KUZIRAのメンバーは全員暗い?
──KUZIRAは「陰」。その答えに皆さん驚いていましたが。
浜口 はい。イメージは逆です。
池田 実は僕は今日がKUZIRAと初対面なんですけど、MVとか観ていてもそういうイメージは持ってなかったです。
末武 そうなんですね。でもメンバー3人共、暗いんですよ。友達もめっちゃ少ないし。よく「もし結婚式したら誰呼ぶ?」とかいう話になったりするじゃないですか。で、考えたら「うちのメンバー2人しかいない」みたいな。
──KUZIRAは今日の4組の中では唯一のメロディックパンクで、鳴らしている音はどちらかと言えば、“陰”より“陽”ですよね。
末武 メロディックパンクって「ウエーイ!」って感じでやってる人も多いかもしれないですけど、僕たちみたいな人がやっても面白いと思うんですよね。私生活は暗いんですけど、ライブでステージに立ったら非現実的になるって言うか。普段とは違う自分でライブできるのが気持ちよくてやってるんじゃないかと思います。
──確かに音は“陽”な一方で、歌詞からは切なさや儚さを感じます。
末武 歌詞は誰かに向けて歌っていると言うより、自分自身に向けてます。自分の影の部分を書いて、自分のケツを叩くみたいな。
池田 なるほどなあ。メロディックパンクって、ちょっとやんちゃしてきた人たちが、落書きとかのある“THEライブハウス”でやってるみたいな、ちょっと怖いみたいな印象を勝手に持っていたんですけど、KUZIRAはそうじゃなくて僕たち寄りな感じがある。
浜口 うん、めちゃくちゃ聴きやすい。
山本 今の話を聞いたあとにKUZIRAのライブを思い出すと、確かに「陰」かもなあと。MCもそんなに多くないし。明るい曲の中に、陰の部分が垣間見える感じが面白いなと思いました。
悔しいときに聴きたくなるのがニアフレンズ
──最後はニアフレンズです。池田さんがおっしゃったのは「人間」でした。
池田 “人間味あふれる”という意味の「人間」です。どっちかと言えば僕も“陰”な人間で、友達もそんなにいないし、すぐいろんなことに対して「なんで自分はできないんだろう」って考えてしまうんですけど、そういうときにいつも救ってくれたのが音楽やったんです。だから自分も、嫌なことがあったり、イライラしたりしたときに自分を奮い立たせてくれる歌を歌いたいなと。
──それが結果、聴いてる人の背中を押すことにもなると。
池田 はい。最初は本当に自分のためだけの歌やったんですけど、バンドをやってるうちに、親とか仲間、聴いてくれる人とか周りの人のありがたみを改めて感じて、作る曲も「自分と誰か」のためのものに変わってきてます。逆に反応してくれない人に対する悔しさも力になりますし。
──皆さんから見ると、ニアフレンズはどんなバンドですか?
浜口 力強い。丸いところがなくて、全部突き刺してくるというイメージですね。
山本 僕はニアフレンズの曲は朝には聴かないです。朝聴いて「よし今日もがんばるぞ」って言うよりかは、悔しいことや嫌なことがあったときに、帰ってきてから部屋の隅っこで聴いて闘志を燃やす。
池田 ああ。
末武 僕は初対面なんですけど、周りからは「ニアフレンズっていうやべえやつがいる」って情報だけは聞いてます。
一同 あはは!(笑)
池田 やべえか、やばくないかは、これからだね。
TRUST RECORDSの新鋭として
──これから個性豊かな4組がTRUST RECORDSの新鋭として活躍していくわけですが、TRUST RECORDSにはどんな印象を持っていましたか?
池田 TRUST RECORDSだから仲よくしてるとかじゃなくて、気が付いたら対バン相手がTRUST RECORDSのバンドばっかりだったり、仲いいバンドがTRUST RECORDSに所属が決まったりということがよくあります。
末武 TRUST RECORDSは東海地方のメロディックパンクレーベルの最高峰だなと思ってます。僕自身もそういうバンドを聴いてきたし、ライブも行ってて憧れはありました。今いるバンドの中だったらENTHがすごく好きなので、ENTHに並びたい、あそこまで行きたいという気持ちがあります。
山本 僕は高校生のときにLUCCIやEVERLONGといったTRUST RECORDSのバンドのライブに行ったり、CDを聴いていたので、青春時代の憧れですね。
浜口 僕もTRUST RECORDSを気にかけるきっかけになったバンドはLUCCIで。だから対バンできたときめちゃめちゃうれしかったです。
池田 うん、僕もTRUST RECORDSに所属が決まったときはうれしかった。
浜口 TRUST RECORDSには“光”とか“陽”とか明るいイメージがあったんですけど、“陰”な僕らが入ることによって今までと変わるんじゃないかなと思います。楽しみですね。
──TRUST RECORDSの中で、どんな存在になっていきたいですか?
浜口 今所属している先輩が安心してあとを任せられる、心強い存在になりたいですね。「こいつらがおれば大丈夫」みたいな。
池田 俺らは大阪のバンドなので、大阪でちゃんと「名古屋のTRUST RECORDSに入ってるニアフレンズだ」と認識されたいですね。「ニアフレンズがいるから僕らもTRUST RECORDSに入りたい」って思ってもらえて仲間が増えたらうれしい。
浜口 そうだね。
山本 僕、人見知りであんまりしゃべるのが得意なほうじゃないんですけど、TRUST RECORDSの先輩は初対面でもすごく優しくて。一緒にいて楽しいなと思うので、今後も長い間一緒にやれたらなと思います。
末武 さっき「TRUST RECORDSは東海地方のメロディックパンクレーベルの最高峰」って言ったんですけど、今のTRUST RECORDSっていろんなジャンルのバンドがいるじゃないですか。だからお客さんの固定概念みたいなものを壊せたらいいなと思っていて。例えば僕は歌モノとかギターロックってこれまで全然聴かなかったんです。食わず嫌いと言うか。でもmoon dropとかMakiのライブを観たらめちゃくちゃカッコよくて聴くようになったんです。そうやって実際に観てわかること、聴いてわかることってあると思うんで、いい意味でお客さんの固定概念を壊していきたいです。
──確かにTRUST RECORDSは初期にはBACK LIFTやTHREE LIGHTS DOWN KINGSなどが所属していてメロディックパンクのレーベルという印象が強かったですが、最近はギターロックのバンドも増えてきて。ギターロックのバンドが中心のライブに、KUZIRAが唯一のメロディックパンクのバンドとして出演することも多くなりそうですよね。
末武 はい。その中でメロディックパンクを食わず嫌いしてる人にも聴いてもらえたらうれしいです。
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制服を着てレーベルツアーへ