“弾いてみた”を歓迎する特典が盛りだくさん
──シングルの“アーティスト盤”には各メンバーの演奏パートを1人分ずつマイナスした「ふざけてないぜ」の“いないver.”の音源が5トラック入っています。カラオケやインストは一般的ですが、シングルに各パートのマイナス音源とは珍しいですね。
朝日 楽器でコピーする人に優しい仕様です。アニソンはいろんな人がコピーしているイメージがあったのと、もっさが「特典を音楽らしいものにしたい」と話していたこともあって、こういう形になりました。
もっさ 例えばCDにグッズとかTシャツを付ければボリュームはあると思うんですけど、どうにかして音楽的というか、物ではなくて音楽体験につながる特典をどうにか作れないかなって。
──“いないver”はデモともインスト音源とも違う発見がありますね。1パートでも抜けると完成形とは全然違う印象になりました。
朝日 ドラムがいないとこんなにスリリングになるのかと(笑)。
もっさ 面白いですよね。朝日さんがいないとギターロック感が薄れるし。
──あと“いないver”が貴重だと思ったのは、もっささんオンリーのギターソロを聴けるという。
もっさ それ、私も思いました(笑)。ドラムとかベースがいないだけでもほかの楽器の音がよく聞こえるようになるから、コピーしやすいはず。
朝日 でも各パートを単品で聴かせるんじゃなくて、“いないver”なので。聞き取れるままコピーしてもらって、好きに弾いてほしいです。何を弾いても正解っちゃ正解なので。あとは地味に面白い曲なので、楽曲解説のリーフレットも作りました。
──図解イラストや手書き文字を含めて、リーフレットはかわいい仕上がりで、楽器をやってない人でも楽しめそうですね。文字の情報量がすごく多いのもワクワクします。もっささんが書いたんですか?
もっさ メンバー全員で書きました! メンバーそれぞれが自分のパートについてコメントを書いてくれて。やっぱり私たちはネクライトーキーの曲をいろんな人にコピーしてほしいんだと思います(笑)。「音楽を一緒にやろうぜ!」とまでは言えないけど、試行錯誤の結果がこれなので楽しんでほしいです。マンガ本の空いたページに細かく書いてある裏話とか、スコア(楽譜)に書いてある解説コメントを読むのが私は好きで。特にスコアに載ってるメンバーコメントがいいなと思ってたから、音楽好きな人ならこういうのも楽しんでもらえるんじゃないかなって。
朝日 ツアー中に楽屋でリーフレットを作ってたんですけど、みんなで楽曲のポイントを書いているうちにだんだん情報量が増えてきて。
もっさ 1曲に対してみんなのこだわりがたくさん書いてあって。ペラ紙1枚ですけど、それ以上に価値があればいいなって気持ちです(笑)。
──さらに特典Blu-rayには耳コピならぬ“目コピ”の参考になる動画が入るということで。
朝日 そうです。コピーするにあたって万全な体制を整えたシングルです(笑)。
もっさ コピーするときに演奏動画があるとうれしいですから。メンバー5人ですけど、画面は6分割になっていて、私のボーカルとギターも分割されてます(笑)。ボーカルを目コピするってどういうことやねんって感じだけど(笑)。
朝日 メンバー別々に撮影・録音してるんですけど、ライブ音源ともスタジオ音源とも違うバージョンになります。これとアーティスト盤の“いないver”を駆使すれば完コピできるはずです。
──楽譜やTAB譜は載せず、たくさんのヒントを与えるスタイルなんですね。
もっさ そうなんです。正解はない!(笑) 皆さんがコピーした動画は新しいのが上がってないかいつもチェックしているので、今回も楽しみにしてます。
──リーフレットはメンバーで作ったとのことですが、ジャケットイラストはこれまでと同じくもっささんが描いていて。今回のイラストは描くジャズマスターを弾く女の子ですね。
もっさ このギター、朝日さんのジャズマスなんです。朝日さんのギターを写真に撮って参考にしたのでけっこう精密です。かわいい女の子にジャキジャキのジャズマスターを弾いてほしいっていう私の願いがジャケットになってます。
──「カノジョも彼女」の影響も受けている?
もっさ はい。アニメにはいっぱい女の子たちが出てきますよね。その子たちがジャズマスを弾いてくれたらいいなって(笑)。「ふざけてないぜ」のデモ音源を聴いた最初の印象が「ジャズマス!」だったんですよ。イントロのギターリフがキンキンと鉄みたいな音がしていて、一瞬で「これジャズマスの曲やん」と感じたときの気持ちがイラストになってます。
「波のある生活」ファン待望の音源化
──カップリングの「波のある生活」は、2019年に「サントリー天然水 GREEN TEA」のプロモーション企画で公開された楽曲ですが、音源化は今回が初です。
朝日 これまでなぜアルバムに入らなかったかと言えば、新しい曲を作っていると新しいのを一緒に入れたくなって、ずっとタイミングを逃してたからなんですよね。
──追加レコーディングもしたバージョンがシングルに収められるようですが。
朝日 ちょろっとだけ追加しました。もともとのバージョンだと、ボーカルRECの現場に俺ともっさしかいなかったんですよね。だから最後の「ララララ」ってコーラスは2人分しか録れなくて。今回、シングルに入るということで、やっと5人そろってコーラスを入れられました。
──この曲はライブでもやってるんですか? シングルが出るということはツアーで演奏される可能性も?
朝日 ライブで演奏するかはわからないですけど、ひさびさに聴いたらやっぱりいい曲だなって(笑)。
もっさ 「ふざけてないぜ」と「波のある生活」、シングルにこの2曲というのはバランスがいいですね。「ふざけてないぜ」はみっちり詰め込んだ濃い感じだけど、「波のある生活」は軽やかでさわやかな感じ。
バンド史上最多ツアーは残り3公演
──リリース後にはツアーの残り3公演が東名阪であります。どんなライブにしたいですか?
朝日 すごく楽しくなると思います。今ツアーをやっていて、ライブを重ねるごとに演奏もよくなっているし、来てくれた人が満足してくれるものになるんじゃないかなって。ちょっとハードル上げてますけど(笑)。きっと楽しめるライブになると、自分では思います。
──ファイナルの豊洲PITは大きな会場ですね。
もっさ 豊洲PITのイメージがまだできてなくて、セミファイナルにあたる大阪のなんばHatchのほうがよく観に行っていた場所なので想像はしやすいですね。Hatchは出る箱じゃなくて観に行く箱ってイメージがいまだにあります。
朝日 前のツアーでBIGCATに出る前もそんなこと言ってたけどね(笑)。
もっさ 大きな会場に立つ自分がいつまで経っても想像できないんですが、だからこそライブをするたびに新たな発見もあります。今回はこれまでで一番本数の多いツアーを回ってきているので、最後の3公演は満を持して、胸を張ってステージに立てるといいなって。いや、きっと自信を持って立てるはずです!
- 「ゴーゴートーキーズ! 2021」(※終了分は割愛)
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- 2021年9月17日(金) 愛知県 DIAMOND HALL
- 2021年9月19日(日) 大阪府 なんばHatch
- 2021年9月30日(木) 東京都 チームスマイル・豊洲PIT
- ネクライトーキー
- 2017年に朝日(G)が中心となり、もっさ(Vo, G)、カズマ・タケイ(Dr)、藤田(B)により結成されたバンド。2019年3月に初回ライブよりすべてのライブサポートを行っていた中村郁香(Key)が正式加入し、5人編成となる。邦楽、洋楽、さらにはゲームミュージックまで取り込んだ遊び心あふれるポップな楽曲と、もっさのあどけなさの残る歌声で注目を浴びる。2018年12月リリースの1stフルアルバム「ONE!」はiTunes Storeのロックアルバムチャートで5位にランクイン。2019年7月にミニアルバム「MEMORIES」をリリースし、初のワンマンツアーを成功に収めた。2020年1月にメジャーデビューアルバム「ZOO!!」をSony Music Associated Recordsから発表。9月に大阪・大阪城音楽堂、東京・日比谷野外大音楽堂で行い、10月にテレビアニメ「秘密結社 鷹の爪 ~ゴールデン・スペル~」のオープニングテーマ「誰が為にCHAKAPOCOは鳴る」を配信リリース。12月に5都市のライブハウスを回るツアー「ゴーゴートーキーズ! 2020師走」を行った。2021年5月に3rdアルバム「FREAK」をリリースし、6月よりバンド史上最大規模のライブツアー「ゴーゴートーキーズ! 2021」を開催。9月8日にテレビアニメ「カノジョも彼女」のオープニングテーマを収めたシングル「ふざけてないぜ」をリリースする。