アイドルラップというジャンルを広めたい

──ところでここ最近、日本語ラップが盛り上がってきていますが、それに対して皆さんが思っていることを伺ってもいいですか？

mei　よく「アイドルとヒップホップ、どちらの要素を強く押し出そうと思っていますか？」っていう質問をいただくんですけど、私たちがやってるのはどちらのいいところも取ったもので、結成からの目標もアイドルラップというジャンルを広めることなんです。私たちの活動を通じて、「こういう音楽もあるんだな」って、いろんな人に興味を持ってもらえたらいいなって。

ami　今、フリースタイルラップが流行っていますが、「ラップ＝ディス」のイメージが強く、ちょっと抵抗あるなって方もいると思うんです。でも、リリスクのラップはひたすらハッピーでピースフルなものが多いので、私たちみたいなグループのラップももっと広がったらいいなと思います。

hime　私はリリスクにいる限りはバトル系のラップは絶対やらないつもりです。最近のラップブームって、バトルがメインになってると思うんですけど、ヒップホップは音源もカッコいいっていうことを私は知ってほしくて。だからこのタイミングでアルバムが出るのは、すごくいい機会だと思うんです。今はフリースタイルがメインで流行っていて、ラップがスポーツみたいに思われてますけど、ちゃんと音源が広まれば、ライフスタイルの一環というか、ヒップホップやラップをもっと身近なものに感じてもらえると思うので。

ayaka　例えば今年は大江千里さんの楽曲をサンプリングさていただいたことが話題になったり、ほかにも「RUN and RUN」のミュージックビデオがカンヌ広告祭で賞をいただいたこともリリスクのことを知ってもらう大きな入り口になったので、これからもそういうきっかけを通じて、アイドルラップというものを広く知ってもらいたいなと思います。

minan　今回のアルバムにも豪華な方々が曲を提供してくださってますけど、映像だったり、写真だったり、リリスクと何かをやったら面白そうだなと思ってくださるクリエイターの方が増えたらいいですね。アイドルラップっていう、まだそんなに浸透していないジャンルだからこそ、いろんな方々と新しい化学反応を一緒に起こせたらいいなと思ってます。

メンバーとヘッズの皆さんで“6本のマイク”

──先日、アルバムのリリースツアーもスタートしました。高校3年生のhimeさんも大学進学が決まったとのことで、安心してツアーに全力投球できますね。

hime　そうですね。1年経って環境も変わりましたし自分が慣れたこともあるんですけど、根底にある「リリスクが好き」って気持ちはずっと変わらなくて。前まではお客さんとしてリリスクのライブを観に行ってたんですけど、同じステージに立ってると観てた側の気持ちを忘れそうになってしまうこともあって。そういうときは過去のライブ映像を観て、こういう気持ちにさせてもらってたなって思い出してからステージに立つようにしてます。1年経ってメンバーのことがもっと好きになったし、改めてこのグループのメンバーでよかったなと思うので、今回のアルバムもたくさんの方に広められるよう、私もリリスクの一員としてもっとがんばりたいです。

──今年の9月にyumiさんが脱退されて（参照：lyrical school、yumiが脱退「もうしばらくの休養と構想期間に」）“6本のマイク”が5本になったことで皆さんの中で不安もあったんじゃないかと思うんですが。

ami　私、meiがライブのMCで「思い付いた！」って言ってくれた、ひと言がすごくうれしかったんです。

mei　今までずっとライブ前に円陣を組んで「6本のマイク、さぁ調子はどう？」って気合いを入れてきたし、lyrical schoolは6人というイメージが強かったので、どうやったらこの5人での編成を自然な形にできるんだろうと考えたとき、これからはヘッズの皆さんにも“6本目のマイク”としてライブに参加してもらえたらいいんじゃないかって。ちょうど結成6年目だし、今までの曲もリリックで「6」と入っているところはそのまま歌って、ヘッズの皆さんを含めて“6本のマイク”だという意識を持って活動していきたいなと思うようになりました。

ami　「6人じゃないけど6って言ってていいのかな」ってモヤモヤしてる時期もあったんですけど、そうやってmeiが言ってくれたことに自分も同意できたし、スッキリしました。

──これで「6本のマイク、さぁ調子はどう？」という呼びかけに対して、客席からも思い切り「OK!」って叫べますね。最後にayakaさん、今後の抱負をお願いします。

ayaka　はい。今回のアルバムはバラエティ豊かな楽曲がそろっていて、私たち5人もさらにスキルアップしたんじゃないかなと思っているので、ぜひ聴いてほしいです。2017年が明けてすぐにイベントも決まっているので、どんどんいろんな人に会いに行けたらいいなって思います。まずは12月29日のZepp TOKYOまで続く全国ツアーを成功させたいので、ぜひ遊びに来てください！