一番大事なところで熱い思いを語る

──東京・キネマ倶楽部でのファンクラブ限定ライブの中で「バンドメンバーの中で付き合いたい人は誰？」というテーマのMCがありましたが、そのときluzさんが選んだ相手がLedaさんだったんですよね（参照：luz、限定ライブでバンドメンバーと“急接近”）。

luz　そうなんですよ（笑）。Ledaさんにはものすごい包容力があると言うか、話をしていると僕のストレスがどんどん取れていく感じがするんです。話すだけで癒される（笑）。

Leda　ありがとう（笑）。

──Ledaさんはluzさんの魅力はどういうところにあると思いますか？

Leda　やっぱり彼の人柄ですね。普段はすごくふんわりした感じなんですよ。天然っぽいと言うか。でもステージに立つとクールな一面や妖艶な表情をしっかり出してお客さんを魅了するし、一番大事なところでは熱い思いをちゃんと語ってくれる。「GENESIS」ツアーのときも不意に感動的なMCをして、僕たちバンドメンバーも意表を突かれたことがあったんです。

──僕も何度かluzさんのライブを観させてもらっていますが、ご自身が主催するライブイベント「XYZ TOUR」の開催などを経て、luzさんのMCってものすごく成長したと思います。

luz　僕の慣れていないMCがある意味ライブの見どころみたいになってたこともあったんですが、最近は「XYZ TOUR」で最後のひと言を任されることも多くて、やっぱりしっかり締めなきゃなって思うんですよね。この間「EXIT TUNES ACADEMY TOUR 2017 -RAINBOW-」っていうツアーに参加させてもらったんですけど、今の「ETA」には僕より若い歌い手の子たちがたくさんいて、いつの間にか僕が誰かに教える側に立っていたんです。だからLedaさんをはじめバンドメンバーの皆さんに教わったことをちゃんと受け継いで、今度は僕が下の世代に伝えていかなければならないなって思っています。

「相手役のluzくん（仮）はクソ野郎」

──アルバム「Reflexión」のことも聞かせてください。今作はluzさんにとって初の全曲オリジナル曲で構成されたアルバムになりますが、ご自身の中でどういう作品にしようというイメージがあったんですか？

luz　最初はいろんなコンセプトを考えていたんです。例えば1つ大きなストーリーを作って物語形式の曲を作っていこうか、とか。でも僕にとって最初のオリジナルアルバムになるんだったら、まずは全力を注いだうえで僕のいろんな一面を詰め込んだ作品にならないかなと思ったんです。「luz」って「光」という意味の言葉なんですけど、僕がいろんなクリエイターさんの作った曲に反射して、より多くの人のもとに曲が届いたらいいなって思いがアルバムのタイトルに込められています。

──今作にはLedaさんの提供曲「DISORDER」が収録されています。luzさんはLedaさんにどういうオーダーを？

luz　まず「ゴリゴリのハードロックでお願いします」っていうのを伝えて。それと僕のファンは女性の方が多いので「女性が共感できるような内容にしてください」とお願いしました。あともう1つが「Ledaさんが弾いてて気持ちいいフレーズをどんどん入れてください」ですね。

Leda　もうちょっと具体的に話すと、「病んだ女性の歌をお願いします」って言われて。luzくんは病んだ女性が好きなのかな（笑）。

luz　いやいや、そんなことはないですよ！

Leda　僕の作った曲の男性役はluzくんなんですけど、一緒にツアーを回っていろんな部分を見せてもらったので“優しく接してくれるけど実はダメ男”って設定のluzくんを描いています。歌詞の説明をするときも「相手役のluzくん（仮）はクソ野郎です」って説明しました（笑）。もちろんホントのluzくんはそうじゃないよ。

──luzさんは「DISORDER」という曲を聴いてどう思いましたか？

luz　しびれました。イントロから大好きですし、一度聴いたら頭に残るメロディで、もう1回聴いたら離れられない曲でした。

──「DISORDER」は、いつものluzさんの曲よりちょっとキーが高いですよね？

luz　実は過去最高に高い曲ですね。レコーディングのときは半音下げて歌うか考えていたんですけど、Ledaさんに「どっちがいいと思いますか？」って相談したら「どっちでもいいと思うよ」みたいな返事で。僕、すごくずるい返事だなと思って。

Leda　だって、どっちもいいと思ったんだもん。

luz　それがずるいんですよ！ 「歌いやすいほうでいいよ」とも言ってくれたけど「原曲キーもすごくカッコいいよ」って言うし。だから歌いやすいのは半音下げたほうだけど、Ledaさんが書いてくれた原曲キーをあきらめるのは悔しくて、結局原曲のキーで歌いました。

──Ledaさんがキーを高めに書いたのにはどういう意図が？

Leda　女性目線の曲なので、高いほうがヒステリックに聞こえるんですよね。それと高いところをがんばって歌うと楽曲に勢いが出るんです。そういう背景があって、luzくんの伸びしろに期待したというか、ちょっとチャレンジできる曲を書いてみました。

──バンマスとして共にツアーを回ったLedaさんだからこそ、書けた曲だったわけですね。

luz　ホントにそうだと思います。新しい扉を開いてくれました。