 ちなみに、RUKAぽんは誰に憧れてバンドを組もうと思ったの?

RUKA BOØWYです。

逹瑯 BOØWYなんだ! 確かにRUKAぽんが作る曲のメロディはキャッチーだもんね。

RUKA そうなんです。

RUKA(Dr / NIGHTMARE)

RUKA(Dr / NIGHTMARE)

ミヤ 俺もBOØWY大好き。

RUKA ホントですか! どの曲が好きですか?

ミヤ 曲で言ったら、「INSTANT LOVE」かな。2ndアルバム(1983年にリリースされた「INSTANT LOVE」)が一番好きだから。

RUKA おおー! 僕は「DREAMIN'」です。

ミヤ いいねえ。ちょうど今年、布袋(寅泰)さんが当時の音をイメージしてプロデュースしたエフェクターが発売になって、速攻で買っちゃったところですよ。

「またどこかのタイミングでやりたいね」って言える終わり方ができたら最高

──対談の盛り上がりを拝見しているとライブ本番が楽しみになりますが、セットリストなどはもう考え始めているんですか?

咲人 まだなんですよ。ちょうどインタビュー前に柩と話していたんですけど、MUCCのお客さんは暴れるのが好きそうなイメージがあるからこそ、そこに寄せていくというより、ちゃんと自分たちのよさが出していきたいよねって。と言いつつ、やっぱり寄せる部分は寄せていきたいとも思うし、迷いますね。

逹瑯 難しいよね。MUCCもNIGHTMAREに寄せたりすると、お互いが寄せ合って中身が近くなっちゃうし。結局、いつもと違うライブになって、変な感じになりそう。

咲人 そうですね。さっき少し話が出ましたけど、お互いのカバーはします?

ミヤ やりたいなあ。

逹瑯 「the WORLD」は1回歌ったことがあるんだけど。NIGHTMAREの曲は、キーが高いんだよねえ。

咲人 でも、MUCCの「流星」のサビの高いところがたぶんG♯だと思うんですけど、ゾジーのキーの高いほうと一緒くらいですよ。

MUCC(撮影:冨田味我)

MUCC(撮影:冨田味我)

逹瑯 いやいや! 一部高いキーがあるだけだったら、勢いでいけるのよ。でも、基本のキーが俺より高いから。ずーっと高いと、喉のスタミナ的につらいんだよね。普通に立ってるところから一発ジャンプするんじゃなくて、背伸びをキープしながらさらにジャンプする感じ?

YOMI わかります(笑)。でも、全然下げていただいていいので!

ミヤ ここまで話して、実際やらなかったら興醒めだよね。もうやるしかない。

逹瑯 で、アンコールではRUKAぽんがドラム、ミヤさんがギター、俺かゾジーがボーカルで、BOØWYやったらいいじゃん。

RUKA はははは!

ミヤ BOØWYやろう! やりたい!

逹瑯 RUKAぽんとミヤさんがやるBOØWYセッションなんて、ほかで観れないでしょ。

RUKA 面白いかも。

ミヤ お客さんがついてこれなくて、けっこうシュールな雰囲気になるかもしれないけど(笑)。そういう意味では、みんな世代が近いから、ルーツをたどっていけばセッションでやれる曲はいっぱいありそう。たとえばLUNA SEAは全員通ってるだろうし、バンドメンバーを入れ替えて、そういう遊びをしてもいいかも。

Ni~ya LUNA SEA、通られてるんですか?

ミヤ この世代でLUNA SEA通っていない人はいないから(笑)。

NIGHTMARE(撮影:菅沼剛弘)

NIGHTMARE(撮影:菅沼剛弘)

──ぜひ実現してほしいです。では最後に、ツアーへの意気込みを聞かせてください。

 ゾジー、この前ライブで言ってたよね。「憧れを捨てて……」って。

Ni~ya WBCでの大谷翔平選手のパクリね(笑)。

YOMI ははは! 「今日だけは憧れを捨てて、勝つことだけを考えていきましょう」というやつですね。ステージでは遠慮なしに、全力で勝ちにいきます! 僕たちも刺激をもらって、さらにMUCC先輩たちにも刺激を与えられたらいいなと思っています。

逹瑯 おおー、いいねえ。せっかくツーマンをやるからには、「またどこかのタイミングでやりたいね」って言える終わり方ができたら最高だよね。これきりになるのは寂しいので、次につなげていけるようなツアーになればいいなと思います。

YUKKE 僕としては、やっとこのときが来たな!という思いです。今でも覚えていることがあって……10年以上前なんですけど、お酒を飲みながらNi~yaくんと語り合ったことがあるんですよ。「これからヴィジュアル系シーンを盛り上げていくのはMUCCとNIGHTMAREだよな」「そうですよね」みたいな話をして、2人で熱く盛り上がったんです。で、そこからちょっとお酒が進んだあと、その日のシメとして「がんばっていこうぜ!」って言ったら、Ni~yaくんが「YUKKEさん! これからのヴィジュアル系シーンは、NIGHTMAREとthe GazettEとシドとアリス九號.でいきます!」って言ったんですよ。

逹瑯 ははははは! MUCC入ってなかったんだ(笑)。

 それはひどい!(笑)

Ni~ya 僕もそのときのことはしっかり覚えています(笑)。すぐにちゃんとツッコまれました。

YUKKE そのときのリベンジも込めて、やってやりますよ!

ツアー情報

NIGHTMARE&MUCC「悪夢69」

  • 2023年8月17日(木)愛知県 Zepp Nagoya
  • 2023年8月18日(金)大阪府 Zepp Osaka Bayside
  • 2023年8月24日(木)東京都 Zepp Haneda(TOKYO)

出演者

NIGHTMARE / MUCC


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プロフィール

MUCC(ムック)

1997年に茨城で結成された、逹瑯(Vo)、ミヤ(G)、YUKKE(B)からなるロックバンド。日本語にこだわった文学性の強い歌詞と、ヘヴィロックやラウドロックの影響をミックスさせた音楽性が国内外で評価されている。2002年にデンジャークルー・レコード内に自主レーベル・朱を設立。2003年にシングル「我、在ルベキ場所」でメジャーデビューし、2005年にはドイツで初の海外公演を行うなど活動の場を広げた。結成15周年を迎えた2012年には千葉・幕張メッセにてワンマンライブを開催。2019年2月には期間限定メンバーとして吉田トオルを迎えたアルバム「壊れたピアノとリビングデッド」を発表する。2020年6月には15枚目となるオリジナルアルバム「惡」をリリースした。2021年10月をもってSATOち(Dr)が脱退し現体制に。2022年6月に現体制初のフルアルバム「新世界」を発表し、同年10月から過去のアルバムを中心とした再現ライブツアーシリーズ「Timeless」を開催中。2023年12月に東京・東京国際フォーラム ホールAで結成25周年を締めくくるワンマンライブ「MUCC 25th Anniversary TOUR Grand Final Bring the End to『Timeless』&『WORLD』」を行う。6月9日を「ムックの日」とし、毎年さまざまなイベントや企画を実施している。

NIGHTMARE(ナイトメア)

2000年に結成された5人組ヴィジュアル系ロックバンド。インディーズ時代に数々のデモテープやシングルを次々と完売させ話題となり、2003年8月にシングル「-Believe-」でメジャーデビュー。メロディアスかつ攻撃的なサウンドが好評を博す。2006年にはレーベルを移籍し、シングル「the WORLD / アルミナ」を発表。収録曲がテレビアニメ「DEATH NOTE」のオープニングおよびエンディングテーマに起用され、幅広いリスナー層から注目を浴びた。2016年末より活動を休止していたが、2019年10月に活動再開を発表。2020年2月に横浜アリーナで復活ライブ「NIGHTMARE 20th Anniversary SPECIAL LIVEGIANIZM ~再悪~」を開催した。2022年3月に7年ぶりのアルバム「NOX:LUX」をリリース。2023年3月にシングル「FAREWELL」を発表し、全国ツアー「NIGHTMARE LIVE HOUSE TOUR 2023 FAREWELL TO SHADOWS」を行った。