lyrical school|5つの個性がビートを刻む ガールズラップの可能性

大事なのは、私たち自身が常に準備万端でいること

──新天地でのリリースということもあって、これまでとは違う層にアプローチするチャンスがこのアルバムにはあると思うんですよ。皆さんとしてはどのあたりに届けていきたいと思いますか?

risano 世界ですね。

hime ごめんなさい(笑)。

risano このアルバムをより多くの、まずは日本の方に知ってもらって、海外の方にも。いや、本当に届けたいッスね。

lyrical school

──世界的にラップミュージックが浸透している中で、先ほども言った通り女性5人のラップチームという珍しい形態だから、本当に何かのきっかけで世界に広がっていく可能性もあると思うんですよね。そうなったとき、皆さんはどういう戦い方をするのかなと。

minan そこがすごく大事だと思っていて。今回メジャーデビューさせていただきますけど、一番大事なのは、私たち自身が常に準備万端でいることだと思うんです。いついかなるときでも100%の力を出せるように。

──そうですね。サクサク進行していくテレビの音楽番組などでも着実に結果を出す、みたいなことが大事になってくるでしょうし、そういう戦い方の難しい場所に飛び込んでほしいです。具体的な目標はありますか?

hime めっちゃ内輪な話なんですけど……この間パパとパパの友達がリリスクのライブを観に来て、頭を抱えてため息ついてたんですよ。「なんでうちの娘はJ-RAPに行っちゃったかなあ」って。パパの周りはみんな海外のラップが好きなんで、日本語ラップを認めてないんですよ。そういう人もいるんだろうなって思うんですよね。一般的な人にもアイドルというだけで毛嫌いする人もいるし。うちらはアイドルをやって、日本語ラップをやって……踏み込みづらい音楽をやってるのかもしれないですけど、そういう人にも刺さる存在になりたいです。もう1つは、最近学校の友達から「himeのオススメのラップ教えて」と聞かれることが多くて、プレイリストを作ってApple Musicとかで共有してるんです。そういう子たちが「最近聴く音楽がなくなってきたよね」って言ってるんですよ。そんなわけないじゃないですか。音楽なんて世界中探せばいくらでもあるし。

──ライトなリスナーはそういう感覚かもしれないですね。

hime そうなんですよ。私の身近にさえこんなにいるんだから、「何を聴いていいのかわからない」という人も多いと思うんです。そういう人にもリリスクを聴いてほしくて。私は自分が有名になりたいからやっているわけじゃなくて、どちらかと言うと人のためというか、アルバムも今リリスクを観てくれている人のために作ったような感覚なんです。リリスクは夏の曲が多いから「リリスクのおかげで夏が好きになった」と言ってくれる人もいるし、「リリスクのおかげで毎日が楽しい」とか言ってもらえるんです。今リリスクを知らない人も、何かのきっかけで私たちのことを知って、そんなふうに思ってもらえたらいいなって。

minan ちなみにそのプレイリストにはリリスクの曲も入れてるの?

hime 「Enough is school」とか「Tokyo Burning」とか、パッと聴いて私の声だとわからなさそうなのをひっそり入れてる(笑)。そういう人にリリスクをオススメしたい理由があって。今流行りのラップは自分のことを褒めるボースティングをゴリゴリに出すみたいなのが多いですけど、リリスクはそういう曲が1つもないんです。誰かを応援したかったり、その人の今を肯定したかったり、みんなを楽しませるためにやっている音楽だから、きっと気軽にラップの面白さを楽しんでもらえると思うんですよね。

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yuu 私の周りにも最近ラップに興味を持っている子が増えてきて、フィーチャリングアーティストをきっかけにリリスクを聴いたよと言ってくれる子もいるんです。目標を考えたとき……私たちもそうなりたいなって。リリスクをきっかけにその人の世界が広がっていくような、そんな存在になりたいです。

hinako 近い目標としてはツアーが控えていて、まずは1公演ずつしっかり届けていきたい。

──まずはアルバムリリース直後、ツアー初日のマイナビBLITZ赤坂でのワンマンですね。

risano BLITZって、有名だよねえ。

一同 あははははは(笑)。

risano 有名な人たちがワンマンをやってる会場に立つなんて、ねえ。もちろんいつでも100%なんですけど、気合いが入りますね。

hinako ファイナルのらんらんホール(東京・よみうりランド 日テレらんらんホール)がすごく楽しみなんですよ。楽しみだから、どうしてもみんなを連れていきたい。ツアーで各地を回って手を離さないようにして、好きになってくれたみんなでファイナルを楽しみたいんです。