自信作は「フラッシュバックClimax」

──けど、それって何か新しいものを開拓しようとしてるっていうことだと思います。ネクストレベルに向かってるってことだと思う。

今はライブも楽しいんですけど、作品制作のほうに重心がかかってるというか。だから、「これ、俺的に相当ヤバいんだけど」と思ってた曲が全然評価されなかったらめっちゃ凹みます（笑）。

──本作で「俺的にヤバい」っていう曲は？

ストーリーを作ることに悩んだっていうのではなく、ストーリーを歌詞になかなか詰め込めなかった、でもなんとか収まったぞ、やったぞって思ったのは「フラッシュバックClimax」っていう曲。でもこれ、誰も何も言ってくれなかったですね（笑）。

──あはは（笑）。どんな思いから書いた曲なんですか？

これは、マンネリ化してきたカップルってもうクライマックスを通り過ぎたっていうことなのかなっていう話なんですけど。じゃあ、この先、2人の間にクライマックスはないの？それって悲しすぎるでしょ？っていうところから始まって。でも、この先にはもっともっと盛り上がれるストーリーが待ってるんだっていうメッセージを表現したかったんです。きっとそういうカップルっていっぱいいると思うから。

──確かに。

レコーディングしてるとき、ディレクターだけが作詞もする人なんで「この着眼点すごくない？」って言ってくれたんですよ。「やっぱわかります？」みたいな感じだったんですけど、ほかの人は誰も何も言ってくれなくて。「もうこれ、最後のほうでしょ、曲順も」みたいな（笑）。

──これは明るくてバウンシーなダンスサウンドだから、歌詞に意識が向きづらいのかも。

確かにそうなんですよ。軽いっちゃ軽い曲だから。

──でも、実は違うんだぞ、これは俺の自信作なんだぞと。

そう！ 過去にクライマックスがあるって悲しすぎない？っていう。そういうこと誰か言ったことある？って、俺はずーっと思ってるんですけど。

ライブはファンサービス

──本作を引っさげて約2年半ぶりの全国ツアーが4月から始まりますね。今回はどんなステージを見せたいと思っていますか？

俺の中でライブはファンサービスだと思ってるんです。ワンマンだと基本ファンの人たちが集まってくれるし、そのぶんその人たちが喜んでる姿を見るとめっちゃうれしいんですよね。それを楽しみにライブをやってる感じはありますから。ただ、いろいろ想像しただけでゾッとしますけどね（笑）。

──ファンの喜ぶ顔が楽しみだって言ったばかりじゃないですか（笑）。

そうなんですけど、肉体的な話で言うと超過酷じゃないですか、ライブは。

──じゃあ、ライブに向けてトレーニングとかは？

毎回ワンマンツアーの前には絶対やってるんですけど、今回もひさしぶりに始めました。この前、数カ月ぶりに走ったんですけど、10分くらいで心臓が痛くなってきて（笑）。危機感を覚えましたね、このままじゃヤベエぞって（笑）。