これが今の三阪咲 メジャーデビュー作に詰め込んだ私らしく歌いたい4曲

三阪咲の新しい形ができた

──というわけで、メジャーデビュー作「I am ME」について伺います。まず、三阪さんが1曲も作詞をされていないところに一番驚いたんですけども。

今回は英詞を中心に歌ってみたかったので、シンプルに私が英語を書けないというのもあり(笑)。それで作詞家さんと「こういう曲にしたい」「こういうことを歌いたい」とお話して、歌詞を作っていただきました。私のエッセンスはしっかり入れたかったんです。

──そもそも、なぜ英語詞メインで行こうと?

もともと洋楽が好きだったからというのもあるんですけど、今、自分が歌いたい歌を考えたときに、英語を織り交ぜて歌うと面白いものができるかな、と。

──僕が勝手に想像していたのは、世界での活動を見据えているからなのかなと。

三阪咲 三阪咲

それはあります。もともと小学生の頃から「世界で活躍できるアーティストになりたい」ということをふわふわーっと思っていたんですけど(笑)、今はそれがもう少し明確になってきていて。ただ世界で通用するものを作るというよりは、日本ならではのエッセンスも足して「それが新しいよね」と言ってもらえるものを作っていきたいなと思っているんです。今回がその第一歩みたいな。

──そのためには、必ずしも「自分の言葉で歌う」というところにはこだわらなくてもいいと?

本来、私は「自分で歌詞を書きたい」から始まっているわけではないんです。それこそ小中学生の頃はカバー曲しか歌っていなかったし、高校1年生のときに書いた「繋げ!」(第98回全国高校サッカー選手権大会の応援歌)と「We are on your side」(第98回全国高校サッカー選手権大会の“みんなのアンセム”)がほとんど初めての作詞で。小さい頃から、基本的には「人の思いや言葉を、自分の中でどう昇華して歌うか」がずっと好きだったんですよね。

──アーティスト・三阪咲の核としては、ソングライター面よりもシンガー面のほうに重心がある感覚なんですね。

そうですね。もちろん作詞を始めたことで「こんなに自分の気持ちを表現できるんだ」という喜びも知ったんですけど、今回はシンガーとしての原点に戻った感じです。

──今後また作詞をしていきたい気持ちはある?

あります! もっと英語を勉強して、最終的には英詞メインの曲も自分で書けるようになりたいなと思っています。

──実際、僕個人としても三阪さんのアーティストとしての武器はご自分で書かれる歌詞にこそあると考えていた人間なんですよ。等身大というか、いい意味で技巧を感じさせない、逆に職業作家には書けないであろう歌詞だなと。

ありがとうございます。

──その要素を取り払った今回の音源を聴いてパッと思ったのは、「シンプルにシンガーとしてめちゃめちゃ強いな」だったんですよね。

わあ、めっちゃうれしいです! ありがとうございます!

──その部分を明確に提示したかった、というのもあります?

私は歌うことが大好きなのでシンガーとして評価いただけるのは本当にうれしいです。提示したかった、というわけではありませんが、今回はシンプルに、今、私が好きな、表現したい音楽を歌っているので、それが皆さんに届くといいな、と思います。

変化は進化だと思っている

──作詞をされていないだけでなく、音楽性も意外なものになっていますよね。これまではメジャーキーのさわやかなギターロックが中心というイメージでしたけど、今作は4曲中3曲がマイナーキーで、しかもゴリゴリのEDMになっているという。

三阪咲

もともと私はEDMとか打ち込みサウンドが好きで、一時期はそれしか聴いてなかったくらいなんです。それを実際に自分で歌うことができて本当に楽しかったです。

──もちろん今までの曲がウソということではないと思いますけど、今作はより純粋な“本当の三阪咲”の姿というか。

そうですね、これが今の私。まさに「I am ME」(笑)。というか、インディーズの音源とはガラッと変わっていますけど、そのときの私も私ですし、結局どれも自分なので、そういう意味も込めての「I am ME」なんですよ。私は変化を進化だと思っていて、いつも挑戦していたいんです。常に挑戦して進化していく姿を皆さんに見ていてもらいたいなって。

──作家陣とはどんなやり取りをして進めたんですか?

綿密に打ち合わせをさせていただいた方もいれば、こちらから「こういう歌詞がいいです」と伝えて上がってきたものがすでにパーフェクトだったパターンとか(笑)、人によっていろいろでしたね。そんな中、「Rollercoaster」を作詞してくださった麦野(優衣)さんとは、リモートだったんですけど恋バナですごく盛り上がりました(笑)。

──(笑)。

「わかるー! それ歌詞にしようよー!」という感じで(笑)。本当に2人の恋バナを落とし込んだような歌詞になりましたね。私自身よりもちょっと年上くらいの恋愛を書いてくださった感じです。

──例えばですけど、上がってきたものに対して違和感を持ったり「こんなの歌えないよ」ということはなかった?

ないですね。むしろ意味がわからないような歌詞でも「新しくて面白いな」と思っちゃうんです! それこそ「DANNA」の歌詞とか、めちゃくちゃ新鮮で面白いじゃないですか!

──どんなものが来ても、「シンガーとしてどう表現してやろう?」が先に来ちゃうというか。

そうですね。それに、今回は全部「私が歌いたいこと」を伝えたうえで書いていただいているので、どの曲も自分が思っていた以上のものが来たっていう感覚でした!

──であれば、レコーディングも苦労なく進みましたか?

「Rollercoaster」はけっこう苦労したというか……英語をネイティブの方に付きっきりで指導してもらって、全部で12時間くらいかかったんですよ。「すごくいい感じに歌えた!」と思っても、「ちょっとここの発音が違う」とか「ここの感じはもうちょっと強く表現できないかな?」とか、ものすごく時間をかけて。半泣きでやってましたね(笑)。

──今回の4曲のうちでは「Rollercoaster」が一番今までの三阪さんっぽさがある曲だなと感じたので、まさかそんなに苦労されていたとは予想外でした。

確かにそうですね。キャッチーだし、個人的には今作で一番好きな曲です。この曲を最初に録ったので、だから時間がかかったというのもあるのかなと思います。

三阪の夢、叶えたろ

──今後は、どんなアーティストを目指していきましょう?

三阪咲

まず一番近い目標で言うと、中学生のときから「高校生のうちにZeppを埋めたい」とずっと思っていて。「高校生のうち」って、あと半年あるかないかなんですけど(笑)。もちろんフェスにもどんどん出たいですし、「RHYTHM TERMINAL~Arch of THE MUSIC~」のオープニングアクトとして立った(大阪)城ホールだったり、高校サッカーのときに歌った埼玉スタジアム2002だったりをいつかは自分のファンだけで埋めたいという思いもあります。

──やはりライブアーティストとしての目標が最初に来る感じなんですね。

そうですね、そのスタンスが基本なので。いろんなことに挑戦したいし、その挑戦している姿をずっと見ていてもらいたい気持ちが強いです。ファンの皆さんと一緒に進んでいきたいというか、それこそZeppを埋める目標にしても、皆さんがいないと始まらないので。「三阪の夢を叶えるためにライブ行ったろ」みたいな感覚でもいいんで、ずっとそうやって応援してもらえるような人でありたいし、なりたいです。来てもらえたら、最高のパフォーマンスでお返しします!

──SNSのお話から一貫して、「おらが街のヒーロー」的なスタンスは崩さない感じなんですね。

そうですね、確かに(笑)。

──とはいえ規模は大きくしていきたいと。

もちろんいつか世界にも出て行きたいです。それこそ今作は作編曲が全部海外の方なんですけど、もっと英語も勉強して、海外のクリエイターの方と直接「こういう曲を」と意見を出し合いながら曲作りもしてみたいです。

──個人的には、ビリー・アイリッシュに続く「10代でグラミー」を目指してほしい気持ちがあるんですよね。

わあ、がんばらなきゃ!

──そもそも20代以降でデビューする人には目指すことすらできない目標ですし、言うだけならタダですし。

確かに!

──実際、まったくの絵空事とも言い切れないんじゃないかなと。

現実的な話、かなりハードルが高いと思うんですけど、だからこそこれからも「どんな壁もぶっ壊していくぞ!」というマインドで曲を作っていけたらと思います!

三阪咲

ライブ情報

Saki Misaka "I am ME" MALL TOUR 2021
  • 2021年11月6日(土) 北海道 アリオ札幌 START 15:00
  • 2021年11月13日(土) 岡山県 アリオ倉敷 START 15:00
  • 2021年11月14日(日) 大阪府 アリオ八尾 START 15:00
  • 2021年11月27日(土) 宮城県 アリオ仙台泉 START 15:00
  • 2021年11月28日(日) 長野県 アリオ上田 START 15:00
  • 2021年12月5日(日) 神奈川県 グランツリー武蔵小杉 START 15:00
  • 2021年12月11日(土) 愛知県 プライムツリー赤池 START 15:00
  • 2021年12月12日(日) 埼玉県 アリオ川口 START 15:00
  • 2021年12月18日(土) 東京都 アリオ西新井 START 15:00
Saki Misaka One-Man Live 2022 at KT ZEPP Yokohama
  • 2022年3月6日(日) 神奈川県 KT Zepp Yokohama OPEN 16:00 / START 17:00
三阪咲(ミサカサキ)
三阪咲
2003年4月23日生まれ、大阪府出身。幼少期からダンス、ピアノ、ギターを習い始め、11歳で本格的にボーカルレッスンを開始。路上ライブやライブハウスでのパフォーマンスの様子がSNSやYouTubeで拡散され注目を浴びる。2019年12月に「第98回全国高校サッカー選手権大会」の応援歌「繋げ!」を含む初の全国流通盤「Every day, Every night」をリリース。2020年4月にABEMA「今日、好きになりました。」の主題歌「私を好きになってくれませんか」、2021年2月に「今日、好きになりました。」のテーマソング「僕でいいじゃん」を配信リリース。2021年4月にティーン向けファッション誌「Seventeen」初となるテーマソング「Bling Bling」、10月にデジタルフルアルバム「INDEIS PERSONAL BEST」を配信リリースした。同年11月1日に配信作品「I am ME」でメジャーデビュー。