ラックライフ|時を経ても、夢を語り合えるように

LACCO TOWERとの出会い

──「バースデー」にはLACCO TOWERの真一ジェット(Key)さんが参加しています。彼らとはいつ知り合ったんでしょうか?

LACCO TOWERはラックライフに改名してすぐの頃から付き合いはあるんです。

──かなり長いんですね。

PON(Vo, G)

そう思うでしょ? 実は最初、まったく話しかけられなくて(笑)。移動中の車でずっとLACCO TOWERの曲を流してるぐらい大好きだったんだけど、恐れ多くて直接話すことができなかったんですよ。初めてライブで共演したときなんか、彼らのいた楽屋に一切入れなくて。それで俺らが「GOOD LUCK」っていう自主企画をスタートしたとき、「これぐらい腹くくったイベントやったらLACCO TOWERが出てくれるかもしれん!」と思って、勇気を出して声をかけて、お互いのイベントに誘い合うような関係になったんです。それが4、5年ぐらい前かな。

──今回のコラボはどういった経緯で実現したんでしょうか?

レコーディング中に知り合いのミュージシャンと一緒になんかできたらいいなと思って、メンバーに相談したら「ほんならジェッさんがいいかな」って自然と候補に挙がったんです。

──ゲストアーティストを迎えた楽曲がCDに収録されるのは、今回が初めてですよね。

遊びの一環で共作したりすることはあったんですけど、ちゃんと音源にしたのは今回が初です。昔地元が同じPURPLE HUMPTY(現・FouFou)と一緒にツアーを回ったとき、来場者特典のDVDで使用する楽曲を井田(健)ちゃんと一緒に作ったんです。そのとき、「自分が作るメロディとほかの人が思いつくメロディってこんなにも違うんや」って実感したんですよね。今回のジェッさんとのコラボもそうでしたけど、歌詞とメロディがあって、どうやって当てはめていくか話し合ったとき、まったく違うアイデアが出てきて面白かったですね。

歌は必ず真ん中にある

──ここ最近発表された楽曲を振り返ってみると、「リフレイン」では「夢から醒めても なにも変わらないな」「勘違い寒いごめんなさい 僕平凡天才じゃないや」と辛辣なことをバッサリ言い切ってしまうドライな歌詞になっていたり、「僕ら」は「足りない何かに気付く度 情けない自分が嫌になるな」と自身の弱さに触れつつ「一緒に越えて行こう 一人じゃないなら」と一緒に歩んでいこうとする様子が描かれています。2015年発表の「アイトユウ」の「ずっと二人で歩いて行こう」、同年発表の「変わらない空」の「変わる世界で変わらない二人で 君は僕の側にいて」など、ある特定の人に向けて歌っているような楽曲が多かったインディーズ時代に比べ、歌詞の内容のバリエーションが多種多様になってきたように感じました。

俺自身は自分の思ったことを歌にし続けているだけなんですよね。言葉遣いとか歌い方とか、意識的に変えてみようとしてきたわけじゃないんです。そのとき思ったことを、一番自分にフィットする言葉で表現しているだけ。

──自然に変わっていったと。

もちろんうれしいことですけどね。曲調についても何1つ無理はしてないし。以前「シンボル」を「文豪ストレイドッグス」とのタイアップ曲だけを知ってる人に聴かせたら、「同じ人の曲なん?」「こういうのもあんねや!」とか言ってくれたんですよ。でも俺らからしたら、変化球投げようとして作ったわけではないんです。

──演奏についてもテクニカルなフレーズを交えつつ、決して難解にならない、聴きやすいアレンジが施されていますね。

PON(Vo, G)

歌は必ず真ん中にある、っていうスタンスはずっと保ってきたんです。それはラックライフの武器のひとつだと思ってるんで、なるだけ崩さないように考えてますね。

──「歌は必ず真ん中にある」という点を重視されているのは、PONさんがJ-POPを好んで聴いてきたことと何か関係があるのではないでしょうか。

確かにそうですね。言ってしまえば、「歌があるんやったら、ちゃんと聴こえないとおかしくない?」ってことですよね。それがぶれたらラックライフじゃなくなるなって思います。

俺ら、何が変わったん?

──PONさんは以前のインタビューでCHEMISTRYや矢井田瞳さん、KinKi Kidsが好きだとおっしゃっていました。この10年間、ずっと聴き続けていたり、目標にしていたグループはいましたか?

KinKi Kidsは今聴いてもアガりますよね。あとは平井堅さんとかEXILEもそうだし。その中でもずーっと憧れてるのはMr.Childrenですね。あと、モロJ-POPって感じの人たちを聴き続けてきたから、「Mステ」とか「FNS歌謡祭」みたいなテレビ番組もめっちゃ好きです。(拍手しながら)「好きな人いっぱい出てるー!」って観てましたもん(笑)。ジャニーズもめっちゃ好きやから、年末は「ジャニーズカウントダウン」観るし。だから自分の音楽にもJ-POPの血が流れているんですよね。J-POP生まれ、ライブハウス育ちみたいな。

──だからこそ、楽曲の聴きやすさが保たれているんでしょうね。

歌が真ん中にあれば大丈夫やと思いますよ。CHEMISTRYになりたかったから歌は大好きだし、歌詞を書く人がおらんかったから自分で書いてるようなもんやし。

──企画「GOOD LUCK」をはじめ、これまでラックライフは多くの企画を実施してきました。規模が大きくなるにつれ、客層も変わってきたのでは?

メジャーデビューしてから、アニメで俺らを知ってくれた人もたくさんいますからね。そういう人たちがどうやったらライブハウスに通ってくれるかはすごく考えてます。ラックライフはライブを観てもらったら、どんなバンドかすぐわかると思うんですよね。だからこそライブに来てもらいやすい環境を作っていきたいです。

──1月に行われたワンマンライブは東京・LIQUIDROOM、大阪・BIGCATとバンド史上最大規模の会場が舞台でしたが、各会場ともにソールドアウトとなりました。ステージから見る景色が変化するにつれ、演奏時の心情も変わりましたか。

どこでやるから違うってことはまったくなくて、5人だろうと100人だろうと1000人だろうと、1人ひとりに向けて歌ってるつもりですね。「どこまでいけんのかな」って考えることもありますけど、そういう気持ちを保ち続けてライブをやっていきたいなと思ってます。

──ではこれまでの活動を経て、バンドが変化した部分はありますか?

こないだ、軽音楽部に所属して、コピーバンドとして活動をスタートした時期から今までの活動を振り返ってみたんです。高校を卒業して、インディーズバンドになって、メジャーデビューして……いろいろあったけど、「何が変わったん?」って結論になったんです。どの時期も自分が思ったことだけ歌にして、本気でお客さんに伝えようと必死になってやってきたんです。今まで作ってきた曲もウソは1個もないから、今でも自信を持って歌えるし。

──同じスタンスを貫いてきたんですね。

むしろ変わったと思う人がいるのなら教えてって感じ。「メジャー行って変わった」みたいなこと言う人いるじゃないですか。でも俺からしたら「何がなん!?」って思うし、ただハマってないだけやないの?って思う(笑)。

──なるほど(笑)。今日のインタビュー、2年前に取材したときを思い出しました。PONさんの雰囲気も当時と変わらないですね。地元に帰るといつでも会えるお兄さん……みたいな安心感があると言うか。

それよく言われるんですよ! なんか近所の兄ちゃん感出てるみたいで。もし今後のインタビューで態度変わって、スカした発言するようになったら教えてくださいね(笑)。

PON(Vo, G)
ラックライフ「シンボル」
2018年5月9日発売 / バンダイナムコアーツ
ラックライフ「シンボル」初回限定盤

初回限定盤 [CD+DVD]
2268円 / LACM-34750

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ラックライフ「シンボル」通常盤

通常盤 [CD]
1404円 / LACM-14750

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CD収録曲
  1. シンボル
  2. ルーター
  3. バースデー
初回限定盤DVD収録内容

2018.1.18「ラックライフ 2017-2018 ~Change The World TOUR~」

  • 初めの一歩
  • 変わらない空
  • 存在証明
  • サニーデイ
  • 僕ら
ラックライフ
2005年に高校の同級生であったPON(Vo, G)、ikoma(G, Cho)、たく(B)、LOVE大石(Dr)の4名で前身バンドを結成し、大阪・北摂を中心に活動を開始。2008年「ラックライフ」に改名し、2013年に事務所内のインディーズレーベル・I WILL MUSICへと所属した。2016年1月にはランティスからメジャーデビューすることを発表し、同年5月に同レーベル所属後初のシングル「名前を呼ぶよ」、2017年3月にメジャー1stフルアルバム「Life is beautiful」を発売。2018年5月9日にはメジャー6枚目のシングル「シンボル」をリリースした。シングル表題曲「シンボル」は現在アニメ「『食戟のソーマ 餐ノ皿』遠月列車篇」のオープニングテーマに使用されている。