音楽ナタリー Power Push - LEXT

余計な装飾なし、シンプルなメロディックパンクナンバーに込めた思い

今の時代にはいないパンクロックをやっているバンド

──今回のレコーディングの直前にはMinori(G, Cho / ex. PSYCHO FOOD EATERS)さんが脱退されて。このタイミングでの脱退はキツかったのではないでしょうか。

LEXT

GEN そうですね。やっぱり大変でしたよ。

NISHIDA 2015年にミニアルバムを出して、そのツアーが終わるぐらいから元気なくて。そのあと「辞めようと思います」って言われたんです。でもまあ、辞めようと思ってる人とバンドやっててもしょうがないし。だから今回のアルバムは3人で録ったんです。

──ギターパートはGENさんが1人でレコーディングされたということですね。

NISHIDA はい。曲作りにおいてはGENとPARTY GUYで骨組みを作る流れが多いので問題ないんですけど、レコーディングは大変でしたね。ギタリスト2人のうち、うまいほうが抜けたので。5分で終わるのが1時間かかったり(笑)。

GEN うん。難しいフレーズ弾いてくれる人いなくなったなって(笑)。

PARTY GUY GENさんが曲作ったのに、GENさんがMinoriさんに弾き方教えてもらってたときありましたもんね(笑)。

──そこでRYOTAさんが加入したんですね。

GEN そうです。RYOTAは1stアルバム「poolside」(2014年リリース)から俺らの制作を手伝ってくれていて。ニューヨーク生まれで英語がペラペラなので、歌詞の英語訳とかをお願いしたり。

NISHIDA 新しいギター入れるってなったときもすぐにRYOTAの顔が浮かんできましたね。それで「RYOTA助けてー」って電話して。

──RYOTAさんは加入の話を持ちかけられたとき、どのような気持ちでしたか?

RYOTA(G, Cho)

RYOTA(G, Cho) もともとGENさんには自分のバンドの相談にいろいろ乗ってもらったりしてたんですけど、同時にLEXTの悩みも聞いていて。GENさんたちの悩んでることはハイレベルで、「すげえなあ」っていつも思ってたんです。だからそこに入るっていうのは簡単に決めちゃダメだなっていうのはありました。

──それでも加入を決めた理由って?

RYOTA 俺は自分がギターボーカルのバンドをやってるんですけど、ギターだけ弾くバンドもずっとやりたかったんですよ。それで探してたらLEXTから連絡がきて、最初はサポートからっていう感じだったので「喜んで!」って。それからライブとかもちょこちょこやって楽しかったから、加入を決めました。

──LEXTにはどんなイメージを持ってましたか?

RYOTA 漢ですよね。今の時代にはいないパンクロックをやっているバンドだと思います。メロディックパンクバンドにもいろんなバンドがいると思うんですけど、僕はLEXTの音楽性が好きですね。

──実際にRYOTAさんが加入されて、バンドの雰囲気はいかがですか?

PARTY GUY(Dr)

PARTY GUY もともと友達だったのでなんの違和感もなく。Minoriさんの面影ももうなく。

一同 あははは!(笑)

NISHIDA 最初にGENが「RYOTAどうかな?」って言ってきたとき、想像したら楽しそうだなって思ったけど、実際楽しいんですよ。今もスタジオに入って、新しいアルバムの曲をRYOTAとやってるけど、すごいよく覚えてくるし、歌も歌えるからどんどんコーラスもやってもらってるし、バンドの空気もいいし。ホント楽しい。

──NISHIDAさんは「楽しい」っていうのが一番のモチベーションなんですね。

GEN NISHIDAさんは楽しいか楽しくないかでしか物事を判断してないんです。彼はパンクロックスターなので(笑)。

NISHIDA あはは(笑)。楽しいほうがいいでしょ。楽しくないことは別にどうでもいい。

外人が手抜いてるから言ってくれよ!

──今作のレコーディングエンジニアは1stアルバムと同じくCLEAVEの山中大平(G, Vo)さんで、アメリカでミックス、スウェーデンでマスタリングを行っていますね。

NISHIDA ミックスとマスタリングを海外でやるっていうのは今回初めての試みでした。

──ミックスエンジニアはアンドリュー・ベルリン、マスタリングエンジニアはイェンス・ボグレンという面々ですが、今回お二方にお願いした理由って?

GEN 日本でミックスとマスタリングをやるより、海外でやった音のほうが個人的にはカッコいいなと思って。ミックスは自分が聴いて育ってきたRise Againstとかパンクロックのそうそうたるバンドが録ってるスタジオにお願いしたので、「近付くかなあ?」と。

──実際に初めて海外に投げてみて、上がってきた音っていうのはどうでしたか?

GEN もう最初、ひっどくて。

──え!?

LEXT

GEN 「マジかよ」って思いましたね。山中くんがラフミックスを作ってくれて、「まあこの感じで出してみよう」って出したんですけど、戻ってきたのがとても劣化してるというか「こんなふうになるの? めっちゃ手抜きじゃん」ってびっくりして、すぐにRYOTAに「ちょっと外人が手抜いてるから言ってくれよ!」って電話して。そしたら心を入れ替えたのか、「寝ずに休日返上でやるから!」ってスタジオからメールが来て(笑)。

PARTY GUY 「バレた! やべえ!」みたいな感じなのかな(笑)。

GEN それでもう1回音源が送られてきたんですけど、すげえよくて「やりゃあできんじゃん」って(笑)。特にドラムのスネアの音に日本人じゃ出せないようなニュアンスが出てて、自分が聴いてきた音楽みたいでうれしかったですね。

NISHIDA 全体的にすごいパワーのある音だったから、やっぱすごいなって思いました。

ニューアルバム「END OF THE SUMMER」2016年9月7日発売 / 2376円 / I HATE SMOKE RECORDS / IHSR-66
「END OF THE SUMMER」
収録曲
  1. I Don't Wanna Be Your Friend
  2. Leave This Night
  3. Wasted Time
  4. Another Story Goes
  5. Endless Summer(The Travoltas cover)
  6. Please Don't Wait
  7. Failing to Fall
  8. Metro
  9. My Future Is Not Bright
  10. Summer Night
ツアー情報
"END OF THE SUMMER TOUR"
  • 2016年9月22日(木・祝)東京都 新代田FEVER
  • 2016年10月1日(土)群馬県 GUNMA SUNBURST
  • 2016年10月8日(土)山梨県 KAZOO HALL
  • 2016年10月10日(月・祝)神奈川県 F.A.D YOKOHAMA
  • 2016年10月29日(土)福島県 Out Line
  • 2016年10月30日(日)秋田県 秋田LIVE SPOT 2000
  • 2016年11月5日(土)山形県 酒田hope
  • 2016年11月6日(日)宮城県 SENDAI BIRDLAND
  • 2016年11月13日(日)千葉県 DOMe Kashiwa
  • 2016年11月23日(水・祝)栃木県 宇都宮HELLO DOLLY
  • 2016年11月27日(日)石川県 vanvanV4
  • 2016年11月30日(水)京都府 LIVE HOUSE GATTACA
  • 2016年12月1日(木)兵庫県 MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎
  • 2016年12月18日(日)三重県 MUSIC SPACE 鈴鹿ANSWER
  • 2016年12月23日(金・祝)神奈川県 横須賀かぼちゃ屋
  • 2017年1月9日(月・祝)福岡県 Queblick
  • 2017年1月27日(金)香川県 高松RIZIN'
  • 2017年1月28日(土)広島県 Live & Cafe BoRDER
LEXT(レクスト)
LEXT

GEN(G, Cho)を中心に2005年に結成されたメロディックパンクバンド。スリーピースバンド編成でデモ音源のリリースを繰り返しながらライブ活動を行う。2011年にGEN以外のメンバーが脱退。現在のフロントマン・NISHIDA(B, Vo)を含む新メンバーが加入し、4人組のツインギター体制となる。2014年にはI HATE SMOKE RECORDより1stアルバム「poolside」を、2015年には1stミニアルバム「ANOTHER NIGHT EP」を発表。2016年にはMinori(G, Cho / ex. PSYCHO FOOD EATERS)が脱退し、RYOTA(G, Cho)が加入する。9月にはニューアルバム「END OF THE SUMMER」がリリースされた。