三阪咲が3月6日に神奈川・KT Zepp Yokohamaで行ったワンマンライブ「Saki Misaka LJK GRADUATION LIVE ~夢のZeppで卒業式するってよ~」の模様が、3月26日(土)よりuP!!!にて配信される。
2019年12月にリリースした「第98回全国高校サッカー選手権大会」の応援歌「繋げ!」をきっかけに、次世代を担うシンガーとして10代を中心に話題を呼び、昨年11月にメジャーデビューを果たした三阪。この公演は彼女にとって高校生として最後のワンマンライブであり、目標の1つとして公言してきたZeppでの初ライブとなった。音楽ナタリーでは、本公演のレポートとライブ終演直後の三阪のコメントをお届けする。
取材・文 / 石井佑来撮影 / Kayo Sekiguchi
uP!!!ではKT Zepp Yokohamaで行われた三阪咲ワンマンライブの模様を独占配信!
「Saki Misaka LJK GRADUATION LIVE ~夢のZeppで卒業式するってよ~」
配信期間:2022年3月26日(土)20:00~3月31日(木)23:59
「Saki Misaka LJK GRADUATION LIVE ~夢のZeppで卒業式するってよ~」ライブレポート
開演時刻を迎えると、制服姿で校舎を駆け回る三阪の姿を捉えたモノクロの映像がスクリーンに映し出される。バンドの演奏に乗って登場した三阪は「最高の夜にしましょう!」と高らかに宣言し、オープニングナンバーに相応しいロックチューン「今だけは好きなものを好きでいたい」で“卒業式”の幕を開けた。観客は声を出せないという状況ながらも、手拍子をしたりタオルを頭上で回したりと、思い思いの動きで感情をあらわに。「We are on your side」では演者、観客ともに拳を高く掲げ、みるみるうちに一体感が作り上げられていった。「最高の夜にするためにいろいろ考えてきたので、最後まで楽しんでいってください」と改めて挨拶した三阪は、ファンキーなギターが印象的な「キミに会いたくなるんだよ」をパフォーマンスし、エモーショナルなロングトーンを響かせた。
「ヒラヒラ」ではステージに設置された台に腰かけながら観客をじっと見つめるなど、その後もオーディエンスと親密なコミュニケーションを取り続ける三阪。自身の衣装について「デニムでキラキラしているんですけど、なんと後ろは......セーラー服!」と高校生最後のライブならではのこだわりを明かす場面もあった。続けて彼女はフードを目深に被りながらEDMナンバー「空梅雨」「Get Stronger」をパフォーマンスし、観客の体を揺らしていく。また中盤で三阪は、間接照明が彩るしっとりした空気の中、チェアに座りながら初のアコースティックセッションで「Say Good Night」「僕でいいじゃん」「私を好きになってくれませんか」「My Type」の4曲を披露。ここまでのエネルギッシュなパフォーマンスと打って変わって、ときにしっとりと、ときに軽やかに歌声を聴かせ、観客は多彩なボーカルに酔いしれた。
ライブが後半に差しかかると三阪はカジュアルなパーカーに着替え、スポットライトの光を一身に浴びながら「繋げ!」を歌唱。バンドの演奏が徐々に熱を帯びていくと、三阪の歌声もそれと比例するように力強さを増していく。その後彼女は「昨年、地元・大阪のumeda TRADでメジャーデビューを発表したんですけど、そのときに『変化ではなく進化していきたい』というお話をさせていただきました。今日はそのあとのライブハウス一発目のライブなので、今までお客さんの前で弾いてこなかったピアノに挑戦してみようと思います」と宣言。「自分は学校に毎日行けていたわけではないんですけど、自分の帰る場所を友達が作ってくれていたおかげで、こうして音楽活動を続けることができました。今日も大阪から来てくれてるんです。ありがとう」と友人へ感謝の思いを伝え、中学校の卒業式で歌ったという、ゆずの「友 ~旅立ちの時~」を1人で弾き語る。緊張した面持ちながらも、あふれ出る感情を歌声に託しながら、堂々と歌唱を続ける三阪。観客は、大人の階段を昇っていく彼女をそっと見守るように、温かい眼差しを送りながら、その美しい歌声に聴き入った。
高校生活を振り返る三阪のインタビュー映像が流れたのちに、再びバンド編成に戻った彼女は「新しい一歩を踏み出す君へ」を力強くパフォーマンス。その後「もっともっとたくさんの人と出会って、今付いて来てくださる皆さんと一緒に、どんどんどんどん上のステージに行きたいと思います」と涙で声を詰まらせながら言葉を紡ぐ。「今日ここに立てたことが当たり前だなんて1mmも思ってないし、これからもっともっと大きなステージで、でも心の距離は近くで音楽を届けられるアーティストになりたいと思っています。これからも前を向いて、応援してくださる皆さんとともに歩んで行きたいと思うんですけど、一緒に来てくれますか?」と観客に投げかけると、会場は大きな拍手の音で包まれた。最後に彼女は万感の思いを込めて「Rollercoaster」をパフォーマンス。無数の花びらが桜吹雪のように降り注ぎ、祝福的なムードで三阪の“卒業式”は閉会を迎えた。
公演を終えて
中学生の頃からZeppに立つことをずっと目標にしていたので、夢のステージに立てたというだけでとてもうれしかったです。毎日嫌なニュースなどがある中、勇気を持って観に来てくれた皆さん、本当にありがとうございました。声が出せない状況でも「一緒にライブを作り上げよう」という気持ちがすごく伝わってきました。自分のパフォーマンスについてはまだまだ改善できるところもあると思うので、そこについてはちゃんと持ち帰って、自分の中で整理して、またいいライブを届けられたらと思います!
私は普段からステージを広く使うことを意識してパフォーマンスしているんですけど、Zeppはいつもよりステージの横幅が広いので、そのあたりの感覚は全然違いましたね(笑)。でも2階席のお客さんの顔もしっかり見えて、とってもいい景色でした。実は「高校生のうちにZeppツアーをする」というのも目標であったので、次こそは全国各地のZeppでライブをしたいです。
「自分は変化ではなく進化し続けていきたい」と以前から言っていて、その“進化”として今回ピアノの弾き語りにチャレンジしました。ずっと練習してきたピアノの演奏を今日無事やり遂げたことで、もう“進化”ではなくなってしまったので、次は何にチャレンジするか早く考えないと(笑)。3月26日から配信もスタートするのですが、配信ではいろんな角度からライブを観ることができると思うので、存分に楽しんでほしいですね。現地では観られなかったような部分もたくさん観れると思いますし、照明や映像にもこだわっているので、そういった部分にも注目していただきながら、何度も繰り返し観ていただけるとうれしいです。そして配信を観て「ライブに行きたいな」と少しでも思ってもらえたら、次のライブにぜひ来ていただいて、一緒にライブを作り上げましょう。どんどん新しいことに挑戦していきたいですし、足を止めることなく前に進んで行く姿をみんなに見てもらえたらと思っていますので、これからも自分に期待してください!
「Saki Misaka LJK GRADUATION LIVE ~夢のZeppで卒業式するってよ~」2022年3月6日 KT Zepp Yokohama セットリスト
- 今だけは好きなものを好きでいたい
- We are on your side
- キミに会いたくなるんだよ
- ヒラヒラ
- StaRting PoiNt
- DANNA
- 空梅雨
- Get Stronger
- Say Good Night
- 僕でいいじゃん
- 私を好きになってくれませんか
- My Type
- 繋げ!
- 友よ恋よ
- Bling Bling
- 友 ~旅立ちの日に~
<アンコール>
- 新しい一歩を踏み出す君へ
- Rollercoaster
プロフィール
三阪咲(ミサカサキ)
2003年4月23日生まれ、大阪府出身。幼少期からダンス、ピアノ、ギターを習い始め、11歳で本格的にボーカルレッスンを開始。路上ライブやライブハウスでのパフォーマンスの様子がSNSやYouTubeで拡散され注目を浴びる。2019年12月に「第98回全国高校サッカー選手権大会」の応援歌「繋げ!」を含む初の全国流通盤「Every day, Every night」をリリース。2020年4月にABEMA「今日、好きになりました。」の主題歌「私を好きになってくれませんか」、2021年2月に「今日、好きになりました。」のテーマソング「僕でいいじゃん」を配信リリース。2021年4月にティーン向けファッション誌「Seventeen」初となるテーマソング「Bling Bling」、10月にデジタルフルアルバム「INDIES PERSONAL BEST」をリリースした。同年11月に配信作品「I am ME」でメジャーデビュー。2022年3月に神奈川・KT Zepp YOKOHAMAにて高校生としての最後のライブ「Saki Misaka LJK GRADUATION LIVE ~夢のZeppで卒業式するってよ~」を開催した。
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