MACO|ポジティブなラブソングを詰め込んだ全曲新曲の意欲作

インスピレーションから生まれたラブソングの数々

──話は少し前後しますが、先ほどおっしゃった「セッションがくれるインスピレーションも歌詞に影響した」という部分は具体的にどこになりますか?

例えば「YU-RA YU-RA」はみんなでスタジオに入ってラフに作っていく中で、このスペイシーな感じや浮遊感にいろいろ引き出されました。「地球じゃないどこかに2人で行きたい」ってことを歌ってるんですけど、珍しく声にオートチューンもかけて録ったのが面白かったです。「バレバレ」は楽曲的にキュートな感じがして、「キュート=かわいい男の子」って方程式が自分の中に浮かんで。それで冒頭から「バレバレだわベイベー」ってリリックが登場するんですが、ここは書き出したときにすごいキャッチーで面白いなって思ったんですよ。パッと見たときの字面もかわいいし。

──確かに、「バレバレだわベイベー」ってつい歌いたくなる感じがニクいですね。

ありがとうございます(笑)。あとはUTAくんが作ってくれた「君以外もう知らなくていい」は、UTAくんが最初に弾いたギター1本のバースからイメージがバーッと広がって。「これは大切な人のことを思って歌いたい!」と強く感じて、回りくどさは一切ない、ストレートなラブソングに仕上げていきました。タイトル通り「もう君以外知らなくていい!」って断言できるくらいの気持ちをUTAくんの曲が湧き立たせてくれたんです。

──バラードの「Dear Angel」は冬にピッタリのラブソングで。作曲の丸山真由子さんはアルバム「love letter」の表題曲を手がけてくださった方ですよね。

そうなんです。「love letter」は私もすごく好きな曲で、ぜひもう一度ご一緒したいという思いを丸山さんに伝えたら持ってきてくださったのがこれだったんです。初めて聴いたときから寒い冬の部屋で好きな人を待ってる画が浮かんで、ピュアな心を持っている人や優しい人を「天使」に例えて歌詞を書いていきました。

SALUくんの歌声にシビれた

──SALUさんとのコラボ曲「LUV U MORE feat. SALU」は、どんな経緯で実現したんですか?

SALUくんがデビューしたときから私は普通に曲を聴いてて、ライブを観に行ったこともあるんです。で、私がデビューして知り合って仲良くなって、「いつか一緒に曲を作ろうね」ってずっと言ってたのが3年越しで実現したのが今回。決まったときは「やっとSALUくんとやれるんだ!」という感慨深さがありました。実はこのタイミングになったのも理由があって、SALUくんが7月に発表した新曲「My Love」の歌詞がめちゃめちゃよかったんですよ。私の勝手な妄想ですが、これはすごくいい恋愛をしてるんだろうなーって思って(笑)、ぜひそのモードのままMACOの曲にも参加してもらいたいと。そういった経緯でお願いさせていただきました。

──MACOさんの熱烈なオファーで、ということですね。作詞の共作はいかがでしたか?

お互いに思い合っているのに今はすれ違ってて、なかなか素直になれない……という男女の物語なんですが、私は最初、女の子のほうが追いかける感じになるかなと思っていたんです。男の子が「忙しくて構ってやれないけど、そんなことないよ」みたいな。

──男女のアーティストがコラボするとき、たまに目にする歌詞の設定ですよね。

そう。でもSALUくんは「これ、男性側も真面目な感じでいきたい」って提案してくれて。それも新鮮かも……ということでそれぞれが作詞をして、結果、こういう男女フィーチャリングにはあまりない感じの歌詞ができたかなと思ってます。

──SALUさんの歌声を聴いたときはどうでしたか?

レコーディングは別々だったんですけど、SALUくんの声を聴かせてもらったときはシビれましたね。「めっちゃ素敵! 最高!」って。SALUくんの声って歌詞を見なくてもすごく聴きとりやすいし、私の声と合わさったときの完成形もとにかくカッコよくて。ついニヤニヤしちゃいました(笑)。

今のMACOのモードはすごくポジティブ

──ご自身の中で挑戦だったなと思う楽曲も教えてもらえますか?

MACO

「フィクション恋物語」は曲の雰囲気からすぐに「夜だ!」と思って。「私は恋愛に振り回されたりしない」「一夜限りの恋はフィクションだ」っていう強気な歌詞を書いてみました。こういう男女の駆け引きっぽい歌詞は今まであまり書いてこなかったんですが、ギラッとした雰囲気のこの曲を聴いてたらこぼれ落ちるように言葉が出てきて。移動の新幹線の中で無我夢中で書きました。

──そしてアルバムの最後を飾る「マイサンタクロース~あなたと過ごすクリスマスイブ~」はMACOさん初のクリスマスソングということで。これも挑戦の意味合いがあるんじゃないですか?

そうですね。クリスマスソングは今までカバーだと歌ったことがあるんですが、自分で書いたのは初めてです。みんなにもちょっとワクワクしながら聴いてほしいと思って、クリスマス当日の朝起きたところから始まる歌詞を書いてみました。聖なる夜にぜひ楽しんでもらえるとうれしいです。

──個人的には、アルバムがこうしてポジティブに締まるところもすごくいいなと思いました。

そう、今回のアルバムは全体的にすごくポジティブ。実はタイトル候補に「ポジティブ」もあったくらいなんですよ(笑)。

──それはやっぱり、今のMACOさんがポジティブなモードだから?

それはありますね。けっこう前向き。昔は深く悲しんだり落ち込んだりすることもあったけど、そういうのがあるからこそあとの人生が楽しくなるんじゃないかなって。例えば、好きな人に会えない寂しい夜も、次に会うときのことを思えばむしろ楽しみになってくるみたいな。そんなふうに思えるようになったのはちょっとした自分の成長かなって思います。

──変われたきっかけってなんなんでしょう?

日々の積み重ねでしょうか。恋をすると、どうしても心配したり悲しんだりしちゃうけど、その時間って結果的に無駄なことも多いのかなって思うんですよ。

──心配したほど深刻なことじゃなかったりしますもんね。

そうそう。だったらもっと毎日を楽しんだほうがいいなって、今はシンプルにそう思ってるんです。

隠れファンだった、ふせでぃさんとコラボ

──アルバムの話に戻りますが、今回のアートワークは若い女性を中心に大人気のイラストレーター・ふせでぃさんとのコラボとなっています。ブックレットにはMACOさんをイメージしてふせでぃさんが描き下ろしたイラストが掲載されるそうですね。

ふせでぃさんは、私がもともと隠れファンだったんです(笑)。最初はInstagramで知って、絵もすごくかわいいし、そこにポンって添えられる言葉にも胸を掴まれて。私は歌だけど、ふせでぃさんは絵を通して誰かに刺さるものを作ってる人なんだなと思ってずっとチェックしてたんです。「あわよくば自分の絵もいつか描いてもらえたら」なんて願望も抱きながら。そんな憧れのふせでぃさんだったから、今回のコラボが決まったときは本当にうれしかったです。初めてお会いしたときはめちゃめちゃ緊張したんですけど、同年代ってことですぐ意気投合して、話も盛り上がりました。

──何か共通する感覚みたいなものもありましたか?

ありましたね。ふせでぃさんは切ない系のイラストやポエムが多いんですけど、ご本人曰く「あれを見てみんなに恋愛を楽しんでほしい」と思ってるんですって。私も楽曲を通して今恋してない人にも恋する楽しさが届けばいいなと思ってるので、「そういうところは一緒なんだね」って話をしました。

──全てが最新曲というバラエティ豊かな12曲に、ふせでぃさんとのコラボもありと、大充実の1枚になりましたね。

みんなのこの冬に寄り添って、一緒に楽しめる曲がギュッと詰まった1枚になったと思います。12曲目にはクリスマスソングも入っているし、この冬はMACOがかっさらうくらいの勢いで!(笑) 来年3月からは全国ツアーもスタートしますし、この「交換日記」をたくさん広められるようがんばっていきたいです。

MACO
公演情報
交換日記+BEST LOVE MACO TOUR 2019
  • 2019年3月21日(木・祝) 福岡県 福岡サンパレス
  • 2019年3月31日(日) 新潟県 りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館
  • 2019年4月7日(日) 大阪府 オリックス劇場
  • 2019年4月13日(土) 東京都 中野サンプラザホール
  • 2019年4月20日(土) 愛知県 名古屋市公会堂 大ホール
  • 2019年4月28日(日) 北海道 わくわくホリデーホール

※台湾、上海公演は後日詳細発表