Lenny code fictionの青系と赤系サウンド

──色の話で思い出したんですけど、ジャケットなどで使用されているバンドのテーマカラーについても教えてください。

航　自分たちの中で、曲のタイプを青系と赤系に分けてるんです。青系の曲は切なかったり寂しかったりという感情が大きくて、赤系の曲は勢いとか激しさとかが全面に出てる。その2色をあわせ持ってるのが僕らの強みだと思ったので、アーティスト写真やいろんなシーンで意識的に使っていくべきだなと。例えばゆったりした曲の中でも「より悲しいトーンだから濃い青」とか、すごくテンポが速くても爽快さがあると「水色に近いな」とか、そんなふうにメンバー間で共有してます。簡単に言うと、陰と陽。その感情が混ざってるのがLenny code fictionのいいところだと思ってて。

──バランスが面白いんですよね。航さんのボーカルをはじめ、スタイリッシュな色がある一方で、歌ってる内容には素朴で泥臭い雰囲気を感じたり、ライブはエネルギッシュだったり。

一同　ありがとうございます！

──ちなみに「Colors」は青系ですか？

航　ちょうど中間の曲ですね（笑）。

──そうか、このタイトルと歌詞だと真ん中ですよね。じゃあ、カップリングの「Alabama」「Romance」が……。

ソラ　赤系です！

航　「Alabama」はテンポが速いし、ビートも裏打ちなので、軽いノリになりがちな曲だけど、それだけじゃ嫌だったんですね。Lenny code fictionらしい壮大さをサビでいかに出すかってところで、akkin'さんと考えた結果、3重のコーラスを入れたことでいい広がりが生まれたと思います。

──カップリングの2曲が赤系になったのって何か理由があるんですか？ 今まで以上にロックンロール色が強く感じられたりもしたので。

航　この2曲は「ライブで自分が好きに暴れられる曲」っていうテーマで書いたので、当たり前のように赤系になりましたね（笑）。僕、THEE MICHELLE GUN ELEPHANTとかにも影響を受けてて、ロックンロールやガレージロックも大好きなんです。

ソラ　たまたま表面化してなかっただけで、デモを漁ってみるとロックンロール寄りの曲がけっこうあるんですよ。だから、僕ら的に「やっと出せた」感じ（笑）。「Alabama」は四つ打ちという点では流行りものだけど、ハードなテイストでほかのバンドにはないLenny code fictionらしい仕上がりになったかなと。いい具合にハネない。

kazu　楽曲を作るときに「ハイブリッド」を合言葉にしてるんです。泥臭いロックンロール含め、いろんな古きよき音楽を取り入れながら、今っぽいフレーズやサウンドも組み合わせたくて。

KANDAI　そんな中で遊び心も入れてね。「Alabama」の四つ打ちなんかは、akkin'さんと「あえてバカっぽくやろう」って話になったり（笑）。これもほとんどスキマを埋める感じで叩いてますね。最初の段階で、カッコいいフレーズは全部ギターとベースに任せると決めて。

──ライブ映えしそうなナンバーですね。

航　僕ら2ndシングルまでは、いろんなタイプの曲を聴かせることを目標にしてたんですけど、今回の3曲はすべてライブでどれだけ表現できるかがメインになりましたね。本当に、ライブのためのシングルと言ってもいい。

ソラ　「今年はライブを第一に活動する」っていう意志もシングルに込めてるしね。ツアーを経てバンドが成長できたと思うので、培ったものを各地でカマしていきたいです！