MUSICA & Natalie Power Push - NEXUS
NEXUS開催記念! 小出祐介×山口一郎の新世代音楽トーク
みんな知らないだけなんだなって思う(山口)
山口 「変える」っていう願望はないの? 例えば「ユーザーを変える」とか、「日本の音楽シーンを、音楽の水準をちょっと上げたい」とか……そして自分の好きなことをやったときに認められる分母を作るというか。そういう願望みたいなのってないの?
小出 望みとしては、そうなってほしいなと思うけど、それは俺の仕事じゃないと思ってる。
山口 俺の初期衝動はフォークソングをバンド形態にアレンジするときの感動。その感動は原点にある。だけど今、俺は「変えたい!」っていう気持ちのほうが強いかな。それはシーンとか、ユーザーを……。
小出 これはよくないだろう! とか?
山口 こんなので騒いじゃダメだよみんな! っていうのはある。
小出 それは俺も思うね。
山口 こういうのがもっとあるのに、みんな知らないだけなんだなって思う。じゃあ根本的に悪はなんなのか? って考えたら、メディアが一番最初に届ける音楽っていうのが一番人に届くものだし、そこだけを支持するっていう人もたくさんいるんだなってこと。やっぱりそのメディアリテラシーっていうものがもっと普及して、みんなが理解できるようになってくると、いい意味で、音楽の聴き方が変わったり増えたりするんじゃないかなって思ってるからな。
小出 それはでも、本当に難しい話だよね。言ってみれば、にわとりが先か卵が先かって話だから。そこを考えてるのは立派だと思うし、それを本気でやろうとしているのがすごいなと思うよね。
30代をターゲットにした曲を作るのは気持ち悪い(小出)
──Base Ball Bearって、世代観をひとつ設定して歌を作ってる感じがするんだけど。それはその世代観の人達に訴えたいものがあるのか、もしくはその人達と共有したい気持ちがあるのか、どっちなの?
小出 それはもう出ちゃうの。俺には止められないものなの。今25歳なんですけど、例えば年齢設定をわざと「30代、会社員、独身でちょっと大人っぽい恋愛をしている人」っていうのを視野に入れて曲を作るっていうのは気持ち悪いんだよ、やっぱり。
山口 わかるわかる! 見抜かれるよね。
小出 そう、見抜かれる気がする。なんかただおしゃれな服着るだけっていうのがもう嫌で……。
山口 わかる。音楽やっていると、どこの年齢層をターゲットにしているとかっていうのはどうしても意識しちゃうところはあるんだけど。でもそこにすがると今、小出くんがいっていたとおり絶対に見抜かれるし、10代に向けて今の自分の年齢で曲を作っても10代のプロからすれば、「コイツ適当だ」とかっていうのはわかると思うんだよね。だから僕も、自分の年代から見る時代を言い当てて、みんなに支持されるものを作らなきゃいけないなっていうつもりでやってるけど……どういう結果が出てるかはわからない(笑)。
サカナクションにとってコーストはホーム(山口)
──えー、このインタビューは11月8日のイベント「NEXUS」を一緒にやるっていうタイミングのものだから、それに向けての抱負を訊きたいんですが。
小出 現場が新木場STUDIO COASTでしょう? 完全にサカナ有利じゃん!!(笑) だってクラブじゃん!! 悔しいなと思って。絶対ミラーボール回すでしょ!?
山口 たぶん回さない。
小出 いやー、回すでしょ。
山口 レーザーは使うよ。
小出 あ、それも悔しいなぁ。あそこのミラーボールって、回すのに1回10万かかるの知ってる?
山口 マジで!?!?
小出 俺、前に若若男女(チャットモンチー、シュノーケルとやっているイベント)で回す予定はなかったんだけど、「ダンス湯浅将平」で回したい! って言ったら、スタッフに「いや、回すのに10万かかるから」って(笑)。だからマネージャーに「お願いします! 10万払ってください! これで今日のライブで俺らが勝つかどうかが決まるんです!」って言って回してもらって。狙いどおりのところで、狙いどおりの回り方になったから、完全にハマッたなって思って。勝った。
──(笑)。完全にホーム扱いされた一郎はどうなの?
山口 確かにサカナクションにとって、コーストはホームだね。でも、俺はコーストでベボベ観てみたいと思ってた。
──それはクラブ的なところにバンドとして訴えていけるんだっていうこと?
山口 そうそう。ロックとクラブミュージックの差っていうのは、シンセとか使っている楽器のフォーマットを抜きにすれば、曲構成とかではほとんどないと思うんだよね。ベボベの音楽なんて特にそうだと思うし、たとえば俺達が小出くんの曲をアレンジしたらサカナクションっぽい音楽になるし、クラブミュージック・ロックになると思う。でも小出くんはそれを俺達とは違うやり方でやっていて、だから観てみたい。
──でも対バンやるのって、無意識にライバル的な気持ちが出てくるんでしょ?
小出 あるある、もちろん。悔しいし、うらやましいっていうのもあるけど、やっぱり負けたくない。そういうのあるでしょ?
山口 でもベボベのライブを観て悔しいって思う場合は、悪意のない悔しいなんだよ。一緒にがんばろう的になっちゃうんだよね。
●以下、続きは10月15日(木)発売の雑誌「MUSICA」に掲載されます! 前編後編どっちも読み耽って、11月7日、8日は「NEXUS」で一緒に弾けましょう!!
2009年11月7日(土)
OPEN 15:00 / START 16:00
新木場STUDIO COAST
出演:flumpool, UNISON SQUARE GARDEN, lego big morl, THE BAWDIES, Prague
2009年11月8日(日)
OPEN 16:00 / START 17:00
新木場STUDIO COAST
出演:GO!GO!7188, サカナクション, Base Ball Bear, bonobos, mere mortals (from L.A.)
チケット好評発売中!
東京公演
前売:3675円
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