仲村宗悟|今だからこそ生まれたファンクナンバー

90年代ファンクと最新の音との融合

──村山☆潤さんによるアレンジによって、サウンドは痛快なファンクになっていますね。

メロディラインを作っている段階で、この曲は90年代ファンクと最新の音との融合を感じさせるような仕上がりにしたくて。最初の段階からブラスを使うことは自分の頭の中で確定していましたし、それ以外にも具体的なイメージがけっこうあったので、村山さんにしっかりお伝えしました。合計4回くらいやり取りを重ねたことで今のアレンジになりました。その後、サポートバンドのレコーディングにも参加させてもらって、ギターのフレーズや弾き方に関してもいろいろお願いさせていただきましたね。

──ちなみに仲村さんは日ごろからファンクをよく聴くんですか?

特にこのアーティストをよく聴きます、みたいなことはないんですけど、ファンク自体は昔から好きなんですよね。今回の曲をファンクにしたのは、きっとそういう気分、そういうモードだったからだと思います。ちょっとやさぐれた歌詞を書きたい気持ちもあったので、それがファンクのサウンド感にマッチするんじゃないかなって思いもあったし。これまで僕が書いてきた曲は全部アプローチの仕方が違っているんですけど、今回もまた新しい僕の側面を見せられることができたと思いますね。仲村宗悟にはこんな名刺もあるんだぜっていう(笑)。

──今回のボーカルはかなりパワフルな印象ですよね。同時に、ファンクサウンドにマッチする艶っぽさも感じることができました。

仲村宗悟

かなりノリノリで臨めましたね(笑)。サポートバンドのレコーディングから歌録りまで1週間くらい時間があったので、その間はずっとバンドが演奏してくれたオケを聴きながらどんなアプローチができるかを考え続けたんです。なので、実際の歌録りはかなり早く終わりました。コーラスも含め、1時間ちょっとくらいだったんじゃないかな。

──めちゃくちゃ早いですね!

今回はパートごとに細かく録るのではなく、1コーラスごとに大きく録るようにしたんです。しかもメロディに対しての正確さよりもテンション感をとにかく大事に、一気に封じ込めたというか。きらびやかにバーンとハジけるサビでは、もう全身を使って歌ってましたね。ブースの中でめちゃくちゃ動きながら歌ってました(笑)。

──逆に言えば、動かずには歌えない曲なのかも。

まさにそうですね、この曲は(笑)。「その度にいつもヘラヘラして」という歌詞のところでは、わざと潜るように低めの声を当てているんですよ。そのあたりはちょっとコミカルな雰囲気を出すための表現としてこだわったところで。ジャケット写真もそうですけど、今回はわりとコミカルさを意識したところがあります。

──そのイメージはどこに起因してるんですかね?

サウンド感なのかな? なんかこの曲はカッコつけて歌ってますというよりは、ちょっとコミカルなくらいリズムに乗って跳ねてるイメージがあったんです。まあ僕自身がそういう人間でもありますしね。キメキメにしすぎることができないという(笑)。

──キメすぎると照れてしまうとか?

照れるというよりは、自分が思うカッコよさがそこなんでしょうね。ときには完璧にカッコよく、クールにキメることがあってもいいんだけど、多少のユルさがあるくらいが僕としては好きなので。

エンタメは絶対死なない

──楽曲配信と同時にミュージックビデオも公開されていますね。

はい。今回は千葉県にあるアミューズメントパークみたいなところで撮影したんですけど、今までのMVとはまったく違う画になっていると思います。観ていただければわかりますけど、さわやかさではなく荒々しさを全面に出している感じなので。

──確かに「Here comes The SUN」や「カラフル」のMVの雰囲気を想像していると、かなり驚きますよね。

めちゃくちゃノリノリで動きまくりました。映像はいいところを切り取ってもらってますけど、裏ではかなりゼーハーしてましたね。楽しかったけど、「これ疲れんなー」という(笑)。ちなみに内容的には自分の中にある二面性みたいなものをテーマにしています。2人の僕が出てくるんですけど、最後に出てくるのはかなり“ブラック宗悟”で(笑)。そりゃね、「Oh No!!」みたいな曲を書く人が、きれいな感情だけしか持ってなかったら嘘でしょ、という。ニヒルに笑ってくださいという監督からのリクエストに応えて、最後は相当悪そうにニヤッとしてるので、そこにも注目してください。

──そういえば10月の配信イベントの最後に、仲村さんは「エンタメは死なねえぜ!」と発言されていましたよね。その言葉に勇気付けられた人もたくさんいると思うのですが、最後に改めてその真意を聞かせてください。

音楽とか絵とかは、なくても生きていけると言われがちじゃないですか。でも、結局はそれがないと人間は絶対生きていけないと僕は思うんです。僕らは食べ物から身体的な栄養をもらってますけど、それと同様に心にも栄養は必要なわけで。それを与えてくれるのが音楽をはじめとするエンタメなんです。心が枯渇したら楽しく生きていくことなんてできるわけがないので。だからエンタメは絶対死なない。どんなことがあったとしても絶対に残り続けていくものだと思う……という意味であの言葉を言いました。

──だからこそ仲村さんはここからも精力的な活動を続けていくことになるんでしょうね。

そうですね。来年2月には3rdシングル「JUMP」の発売も控えてますし、今年は叶わなかったですけど、1stアルバムのリリースに向けて動いていきたい気持ちもあります。さらに世の中の状況がよくなっていけば、ライブも絶対にしたいですし。来年は世界的に光の見える状況になって、やりたいことが思い切りやれる1年になったらいいなと願っています。

仲村宗悟