音楽ナタリー Power Push - ラックライフ

目標は「お客さん全員友達化」!? 変わらぬ思い持ちメジャーデビュー

大阪・北摂を中心に活動しているラックライフが今年1月、ランティスよりメジャーデビューすることを発表。5月に同レーベル所属後初となるシングル「名前を呼ぶよ」をリリースした。テレビアニメ「文豪ストレイドッグス」のエンディング主題歌であるシングルの表題曲は、これまで支えてくれたファンについて歌詞でつづった、メジャー進出への決意を表すナンバーとなっている。

今回音楽ナタリーではバンマスを務めるPON(Vo, G)にインタビューを実施。バンドのこれまでの歩みをはじめ、シングル「名前を呼ぶよ」収録曲の制作エピソード、そしてメジャーデビューへの意気込みを語ってもらった。

取材・文 / 高橋拓也

とりあえずバンド、やれたらええかな

──今回のシングルでメジャーデビューということで、改めてバンドの略歴から伺いたいと思います。まず前身バンドの結成は2005年、当時皆さん高校生だったそうで。

PON(Vo, G)

2年生のときに同級生とコピーバンドを組んだのが最初です。僕はギターは持ってなくて、ピンボーカルで走り回るようなことをやってて。それで高校3年の夏ぐらいに、ライブハウスの人から「オリジナルもやってみたら?」って言われたんですね。それで「曲作るんならギターもやらな!」って安直な理由でギターも弾くようになったんです(笑)。

──結成してから今年で11年目になりますけど、メンバーチェンジなく続けてますよね。

でもよくも悪くも距離感がある感じですよ(笑)。バンドのメンバーとして集まるときはほとんど会話しないけれど、普通に友達として集まれば仲はいいです。結成は高校2年の5月だったんですけど、6月にはもう初ライブをやりました。

──もともと各自で別のバンドをやっていた?

そういうのもまったくなかった。ドラムの(LOVE)大石とギターのイコマは高校1年のときに文化祭でバンドをやってたみたいなんですけど、ちゃんと組んだのはこれが初めて。それで1回、ライブに出演してからは一気に本数を増やしましたね。

──まったくバンドの方向性が定まっていない状況で、これはうまくいくだろうっていう確信はありましたか?

まったくなかったですね。「とりあえず、バンドやれたらええかな」みたいな。とにかく人気者になりたくて始めたので。ライブではいっつも友達40人とか50人呼んで、身内で盛り上がって俺らの出番が終わったらみんなバーッと帰る……みたいな感じのことをずっとやってて。それでいろんな人と出会ううちにちゃんとやろうかなって思ったんです。

──北摂ではバンド活動の環境はいかがでした?

北摂って地域はすごく特殊で、高校生バンドがすごい多かったんですよ。いろんな高校の軽音部が1つのライブハウスに集まる、みたいな感じなんです。だから21時にはライブを全部終えて22時には完全撤収っていう決まりもあったし。たまに東京のバンドがツアーで来たりすると、みんな興味津々でリハからかじりついてるっていうこともありました。

ツアーをやらないとバンドやってるって感じがしない

──自主企画「GOOD LUCK」シリーズもすごい回数を実施してますよね。もう少しで40回を迎えます。

ラックライフ(撮影:河上良)

僕らが仕切れるイベントはこの名前でやってますね。ツアーとかその番外編も含めてたからこんな回数に。もともとは「It's My Life」って名前でやってたんですけど、10回を超えてから今のタイトルに変えたんです。だから自主企画自体は60回近くやってると思います。老舗のライブハウスには今まで誰が出たのかわかんなくなるくらい、ものすごい回数を重ねてる企画があったりしますよね。将来的にはそんな感じにしてみたいです。

──コンピレーションアルバム「大阪の北側から。」はラックライフの自主企画から生まれた作品だそうですね。

そうです。でも一緒にやってたというよりはたまたま生き残ってた、っていうほうが正しいかもしれないですね。みんな高校の部活感覚でバンドをやってたから、3年の夏になるとみんな辞めてくんです。それで僕らは「辞めるタイミング見失ったな……」って感じでそのまま続けていって。で、必ず1年に1組は同じ状況になるバンドがいるんですね。そんな人たちが集まったのが「大阪の北側から。」なんです。

──自主企画の回数もさることながら、これまでに発表したデモ盤の枚数も多いです。

新曲ができたら聴いてほしいっていうのもあったし、高校のときに憧れてた先輩バンドがむちゃくちゃライブをやる人だったのも大きかったです。その人たちは半年で100本ぐらいやってて、自分らもそれがバンドだと思ってた。だから初めてのツアーのときも40本ぐらい組んだし。ツアーをやらないとバンドやってるって感じがせえへんから、新曲できたら自主制作盤出してツアー、ってことをずーっと続けてきました。

──リリース後は必ず?

いちいちツアーやってましたね(笑)。「また来た!」なんて言われて。それをやらないとバンドとして成立しないって思ってましたし。

──リリースも自主企画も数多く実施していますが、話を聞く限りでは煮詰まった経験はなさそうですね。

びっくりするほどないですね。ツアー中に曲を制作するんですけど、いろんなことを感じて取り込まないとアイデアが出てこないタイプなんです。だからツアーの日程がしんどいほうがどんどん曲が作れますね。

ラックライフ メジャーデビューシングル「名前を呼ぶよ」レコ発ツアー

2016年6月24日(金)
東京都 Shibuya eggman
2016年7月2日(土)
愛知県 CLUB ROCK'N'ROLL
2016年7月9日(土)
大阪府 OSAKA MUSE

※各公演ゲストの出演あり。

ラックライフ

2005年に高校の同級生であったPON(Vo, G)、イコマ(G, Cho)、たく(B)、LOVE大石(Dr)の4名で前身バンドを結成し、大阪・北摂を中心に活動を開始。2008年「ラックライフ」に改名し、全国でのライブ活動を積極的に行った。2010年からは自主企画「GOOD LUCK」もスタートさせ、現在までに30回以上実施している。2013年に事務所内のインディーズレーベル・I WILL MUSICに所属し、2014年5月にシングル「ハルカヒカリ」を発売。2015年8月リリースのシングル「変わらない空」の表題曲はテレビアニメ「純情ロマンチカ3」のエンディング主題歌に使用された。2016年1月にはランティスからメジャーデビューすることを発表。5月に同レーベル所属後初のシングル「名前を呼ぶよ」をリリースした。