この夏の7ORDERとの出会いは大きかった
──昨日、安井さんは氣志團のツアー「推しの子分 ~転生したら氣志團だった件~」を観に行ったそうですね。
安井謙太郎(7ORDER) いやー、めちゃくちゃ楽しかったです!
綾小路 翔(氣志團) ありがとうございます。同業の人はあんまり観に来てくれないことでおなじみの僕らのワンマンライブを……。
安井 そんなことないですよ(笑)。スケジュールの合うメンバーで行かせていただいたんですけど、本当に今まで観たことのないようなライブでした。すごくコンセプチュアルなライブで、エンタテインメント要素が強くて。クオリティが半端じゃなかったです。
──7ORDERと氣志團は今年7月に行われた「Lucky Fes」で出会ったんですよね?
安井 そうですね。出演日が同じで。当日フェスのバックヤードのフードコートに行ったら、そのフードコートが氣志團さんの楽屋なんじゃないかというくらい、氣志團さんを中心に盛り上がっていたんです。「写真撮ろうー!」みたいな空気で。
綾小路 普段は僕らそういうキャラでもないんですけどね(笑)。でも、「Lucky Fes」は早い時間に自分たちの出番が終わったのもあって、イベントを楽しめる時間があって。僕らは早く出番を終えて、そのあとにおいしいものを食べたり飲んだりしながらライブを観るのが好きなんです。その日は普段なかなか会わない、若い世代のアーティストの皆さんがたくさんいらっしゃって。その中にえびちゅう(私立恵比寿中学)がいたんですよね。えびちゅうは昔から仲よしで、向こうから話しかけてくれたもんだから、つい舞い上がっちゃって。友達がいたのがうれしかった。7ORDERも「TikTok一緒に撮ってください」って話しかけてくれて、「今日は友達ができる気がする!」と思って。勇気を出してアルコールの力を借りて、初めましてのアーティストの皆さんとワイワイできて、この夏の思い出になりました。
安井 めちゃくちゃ勇気を出して「TikTok一緒に撮ってください」と声をかけたんですよ。そしたら「もちろんだよ!」と言ってくださって。
綾小路 何も踊れないくせにね。
安井 いやいや(笑)。そこで、この勢いで「今なら氣志團さんともっと仲よくなれるかもしれない!」と思ったんです。「YES! FES!」への出演を引き受けていただいたあと、一緒にお食事にも行かせていただきました。
──食事会ではどんなお話をされたんですか?
安井 翔やんのすべらない話です(笑)。ずっと笑い続けてました。諸星もいたんですけど。
綾小路 うん、モロくんも一緒ですごく楽しくて。でも、僕はみんなの話をちゃんと聞けるお兄さんでいなきゃいけないのに、自分の話ばかりしてしまって、器が小せえなと反省しました。
安井 めちゃくちゃ楽しかったですよ(笑)。「氣志團万博」を始めたときのこととかも教えてくれたんですけど、すべての話にフリとオチがあるんですよ。あれはすごい時間でしたね。翔やんのトークショーでした。
綾小路 こんなふうに我々と仲よくしたいと思ってくださる方、なかなかいないですよ。若い世代の方々は、我々のことを知らない人もけっこう多いと思います。怖そうなイメージもあるかもしれない。僕らもそこにオラオラ寄っていくのも……というタイプで。こっちも若い人たちのことが怖いから。クマみたいなもんですよね。人間は僕らのことを恐れてるけど、僕らも発砲されたりするので怖いんですよ。だから、人間の里にはなるべく近付かないようにしてるんです。
安井 (笑)。
綾小路 ただ、今年の「氣志團万博」には若い世代の方々にたくさん出ていただくことになり、せっかくのタイミングだし、このままじゃいけないんじゃないかなと思って。悩み抜いたんですけど、とんでもない長文のお手紙を書いちゃったんです。うちのメンバーに手紙を見せたら、「これは嫌われるよ。若い世代の皆さんにこんな長文はやめとけ」って言われました(笑)。真夜中のテンションで書いたのもあって、確かに「これは嫌われるわ」という内容で。しかも、僕は改まるとなぜか筆ペンで書くという謎の習性があって……謙ちゃんにお手紙を返したときもそうだったけど。
安井 翔やんから手紙をもらえるのはめちゃくちゃうれしいですよ。僕、今日それを持ってきていて(懐から手紙を取り出す)。
綾小路 わあ! なんだかすみません。
安井 字がすごく上手で。
──「YES! FES!」への出演をオファーするにあたって安井さんが手紙を送ったら、翔さんからお返事がきたんですよね。
安井 そうなんです。手紙でお返事をいただけて。
綾小路 「Lucky Fes」からちょっと経った頃にお手紙をいただきまして、こんなにうれしいことはないじゃないですか。それからごはんに行って、さらに仲よくなって。この夏の7ORDERとの出会いは大きかった。それがなかったら、僕らは今年の「氣志團万博」を乗り越えられてなかったと思う。若い世代の方々にもビビって近付けなかったかもしれない。
安井 いやいやいや。僕らこそ、図々しくも直談判みたいな感じで「氣志團万博」にバックダンサーとして2日間おじゃましてしまって、本当にありがとうございました。
背中から学べることもすごくたくさんある
──7ORDERが氣志團のステージにバックダンサーとして出演したのは直談判だったんですね(参照:氣志團万博2日目にBUCK-TICK星野が現れ“Team NEWS”集結、アイナやthe GazettEらも熱演)。
安井 はい。最初は「よかったら『氣志團万博』を観に来てよ」と声をかけてくださったんですけど、せっかくだから何かさせていただけないかなと思って。僕らができることと言ったら、まあ踊ることかなと。それでお食事に行ったときにご相談させてもらって。1、2曲出させてもらえたらありがたいなと思ってたら、翔やんから6本ぐらい振付の動画が届いたんです(笑)。
綾小路 7ORDERが「なんでもやります」なんておっしゃってくださるから、それならばドカンとね(笑)。7ORDERはダンスのスーパープロですし、僕たちも「万博」のときは普段とは違うバックダンサーの方たちを呼ぶこともあるし、それは渡りに船のようなお話でした。ただ、「YES! FES!」のあとだったらストーリーがあるなと思ったんですけど、競演する前にバックダンサーで出るということになったら、7ORDERのファンの方々の中には「なんで氣志團の後ろで踊らされてるの?」と思う人もいるんじゃないかなとも思ったんですよね。うちのメンバーたちから「バックダンサーを頼むのは失礼にあたるんじゃないの? モヤっとする人がいたらどうするんだ?」という意見もあって。そりゃそうだよなと。
安井 いや、僕たちが自分から手を挙げたので。
綾小路 でも、今年僕らは1日目のトップバッター、2日目のトリを務めることになっていて。初日の突破口を切り開いて、2日目にはイベントをしっかり締めなければいけない。そのためには我々にとっても武器がいくつあってもありがたいし、ステージも大きいので、ダンサーさんが増えてくれるのは華やかでいいだろうなって。それで最終的には、人の親切や愛を素直に受け取ってみようと思ったんです。それって、意外と今までできなかったことなんですよ。いつも「申し訳ない、申し訳ない」ってずっと穴蔵の中にこもってきた人生でしたけど、7ORDERも「僕らは本当に大丈夫です。ファンのみんなもきっと喜んでくれます」と言ってくれたので、じゃあ思い切ってバックダンサーをやっていただこうと。でも、僕らの感覚がちょっとおかしかったのか、「2日間で6曲お願いします」ってお願いしちゃったんですよね。
安井 でも、めちゃくちゃうれしかったですよ。こんなにいっぱい出れるなんて。僕たち、たくさんステージに出たいんです。ファンの皆さんも喜んでくれましたし、あんなに近くで先輩のステージを観れるのは貴重な経験でした。もちろん客席で観ることで学べることもあるんですけど、背中から学べることもすごくたくさんあるなって、今回改めて思いましたね。後ろから観させてもらっていて、「そうだよな。この人たち、すっげえ強いんだ!」って。
綾小路 そんなそんな。
安井 しかも氣志團の皆さんの衣装を着させていただいたので、それもうれしかったです。
綾小路 しかも、ちょっと年季の入ってる衣装ね。今回は時間もなくて、7ORDERとのトークのコーナーは作れなかったんだけど、逆にお客さんもすごみを感じてくれたみたいです。7ORDERが本気でバックダンサーをやって、職人としてバッチリ仕事をしてそのまま帰っていったという。すごく男気があってカッコよかったし、7ORDERには本当に感謝していますね。今回の「氣志團万博」成功の立役者の1組です。
安井 そんなことを言ってもらえてありがたいです。結局僕らは「氣志團万博」には2日間ほぼずっと最初から最後まで居座ってましたよね。ほかの出演者の方々からは「なんであいつらずっといるんだ?」と思われちゃったかもしれないですけど(笑)。
綾小路 うれしかったよ。打ち上げも7ORDERのおかげでけっこう輪ができてたから。
──打ち上げでは11月生まれの7ORDERの萩谷慧悟さんと真田佑馬さんのために、氣志團がケーキを用意したそうですね。
安井 そうなんです。こんなにお忙しいのに、メンバーの好きなものを調べてケーキに装飾してくださって。萩谷のケーキにはフクロウが描かれていたんですけど、萩谷が梟を飼ってるのは、まあまあディグらないと出てこない情報なんですよ(笑)。
綾小路 はははは。
安井 氣志團の皆さんのホスピタリティは本当にすごいです。打ち上げのとき、翔やんがいろんな人に「みんなしゃべってね」って声をかけて、それで出演者さん同士が仲よくなって輪ができてるんですよ。
綾小路 もう今では少なくなってるマッチングババアですね。アユニ(・D)ちゃんとかを連れ回して、みんなに紹介しまくって。「この人は同世代なんじゃないか?」ってChilli Beans.とかと引っ付けようとして、ちょっとお節介でウザかったんじゃないかと思ってね……。
安井 出演者側としてはありがたいことですよ。今はSNS上ではつながれるけど、実際に直接話すとなると、ちょっとみんな固くなるところがあると思うので。翔やんはいろんなところを回って、みんなが仲よくなれるようにフォローしてくれるんです。
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「暗い」と不平を言うよりも、進んで明かりをつけましょう