MUSICA & Natalie Power Push - NEXUS

NEXUS開催記念! 小出祐介×山口一郎の新世代音楽トーク

合理性って悪だと思う(山口)

山口 俺は最近、原曲を作るときとアレンジするときっていうのを完全に分けてたの。戦略的な自分を原曲作りに持ち込みたくない、ごっちゃごちゃになっちゃうから。小出くんはどうしてんの?

小出 俺もそうだよ。

山口 やっぱり原曲を作ってるときはピュアなの?

小出 なんていうのかな、俺は割とどっちもピュアなほうだと思うんだけどね。原曲作ってるときはホントに家でギターだけみたいな感じだからね。基本的にはデモっていうものを作んないし。曲ができていく一番最初の大元、だいたいのコード感も「このコードいいな」から始まるから、メロディもコード進行に気持ち良く乗っけていくだけ、みたいな。割とそういう始まり方なんだよね。

山口 俺はもう完全にフォークだね。アコギで成立するフォークソングを作るっていう。その後で戦略的な自分が現れて「この曲こういうふうに変化させようかな」って考え出す。

小出 うちの場合はアレンジのときにバンドマジックが発生するっていうのもわかってるから、余白を残しておく。じゃあここは決めなくていいか、っていうのも置いてあって、それを現場で鳴らしてみた感じで「どうだ?」っていうので判断してるところはある。ただ期待が外れたときは、ホントにどうしようもないけど(笑)。だから案外、クレバーなところだけで作るとつまんない。

山口 そうだね、合理性って悪だよなぁって、俺はやっててすごい思うの。

小出 俺は1回、合理性だけで「十七歳」っていうアルバムを作ったんだけど、それだとやっぱり足りないって思ったの。「曲をポップにしたい」とか、「わかりやすくしたい」というのはもちろんいまだにあるし、「間口広げなきゃ!」というのも同時にあるけど、「ロックバンドでいたい!」っていうのが何よりもやっぱり最優先なんだよね。元々、そういうのに憧れてたからじゃないのかなと思うけど。

俺は復讐心から始まってる(小出)

──リスナーや周りの環境に食い尽くされたくないっていう反骨精神みたいなものもあるの?

小出 それはありますよ。やっぱり常に攻めていくためには、常に燃やしてなきゃいけないものってあるじゃないですか。その火種を消したくないんですよ。創作の火元というのは、いつでもエモーショナルなものだったりすると思う。

山口 アートっていう部分はある?

小出 俺はね、案外ない。アート的な部分はあえて手をつけないようにしてる。

対談写真

山口 俺は「アートをエンタテインメントにする」っていうところがポップ性だと思ってたんだよね。それで「シンシロ」を作ったけど、それをやってみたら意外とロックだったんだよね。ロックに行くまでの過程ってたぶん、いろいろあると思うんだけど、俺はアート性みたいなものがどれくらいポップになってロックとして受け入れられるのか? っていうのが今後の未来のような気がするんだよね。

小出 山口くん的には、サカナクションの捉えられ方としては、ポップというところより、ロックというところで捉えられたいっていうのがあるの?

山口 ある。でも同時に、ひとつのフォーマットにはとらわれたくない。ロックってもっとも便利にフォーマット化されるものだから、その意味ではロックはちょっと不愉快かも(笑)。

小出 でもそう思っている時点ですでにロックミュージシャンなんだと思うよ。僕の場合は音楽的に何がしたいか。山口くんみたいにポップとかアートとか、ロックっていうものも含めて割と音楽っていうところに動機があんまりないのよ。音楽をやりたい! っていうのはあるけど、とにかく僕の場合はエモーショナルとか。フラストレーションだったりとか、ムカつくとか、あいつぶっ殺したいとか、極端に言うと復讐心とかそういうものが最初にあるの。「俺はこんなもんじゃない」って思ってるっていうか。

──ベボベを組んだときからそうだもんね。

小出 そう、俺はそういうとこから始まってるんだよね。だから、いっくら「メッセージソングを作りたい!」とか思っても、どっかしらに復讐心があるの。「俺を認めないやつに認めさせたい」みたいなのがとにかくあって。じゃあそれをどうしたいか? って考えたときに、例えば自分をいろいろ飾ってやるっていう方法もあっただろうし、普遍的な曲を書こう! っていうとこに寄っていってもよかったとは思うんだけど、そういうのもありつつ、同時に本当の自分がいるっていう曲じゃないと認められてもうれしくないの。だからそれを両方やろうとした。

NEXUS ポップとロックの因数分解、その傾向と対策!?

2009年11月7日(土)
OPEN 15:00 / START 16:00
新木場STUDIO COAST

出演:flumpool, UNISON SQUARE GARDEN, lego big morl, THE BAWDIES, Prague

flumpoolUNISON SQUARE GARDENlego big morlTHE BAWDIESPrague

NEXUS “NO GIRL, NO BASSIST” ~女性ベーシストバンドのNEXUS~

2009年11月8日(日)
OPEN 16:00 / START 17:00
新木場STUDIO COAST

出演:GO!GO!7188, サカナクション, Base Ball Bear, bonobos, mere mortals (from L.A.)

GO!GO!7188サカナクションBase Ball Bearbonobosmere mortals (from L.A.)

NEXUS @ OSAKA “NO GIRL, NO BASSIST” ~女性ベーシストバンドのNEXUS~

2009年12月6日(日)
OPEN 17:30 / START 18:30
大阪なんばHatch

出演:凛として時雨, サカナクション, MASS OF THE FERMENTING DREGS

凛として時雨サカナクションMASS OF THE FERMENTING DREGS

チケット好評発売中!
東京公演

前売:3675円

電子チケットぴあ
0570-02-9999
Pコード 335-505(11月7日)/ 335-507(11月8日)
ローソンチケット
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Lコード 78737(11月7日)/ 78741(11月8日)
イープラス
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CNプレイガイド
0570-08-9999
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SOGO TOKYO 03-3405-9999
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大阪公演

前売:3465円(ドリンク別)

チケット一般発売日:
2009年11月7日
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GREENS