新しい学校のリーダーズ|平成生まれのはみ出し者、阿久悠を知る

H ZETT Mは私たちのことが好き?

──表題曲「狼の詩」ではSUZUKAさんがボーカルを担当しています。昭和を感じさせる歌謡ジャズに見事にマッチしたボーカルになっていますね。

SUZUKA

SUZUKA ありがとうございます! 私はもともと歌謡曲が大好きで、中森明菜さんとか山口百恵さんの歌い方をマネしているうちに、いつの間にかそれが自分のものとして定着したと言うか。なので特に難しさは感じることなく、自分の思うがままに歌えました。

──歌詞に関してはどう解釈しましたか?

SUZUKA 大人になりたくてもがいている若者の姿を狼に例えてるんだなと思ったんですよ。なので、狼のような野生感を意識しつつ、まっすぐに歌いました。ただ、「若さがこんなにつらいとは」というフレーズのところではちょっと心の中の闇を感じたりもしたので、そこはしっとり歌った感じですね。全体として強弱を感じてもらえる歌になればいいかなと思って。

──「若さがつらい」みたいな感情に共感できるところもありました?

KANON

KANON はい。実際、そう思うときはあるので。

RIN 早く大人になりたいと思うときはあるよね。

SUZUKA ライブの打ち上げなんかで2次会に行けないときとか。

MIZYU 「未成年だからもう帰ろうか」って言われちゃうもんね。「今頃、絶対みんな楽しんでんだろうなー」っていつも思うんで。2次会行きたいっす(笑)。

──あははは(笑)。歌に関しては作曲者であるH ZETT Mさんからディレクションしてもらえたりもするんですか?

SUZUKA はい。レコーディングのときにはスタジオへ来てくださって、「ここの歌い方はこっちのほうがいいかも」みたいなアドバイスをスタッフさん経由でいただける感じです。

──直接、お話はしない?

SUZUKA 生声はなかなか聞けないですね。間接的に「H ZETT Mさんがこう言ってるよ」って。今回、途中に「WOW WOW」って歌うパートがあるんですけど、私は最初、狼の遠吠えみたいな感じで歌ってたんですよ。「アオー!」って。そうしたらそこは違うほうがいいって間接的にアドバイスをいただきました。結果、最高の「WOW WOW」ができました。

RIN H ZETT Mさんはどこか入り込めない世界観を持ってらっしゃると言うか。ミステリアスで謎な雰囲気があるんですよね。

KANON うん。すれ違うときにすごい変なポーズをしてきたりとか(笑)。もちろん直接お話させてもらうこともあるんですけど、絶妙な距離感が保たれている感じがします。

MIZYU

MIZYU そうそう。だから「私たちのこと好きですか?」って聞いてみたい。実際のところどうなのか。今回の楽曲に関してはもともと、阿久悠さんの事務所からH ZETT Mさんのところにオファーが来たそうなんですよ。そこでH ZETT Mさんが「じゃあ新しい学校のリーダーズに歌ってもらいたいです」って言ってくださったらしくて。恐縮にもご指名いただいた感じなんですよね。

──それはもう間違いなく愛されているということなんじゃないですか。

MIZYU って思っちゃいますよね。だからちょっと確認したいんです。ぜひホントのところを教えてください、間接的にでもいいので(笑)。

「狼の詩」のダンスの肝は抜け感

──では「狼の詩」のダンスについても聞かせてください。今回はどんなイメージで振りを付けていったのでしょう?

KANON 爪を立てるような手をして走って跳んだり、狼の持っている強いイメージを表現するように心がけました。勢いのある野生感を感じてもらえればなと。

──サウンドはかなり激しいですからね。迫力のあるダンスが似合いそう。

SUZUKA そうですね。ただ、だからと言って全部を激しい振りにしてしまうと緩急が付かなくなってしまうと言うか。どこを見せたいのかがぼやけてしまうから、バランス感が重要なんですよ。

MIZYU 特に見せたいところは際立たせたいからね。なので歌詞のストーリー性とリンクするように、力強い部分だけじゃなく繊細な表現も盛り込んだりはしました。

RIN

RIN 間奏はかなり激しい振りを入れてるけど、トータルとしてみると案外、シンプルに作ってるところもあるしね。

SUZUKA あとは抜け感よね。抜け感は大事!

──抜け感とは?

SUZUKA 新しい学校のリーダーズとして期待通りのものを見せるのも大事だけど、ときにはそれを裏切ることも必要じゃないですか。その裏切りが抜け感。この曲では「WOW WOW」パートがそれを担ってますね。マジメにふざけるっていう。

RIN そこではSUZUKAの顔に注目です(笑)。

SUZUKA 抜けた顔をしてるんで(笑)。

新しい学校のリーダーズ×H ZETTRIO
「狼の詩」
2018年8月29日発売 / Victor Entertainment
アーティスト名「音楽作品タイトル」初回限定盤

[CD]
1296円 / VICL-37428

Amazon.co.jp

収録曲
  1. 狼の詩[作詞:阿久悠 / 作曲:H ZETT M]
  2. 雨夜の接吻[作詞:阿久悠 / 作曲:H ZETT M]
新しい学校のリーダーズ
(アタラシイガッコウノリーダーズ)
新しい学校のリーダーズ
2015年に結成されたMIZYU、RIN、SUZUKA、KANONからなるダンスボーカルグループ。キャッチコピーは「踊る、セーラー服と奇行癖。」と称され、アグレッシブなダンスとサウンド、独特なキャラクターで注目を集める。これまでコイケヤ、UNIQLO、ロッテ、幸楽苑などさまざまな企業とコラボし歌やダンスを動画で発表してきた。2017年6月には1stシングル「毒花」でビクターエンタテインメントよりメジャーデビューし、10月に2ndシングル「キミワイナ'17」をリリース。2018年8月に阿久悠の未発表の歌詞をもとにH ZETT Mが作曲、演奏をH ZETTRIOが担当したナンバー「狼の詩」をシングルとして発表する。