5月11日に台湾・New Taipei City Exhibition Hallにて「MIKU EXPO 2019」の台湾公演が行われた。昼夜2公演行われたうち、本稿では昼公演の模様をレポートする。

オープニング映像としてスクリーンに初音ミクのシルエットが映し出されると、オーディエンスは総立ちに。手を真上に伸ばしたミクの姿が露わになると、バンドメンバーは「みんなみくみくにしてあげる♪」の演奏を始め、「MIKU EXPO」の台湾公演がスタートした。スクリーンに映し出されたミクが愛くるしく動く様子にオーディエンスは大興奮。ラップが特徴的な「ビバハピ」で「ハッピーに振る舞う君が好きだよ」というセリフが飛び出せば、客席からは怒号のような声が上がり、ライブは序盤から大盛り上がりとなった。3曲目は4月に逝去したwowakaが作詞作曲を手がけた「アンノウン・マザーグース」。ミクの歌声に合わせて観客たちの「オーオーオー」という歌声が上がり、場内に盛大なシンガロングが鳴り響いた。

MCではミクが中国語で「会场所有人您好（会場の皆さん、こんにちは）！」と元気いっぱいに挨拶。その後はBIGHEADが2014年の「MIKU EXPO」のテーマソングとして提供した「Sharing The World」が披露された。ミクの手の動きに合わせて緑色のペンライトがゆっくりと揺れ、会場内は一体感に包まれていく。ライブ中盤にはKAITOやMEIKO、鏡音リン・レン、巡音ルカといったVocaloidもステージに登場。KAITOは青いマフラーをはためかせながら、アクロバティックなダンスと共に「Pane dhiria」をパフォーマンス。続いてMEIKOのシルエットがスクリーンに映し出されると、フロアのペンライトの色は即座に彼女のイメージカラーである赤色に切り替わる。キレのあるダンスと共に「Nostalogic（MEIKO-SAN mix）」が披露され、続いて鏡音レンと鏡音レンのコーナーに突入。レンによる「脱法ロック」、リンによる「スイートマジック」がそれぞれ披露されたあとには、レンとリンの2人によるパフォーマンスへ。昨年発表されたリン・レン10周年記念ソング「劣等上等」がかかると、「フロアが沸き上がりました」という歌詞の通り、客席は大盛り上がりとなった。

ライブ後半、再びミクの映像が映し出されると、全編英語詞のボカロ曲「Cybernetic」が披露される。活発な動きでオーディエンスを盛り上げた「Yellow」から一転、バラードナンバー「ドリームレス・ドリームス」ではミクが歌に専念するかのようにマイクスタンドの前に佇み、オーディエンスはその歌声にじっと耳を傾けていた。ステージがピンク色の照明に照らされると、スクリーンには巡音ルカが登場。代表曲の1つ「ルカルカ★ナイトフィーバー」で会場のテンションが引き上げられたのち、グルーヴィなバンドサウンドと共に「Hello, Worker」が届けられた。歌唱中、観客はルカの動きに合わせて拳を突き上げてライブを楽しんでいた。

ライブ終盤に披露されたアメリカのチップチューンバンド・Anamanaguchiの楽曲「Miku」からは、再びミクがステージに立ってライブを展開。ryo（supercell）「ワールドイズマイン」の演奏が始まると日本語のシンガロングが湧き上がり、ラストスパートに向けて熱を帯びていく。カラフルな球体に包まれたミクは「MIKU EXPO 2019」のテーマソング「ラッキー☆オーブ」の衣装に早着替え。この曲ではミクが「Hey!」と観客に呼びかける振り付けと歌で会場全体を巻き込み、ラストを大いに盛り上げた。

スクリーンからミクが姿を消すと、客席からは「谢谢」という感謝の声や、アンコールを意味する「安可」の声が上がる。するとスクリーンに「THANK YOU ENCORE」の文字が浮かび上がり、再びミクがステージに登場。パステルカラーの照明がステージを彩る中、「Decade」でライブが再開された。曲の合間に星空のような映像が映し出され、その映像の焦点が地球に合うと、バンドメンバーはラストナンバー「Tell Your World」の演奏をスタートさせる。イントロが鳴るだけで大歓声が上がり、客席からはミクの声に合わせて大合唱が上がった。計25曲が披露されたところでスクリーンには「THANK YOU TAIWAN」の文字が映し出され、熱狂のまま台湾公演の幕が閉じられた。