mono palette.|男子高生のようにつるんでいた人気歌い手4人がCDデビューするまで

あげいん、雪見、Rim、3部の4名からなるグループ・mono palette.が、12月26日に1stシングル「ロングタイムトラベラー」でCDデビューを果たした。各々動画投稿サイトで“歌い手”としてのキャリアを重ねてきた彼らが、グループとして初のワンマンライブを行ったのが昨年の4月。そこから1年8カ月という短いスパンでシーンへと躍り出ることとなった新星たちは、なぜ音楽を始め、どのように出会い、交流を深めてきたのか。そして初のオリジナル曲でもある今作にはどのように向き合ったのか。4人は仲のいい男子高校生のようなにぎやかな雰囲気で語ってくれた。

取材・文 / 風間大洋 撮影 / 須田卓馬

合唱動画に使われたかった歌い手時代

──mono palette.にとって初のシングル「ロングタイムトラベラー」がリリースされますが、今回のインタビューでは曲のことはもちろん、グループのあらましもお伺いしたいと思います。まず、そもそも皆さんが歌い手として活動するようになったのは、どんな流れだったんですか。

雪見 僕は“歌ってみた”動画がきっかけですね。始めたのが小5とかだったので、まだカラオケにすらあんまり行ったことがない頃。父親からいらないパソコンをもらって、自分の部屋にネットを引いてニコニコ動画を観ていたんです。その流れで“歌ってみた”もやってました。

あげいん 僕は小さい頃からずっと歌を歌っていて。もともとジャニーズやアイドル系のボーカルが好きで、手越(祐也 / NEWS)くんとかに憧れていたんですけど、友達から勧められてニコニコ動画に投稿するようになりました。

3部 僕はバンドをやってました。高校のときの軽音楽部で組んだんですけど、卒業のタイミングでバンドがなくなったので、歌を歌うところがなくなっちゃったな、と。ちょうどその頃、友達がいわゆる深夜アニメにハマっていて、僕は一切観たことなかったんですけど、勧められてそのアニメを観始めたら、もうひどく感動しまして。

──ちなみに何の作品だったんですか。

3部 「とらドラ!」っていうアニメですね。「こんなに素晴らしいものがあったのか!」と思って、MADっていう、アニメのシーンと音楽とかをつなぎ合わせた動画を観るためにニコニコ動画に登録して。その当時のランキングに“歌ってみた”があったんですよ。「へえ、こんなんあるんや」と思って調べてみたら、意外とできそうやなと。ボカロ曲もそのとき初めて知りました。

──時期的にはどんな曲が出てきた頃ですか。

3部 ハチさんの「リンネ」っていう曲が一番初めて聴いたボカロ曲です。

雪見 そらハマるわなって感じだよね。

──Rimさんは?

Rim アメーバピグのピグ友がブログに“歌ってみた”動画を載せていて。初めて聴いたときは普通にプロのアーティストだと思っていたんですけど、「素人が歌ってるんだよ」と言われて。気になってニコニコ動画を観始めたら、好きな歌い手さんとかもできて、そこから自分も歌い始めました。

──ニコニコ動画や“歌ってみた”の文化のどういうところを好きになったのか、面白いと思ったか。そこは皆さんで共通してます?

あげいん バラバラなんじゃないかなあ。当時、Circle of friends(天月-あまつき-、un:c、伊東歌詞太郎、コニー、はしやんが行っていたライブツアー)の活動が活発な時期だったんですけど、僕は天月さんがすごく好きで、ああいうボーカリストがいろんな曲を投稿しているっていうことに惹かれてました。

あげいん

3部 “歌ってみた”の面白いところって、同じ曲をいろんな人が歌うところだと思うんですよ。僕が当時めっちゃハマってたのが、別々の人が歌っている同じ曲を同時に流すっていう……。

一同 ああー!

雪見 “合唱”ってやつね。

3部 そう。それぞれがアレンジしてたり歌い回しが違ったりするので、意図せずハモっている部分があったり。

Rim ラスサビなんて祭りよな(笑)。

雪見 みんなラスサビで本気出すからね、コーラスとか。

3部 そういう合唱動画って、それぞれが投稿したものを第三者がくっつけてたんですけど、それに載りたくて。

雪見 わかる!!

Rim 使われたら勝ち組、みたいな。

──そこは皆さん共通なんですね。

あげいん そうですね。合唱動画を作っている有名な方がいたんですけど、その人に使ってもらうためにがんばってた部分も少なからずあります(笑)。

雪見 自分が“歌ってみた”を投稿した曲の合唱動画を調べて、入ってるかなと思ったら入っていなかったときとか、悔しかったもんね。

3部 そういうのも“歌ってみた”の文化やね。

始まりはファミレスでの「何か面白いことやりたくない?」

──その頃はまだ、お互いのことは知らずに?

あげいん 僕は、この2人(3部、Rim)のリスナーでした。ネットを始めて1年半くらいは、ニコニコには投稿せずにリスナーをしながら、今でいうnanaとかツイキャスみたいなスマホアプリで、配信をしたり歌を投稿していただけで。出会って認識してもらうようになったのは、その2年後とか2年半後とかですね。

Rim 3部とはもう、出会って5年くらいですね。

雪見 僕はRimと3部とはまだ2年くらいしか経っていないです。僕は当初、本当にあげいんしか友達がいなかったので……。

あげいん 知り合ったとき、(Twitterの)フォローが20人とか?

雪見 13人。フォロワーも200人くらい。すごく消極的で自分からフォローしに行けないし、フォローされてもどう挨拶していいかわからないからフォローを返せなかったり。でも、その中で唯一の友達に「Skype会議」っていう歌い手同士のグループに呼んでもらえて、そこにいたあげいんが、壁を越えてすごく話しかけてくれたので、そこからいろいろとやり取りするようになったんです。

雪見

あげいん 僕と3部が上京してきてから、よく2人の共通の友達も含んで一緒に遊んでたんですけど、同じ年の夏にその共通の友達が、雪見に「会わせたい人がいる」「絶対に波長が合う」と言って紹介してくれたのがRimと3部でした。

雪見 Rimも3部ももう、すーごい壁を越えて話してくれた。僕はそれがうれしくて、すぐに仲良くなって。出会って1カ月くらいで家に泊まりに行くようにもなった。

あげいん その年の夏休み、2カ月くらい毎日ずっと一緒にいましたね。

──そのハマり方はすごいですね。

雪見 みんな暇だったんじゃない?(笑)

Rim 暇な男子高校生の集い、みたいな感じ。ファミレスに集まってドリンクバーとフライドポテトで5時間くらいとか(笑)。

あげいん そうしているうちに、このメンバーで何か面白いことやりたくない?って。それでこの4人ともう1人と一緒に、「ハロイブ」っていうライブをハロウィンの前日にやったのが、4人が集まった初めてのライブです。

──じゃあ、その半年後にはもう、mono palette.結成を発表した新宿ReNYでのワンマンライブをしたことになりますね。

あげいん そうですね。でも「結成する」っていう感じでもなく、せっかく4人でやるなら名前はどうする?って雪見と2人で考えて。もともとは“あげゆきりむーぶ”っていう、僕らの頭文字をくっ付けただけのダサい名前でやっていたので(笑)。ちょっとカッコいい名前でやりたくて、mono palette.って名付けて初ワンマンをやりました。

雪見 それがけっこう好評で。

mono palette.「ロングタイムトラベラー」
2018年12月26日発売 / 日本コロムビア
mono palette.「ロングタイムトラベラー」限定盤

限定盤 [CD]
1944円 / COCC-17546

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mono palette.「ロングタイムトラベラー」通常盤

通常盤 [CD]
1296円 / COCC-17547

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収録曲
  1. ロングタイムトラベラー
  2. アンダーカレント
  3. ID(あげいん×Rim) ※限定盤のみ
  4. PLATONIC GIRL(雪見×3部) ※限定盤のみ
mono palette.(モノパレット)
mono palette.
それぞれ動画投稿サイトで歌い手として活動している、あげいん、Rim、雪見、3部の4人からなる男性ボーカルグループ。2017年4月に結成された。ライブや動画投稿、生配信などを中心に活動している。2019年1月に放送開始となるテレビアニメ「不機嫌なモノノケ庵 續」のオープニングテーマ「ロングタイムトラベラー」で、2018年12月にCDデビューを果たした。