ナタリー×WOWOW ミュージックスタイルJAPAN PowerPush - 野宮真貴

30周年記念ライブをオンエア WOWOW連動インタビュー

「本物の音楽との出会い」をコンセプトに、毎月厳選したアーティストを紹介するWOWOWのライブプログラム「ミュージックスタイルJAPAN」。今月の放送では、野宮真貴が3月19日に東京・Shibuya O-EASTで行った一夜限りのアニバーサリーライブの模様がオンエアされる。

この企画を受けて、ナタリーでは「ミュージックスタイルJAPAN」と完全連動の特集コンテンツで野宮真貴のインタビューを掲載する。なおWOWOWの番組オフィシャルページでは、インタビューの別バージョンが読めるので、そちらもあわせてチェックしてもらいたい。

番組はWOWOWライブにて4月15日(日)23:00から放送。5月16日(水)23:00からはリピート放送も予定されている。

取材・文 / 大山卓也 撮影 / 福岡諒祠

7時ちょうどの「東京は夜の七時」

インタビュー風景

──30周年記念ライブ、素晴らしかったです。印象深い曲を1曲挙げるなら?

やっぱり1曲目の「東京は夜の七時」ですね。今回ライブが7時から開演ということで、どうしても7時に「東京は夜の七時」を歌いたくて。だから開演が押さないようにがんばりました(笑)。

──この曲の演奏中は、お客さんによる写真撮影をOKにしていましたよね。

私、ライブまでの3カ月間くらいかな、毎日夜の7時にTwitterで「東京は夜の七時」ってつぶやいてたんです。そのときにいる場所を写真に撮ったりして。北海道にいるときは「札幌は夜の七時」とか、そういうときもあったんですけど、それをずっと続けてたんですね。だけど当日は7時に歌うからTwitterができなくて(笑)。だから特別に皆さんの撮影をOKにして、写真付きでね、ツイートしてもらったんです。みんな結構盛り上がってたみたいだったし、とても楽しかった。

最高のメンバーと豪華ゲスト陣

──今回メインで演奏を担当していたのは、中塚武さんを中心とする実力派のメンバーでしたね。

はい、今回生バンドで歌えたのはすごく良かったです。音楽監督を中塚くんにお願いしたんですけど、最初に打ち合わせしたときに彼が「同世代で最高のメンバーを揃える」って宣言してくれたんですね。本当にその言葉どおり、素晴らしいメンバーが集まってくれて。アルバムを再現するだけではなく、今回のライブ用に最高のアレンジも作ってくれて、それも素晴らしかったと思います。

──豪華なゲストの方もたくさん参加していました。

皆さんそれぞれにライブを盛り上げてくださって、すごく楽しく歌えましたね。鈴木慶一さんは、やっぱりデビュー当時からのお付き合いなので、そこにいてくれるだけで安心するんです。まさか30年経って一緒にステージに立てるなんてって、そういう気持ちもありました。

──カジヒデキさんは半ズボンで登場でしたね。

インタビュー風景

変わらないですよねえ。渋谷系って言われてた当時はもちろんお会いしてたし、何回か一緒にラジオのゲストに出たり、そういうことはあったんだけど、音楽を一緒にやるというのは今回のこのアルバムが初めてで。「カジヒデキさんです!」って紹介したとき、会場もすごく沸いて、良かったですよね。

──ヒャダインさん出演の「ベイビィ・ポータブル・ロック」も盛り上がりました。

ヒャダインは、今回のアルバムに参加してくれたプロデューサーの中でも一番のピチカートマニアだったし、楽曲のアレンジも力が入った素晴らしい仕上がりで、私もとても気に入ってるんです。ステージでもマニアならではのツボを心得ていて、楽しかったです。

──雅-MIYAVI-さんも圧倒的なギタープレイを見せてくれましたね。

本当にカッコよかったですね。彼のことをそんなに知らなかった私の友人も、彼のパフォーマンスを観て、みんなファンになっちゃったみたい(笑)。ブラボー小松くんも世代が違うけど、雅-MIYAVI-くんと今回のセッションでつながったりして、それはとてもうれしいことですよね。

衣装デザインは丸山敬太

──野宮さんのライブは衣装も見どころですよね。今回のデザインは丸山敬太さんが担当されたそうですが。

相談に行って、私のアイデアも出して、作っていただきました。デビュー30周年記念ライブということもあって、私の過去の写真を使ったペーパードレスで自分の30年を着ちゃおうかって。そういうのできないかなって相談したり。

──今回のオンエアでは、会場でわからなかった細かいところまで見ることができそうですね。

そうですね。あと、もう1着モンドリアンのドレスも作っていただいたんですけど、それはやっぱりピチカートの楽曲もたくさん歌ったので、そのイメージで。ピチカートでは着ていなかった、でも60'sのイメージの服、ということで、モンドリアンの衣装になりました。この衣装は普通のパッチワークじゃなくて、フリンジが付いてるんです。

──そういえば動いたときにふわっと揺れていました。

そこがやっぱり丸山敬太さんだなと思ったところで。フリンジになってることで動きが出るっていう。ステージ衣装のデザインとして素晴らしいですよね。帽子もね、ちょっと大きいかなって最初は思ったんだけど、やっぱりステージだと、そのくらいデフォルメしてるほうが見栄えも良かったりするので。そのあたりの計算もすごいと思いました。画面で見るとよくわかると思いますよ。

インタビュー風景

MUSIC STYLE JAPAN

ミュージックスタイルJAPAN
野宮真貴

WOWOWライブ
2012年4月15日(日)23:00~
2012年5月16日(水)23:00~

野宮真貴(のみやまき)

1981年7月にソロ歌手としてデビュー。その後、中原信雄、鈴木智文らとともにポータブル・ロックを結成する。1990年にはピチカート・ファイヴに加入し、その完璧なスタイルと美貌を武器に世界中の音楽シーンを席巻した。2001年のピチカート解散以降はソロ活動を再開。おしゃれな生き方を指南する「おしゃれ手帖」などの著書もあり、ファッションのみならずライフスタイルの面でも幅広い世代の女性から絶大な支持を集めている。2012年1月にはデビュー30周年記念アルバム「30 -Greatest Self Covers & More!!!-」をリリース。