音楽ナタリー Power Push - lyrical school

アイドルラップの過去・現在・未来

Twitterを控えてレコーディングに没頭

──今作には「RUN and RUN」「サマーファンデーション」「マジックアワー」とメジャーデビュー以降のシングル曲が3曲入っていますが、せっかくですので、それ以外で皆さんのオススメ曲をガイドしていただいてもいいですか?

ayaka はい。じゃあ、私から。私は4曲目の「おしえて」がすごく好きです。先ほどもお話したように、このアルバムは3rdシングルの発売後すぐレコーディングに突入して、10日間ぐらいかけてみっちり作業したんです。そんな中で最後に録ったのが、この曲で。私は以前から歌に苦手意識があって、今回のアルバムでは自分自身成長したいという気持ちから、大好きなTwitterを見るのを控えてレコーディングに臨んだんです。この曲では、その成果が自分なりに表れてるんじゃないかと思って。ついつい口ずさみたくなる、しっとりとしたかわいい曲になっているので、ぜひ聴いてほしいです。

──韻シストならではの生バンドの音が最高ですね。そして作詞はKANDYTOWNのメンバーである呂布さんです。

mei

ayaka 私たちlyrical schoolの前にtengal6という名前で活動してたんですけど、呂布さんにはグループが結成した頃からお世話になっていて。

mei tengal6時代は呂布さんに歌詞を書いてもらうことが多かったので、私たち3人(ayaka、ami、mei)は当時のレコーディングを思い出すねって。

ayaka デモに入っていたラップも、呂布さん独特のフロウでした。

ami 歌入れをしながら、すごく懐かしい気持ちになりました。

──図らずもKANDYTOWNとKEYAKITOWNの共演が実現しました(笑)。

一同 あははは(笑)。

hime

hime 私のオススメは12曲目の「ラストソング」です。この曲は絶対に作品の最後に入るんだろうなと思いながらレコーディングしたんですけど、アルバムができたら最後じゃなかったという(笑)。ここから最後の「RUN and RUN」につながる流れが好きです。ラップも変則的な韻の踏み方をするところがあったり、すごく技術的にレベルが高いなと思って。ラップに詳しい人にも「女の子でもこういうラップができるんだ!?」と思ってもらえると思うので、ライブでも力を入れていきたい曲です。

今でもラップをするのはたのしいです!

──amiさんのオススメの楽曲は?

ami 私、この13曲の中で好きな1曲が選べなくて……「ラストソング」も「おしえて」も好きなんですけど、レッスンのときにみんなでアルバムの曲を歌ったら8曲目の「リリシスト」がすごく好きになりました。キーが今まで歌ってきた曲より、ちょっと低いんです。レコーディングのときは1人ずつ歌うんですけど、それを全員で歌うとさらにメロディが自分の中に浸透してくるというか、気持ちがすごく伝わるなと思って。でも、ラップはすごくタイトでカッコよく決まってる。全員で歌ってみて、なおさらカッコいいなと思ったのが「リリシスト」でした。

──この曲は大江千里さんが作曲を手がけられていて、大江さんの持ち味である切ないメロディラインが印象に残ります。歌詞は大江さんとGAKU-MCさんの共作ですね。

ami 大江さんの曲って歌詞がすごくいいじゃないですか? しかもある程度の年代になると一層そのよさがわかる。自分が歳を取ったとは言いたくないんですけど(笑)、同い年ぐらいの人、ラップを聴かない年上の方にも、ぜひこの曲を聴いていただきたいなって思いました。

mei 私は5曲目の「DO IT NOW!(HEY!HEY!HEY!)」。アルバムの新曲で一番最初にライブで披露した曲なんですけど、この作品の中で一番ライブ映えする曲になっていくんじゃないかなって。実際ライブでもすごく盛り上がったし、今までのリリスクのキャッチーな部分が入ってる曲だなって思います。あと、女の子の積極的な気持ちが描かれた歌詞にも注目してほしいですね。

minan

──では、最後はminanさん。

minan (しばし悩んで)……これ被っちゃってもいいですか?

──大丈夫ですよ。

minan 私もhimeと同じで、「ラストソング」です。デモを聴いたときからメロディがすごく印象的で。早くレコーディングしたいし、この曲を早く歌いたいっていう気持ちが一番大きかった曲です。歌詞もリリスク自身に置き換えられるような内容になっているなと思って。なので気持ちを込めやすいというか、重ねやすいというか。聴いてても歌ってても熱くなれる曲で……好きです。

ayaka ちょっとドキッとしちゃった、今(笑)。

mei 告白みたいだったね(笑)。

──今回のアルバムが過去、現在、未来をテーマにしていることもあって、「ラストソング」は今後重要な曲になりそうですね。22世紀を舞台にした歌詞の中に、「今でもラップをするのはたのしいです!」というフレーズが盛り込まれていたり。

minan この曲がアルバムの世界観を一番表しているのかなって思います。リリスクの未来がこんなふうになってほしいなって思うことが全部この曲に詰まっているので。

mei 自分たちにもすごく刺さる曲だなって思います。

いつもチームで動いてるから間合いがわかる

“けやき町”マップ

──ちなみにアルバムのブックレットに掲載されている“けやき町”のマップを見ていたら「WEEKDAY TRIP RECORDS」のロゴを見つけたんですけど。これって今年の5月に公開された皆さんの初主演映画「リリカルスクールの未知との遭遇」に登場したレコード店ですよね?

ayaka そうなんです!

──「つながってるんだ!」と思って。映画「リリカルスクールの未知との遭遇」のBlu-rayとDVDも12月7日に発売されます。

ayaka

ayaka (映画のフライヤーを見て)懐かしい! ちょうどhimeが加入して初めてのお仕事がこの映画の撮影だったんですよ。

minan もう1年前!? 信じられないんだけど……。

hime ライブに参加する前にこの映画のお仕事が入っていたのですごく不安だったんですけど、撮影を通じてメンバーとの仲を深めることができて。映画って待ち時間が長いんですけど、そこで楽曲の振り付けを教えてもらったり、メンバーのことをたくさん知ることができたんです。台詞と一緒にライブのことも同時進行で覚えないといけないので本当に精一杯だったんですけど、今思うとこの映画が最初のお仕事でよかったなと思います。

mei この作品のおかげでhimeとの仲が深まったなと思えたのが一番大きかったですね。本格的な演技も初めてだったので、みんながどういう演技をするのか楽しみだったし、ライブとは全然違う表情も見ることができて。

──ちなみに、この映画にはグループ内で実際にあったことが反映されていたりもするんですか?

mei いえ、まったくのフィクションです。フリースタイルのラップでケンカなんてしたことないし、できない(笑)。

ami

ami あんな険悪なムードでケンカしたことないです(笑)。

mei フリースタイルのシーンは一発撮りだったんですよ。誰かが噛んだら最初から撮り直しになっちゃうんで、すごく大変でした。

ami でも、あの言い合いのシーンはすごく楽しかったよね? いつもチームで動いてるから間合いがわかるというか。ケンカのシーンも楽しく撮れた思い出があります。

メジャー1stアルバム「guidebook」 / 2016年11月16日発売
[CD] 2700円 / KING RECORDS / KICS-3429
収録曲
  1. -old-(skit)
  2. GOLDEN
  3. プレイルーム
  4. おしえて
  5. DO IT NOW!(HEY!HEY!HEY!)
  6. サマーファンデーション
  7. -☆☆☆-(skit)
  8. リリシスト
  9. マジックアワー
  10. 恋わずわず
  11. -too old-(skit)
  12. ラストソング
  13. RUN and RUN
映画 Blu-ray / DVD「リリカルスクールの未知との遭遇」 / 2016年12月7日発売 / KING RECORDS
[Blu-ray] 5184円 / KIXF-437
[DVD] 4104円 / KIBF-1452

TOWER RECORDS×CLUB CITTA' presents lyrical schoolスペシャルライブ

  • 2016年12月2日(金)神奈川県CLUB CITTA'

lyrical school tour 2016 “guidebook”(終了分は割愛)

  • 2016年12月9日(金)北海道 cube garden
  • 2016年12月17日(土)大阪府 OSAKA MUSE
  • 2016年12月18日(日)愛知県 VERSUS東海ホール
  • 2016年12月23日(金・祝)宮城県 space Zero
  • 2016年12月29日(木)東京都 Zepp Tokyo
lyrical school(リリカルスクール)
lyrical school

「清純派ヒップホップアイドルユニット」というコンセプトのもとオーディションで選ばれた、ami、ayaka、erika、mariko、mei、yumiという6人のメンバーにより2010年に結成。「tengal6」というユニット名で活動し、ハイクオリティな楽曲と「アイドルラップ」という特異なスタンスで大きな支持を集めた。2012年にタワーレコードのアイドルレーベル・T-Palette Recordsに移籍し、それを機にユニット名を「lyrical school」に改名した。2013年にはmarikoとerikaの卒業を受け、hinaとminanが加入して新体制に。2015年12月にhinaが海外留学のため卒業し、元ライムベリーのhimeが新たに加入。2016年4月にキングレコードからメジャーデビューシングル「RUN and RUN」をリリースし、5月に初主演映画「リリカルスクールの未知との遭遇」を劇場公開した。その後、7月に「サマーファンデーション」、9月に「マジックアワー / 格好悪いふられ方-リリスクの場合-」とシングルを立て続けに発表。9月にyumiが脱退し5人編成に。11月にメジャー1stアルバム「guidebook」をリリース。12月7日には映画「リリカルスクールの未知との遭遇」がBlu-ray / DVD 化される。