何を撮ってもカッコよく見えちゃう

──7月にはビデオクリップの撮影が神奈川・海上自衛隊横須賀地方総監部にて行われました（参照：日本初のイージス艦上撮影実現！ナノ新曲PV制作に密着）。当日は僕も同行しましたが、早朝から夜遅くまで、まる1日かけての撮影でした。

Hiro　そうですね。スタートは早朝というか真夜中でしたけど（笑）。

──3時に現地入り、4時から撮影が始まりましたからね。

ナノ　そんな、人が寝てる時間にイージス艦に乗って。

──ナノさんとMY FIRST STORYのコラボ自体すごいことなのに、さらにイージス艦上でビデオ撮影っていうのもまた驚きでしたし。

ナノ　初モノばっかり。

──今振り返ってみて、あの撮影はどうでした？

Hiro　単純に疲れましたね。めちゃめちゃ朝早かったですし。

ナノ　しかもHiroは撮影が終わったら飛行機に乗って、地方に移動して。寝てないもんね。

Hiro　もうバタバタでした。限られた時間な上に、規模感はめちゃめちゃデカいし。今思うと「うわあ……よくやったよなあ」って思いますね。あの撮影の仕方はちょっとアホだなと（笑）。

ナノ　あはは（笑）。イージス艦に大型のクレーンカメラを向けて撮影するっていう……その状況がアホだよね。

──しかもそのイージス艦の上には2人がいて、「SAVIOR OF SONG」を歌うわけですから。ここではライブを意識したパフォーマンスで、レコーディングとは違った感触を受けたかと思いますが？

ナノ　やっぱりある程度お互いを意識しなきゃいけないじゃないですか。今まではソロで自分中心だったからやりたい放題だけど、2人が並んだときにバランスが取れてなきゃいけないし、そういうすべてのことが新鮮に感じられました。しかも、撮影を重ねてくごとにお互い熱くなっていって。最終的にはすごくカッコいい映像が撮れたと思います。何を撮ってもカッコよく見えちゃうから、ディレクターさんもどれをカットするか相当迷ったんじゃないかな（笑）。

──それにしてもあんな経験、今後二度とできないかもしれないですね。

ナノ　「初めてイージス艦の上でPV撮ったんだよ」って一生言えますからね。例えば何十年か経ってからほかのアーティストが同じくイージス艦でPVを撮ったとしても、最初に撮影したのは自分たちだってことは変わらないわけで。そこはすごく誇りに思います。

ライブでの競演は「自分の中でも歴史的瞬間」

──そして8月に入ると、東京と大阪でナノの2ndライブ「Color my world.」が行われました（参照：マイファスもゲスト参加！ナノ東京＆大阪ワンマン完全密着）。3公演すべてにHiroさんがゲスト出演していち早く「SAVIOR OF SONG」を披露したわけですが。

ナノ　Hiroがステージに登場して一緒に「SAVIOR OF SONG」を歌ったときの、お客さんの盛り上がり方がもうハンパなくて。すっごい楽しんでるのが伝わってきました。

──あの曲が披露されたときはライブにおける1つのピークだったと思います。曲のパワーはもちろんだけど、2人がステージにそろったっていうスペシャル感も強くて。

ナノ　そうですね。自分の中でもあれは歴史的瞬間だったと思う。なかなかない光景だったんじゃないかな。

──Hiroさんはどうでしたか？ 普段自分のバンドで歌うときとはまた違った感覚だったと思うし、ある意味MY FIRST STORYを1人で背負ってステージに出ていった感じもあると思いますが？

Hiro　いや、実はそこまで深くは考えてなかったんですよ。ゲネプロのときからそうだったんですけど、1人でナノバンドに加わって、いつもと違うバンドメンバーで自分が歌うっていうくらいの感覚。もちろん不安もあったし、どんな空気感になるのかもわからなかったし、ナノのお客さんは俺らのことをどんぐらい知ってるんだろうとも思ってたし。でも本番でステージに立ったらお客さんが温かく迎えてくれてるのがわかったし、横にナノがいて一緒に歌うっていう安心感もあったから、始まった瞬間に不安とか全部吹き飛びました。単純に楽しいライブができたので、僕の中でも印象深いライブになりましたよ。

ナノ　そう言ってもらえると、めちゃくちゃうれしい。自分も最初はHiroが隣で歌ってくれることはすごくうれしかったけど、逆に自分がHiroの立場だったら同じく不安だったと思う。自分のファン以外の人たちの前というアウェイな状況だったら心細いだろうし。でもナノバンドのメンバーもリハーサルのときからHiroのことをめっちゃかわいがってくれて、打ち解けるのが速かったので早い段階で「あ、これは全然大丈夫だ」と確信できたんです。

Hiro　もちろんMY FIRST STORYとは演奏の感じやプレイヤーの手癖が違うんですけど、それ以前に人間的にスッと溶け込めたっていうのが大きかったかな。

ナノ　それにHiroが、びっくりするほど礼儀正しくて。

Hiro　いやいやいや（笑）。

ナノ　オンとオフの切り替えも素晴らしくて。1公演目でスイッチが入ったHiroをステージで観て、一瞬「おおっ……」って驚いたくらい。それに触発されて、自分も負けてられないっていつもと違うスイッチが入ったと思うんですよ。そこは本当に勉強になりました。