音楽ナタリー PowerPush - コレサワ

ポップは絶対!ポジティブに歌うあたしの日常

この子に任せた!

──あとコレサワさんのビジュアル面についても聞きたいなと思っていて。アーティストビジュアルのクマのキャラクター、かわいいですね。

はい。かわいいです。

──(笑)。これはどういう意図というか、どうして自分の顔を出さずにキャラクターを見せていこうと思ったんですか?

コレサワのライブで上映された「君のバンド」のミュージックビデオ。

まずこのキャラ……「れ子ちゃん」って言うんですけど、れ子ちゃんを描いてくれているのがウチボリシンペっていう男の人でして。2年くらい前かな、ライブハウスでシンペさんが「僕こういう絵を描いてます」って声をかけてくれて、そこで意気投合したんです。その後2人で会ったときに「キャラクター作りたいですね」という話になって、私くまモンとコントロールベアが好きだから「クマがいいです」 ってリクエストしたら、私とクマをミックスしたキャラをパパッと描いてくれたんです。それがれ子ちゃん。で、私、写真が苦手なんですよ。あと自分に自信がないので、外に出るビジュアルは「この子に任せた!」っていう感じです。

──とはいえライブでは顔を隠しているわけじゃないし、厳密に“顔出しNG”なわけではないじゃないですか。

そうなんですよ。ゆるいんですよ(笑)。

──だから、どうして全国流通盤をリリースするタイミングで、外向きには“顔を隠す”っていう選択をしたのかなって思ったんです。

そうですね……。私のことを知らない人が声だけを聴いて、その声の主のビジュアルが私かれ子ちゃんだったら、「れ子ちゃんでいてほしいな」って思ったんですよね。そしたらそれを友達にも言われたんですよ。「コレちゃんの声だったら、キャラクターの見た目のほうがしっくりこない?」って。私、その……パッとしないんで、顔が(笑)。だからアイキャッチになるポイントが欲しくって。れ子ちゃんの見た目だったら、みんな覚えてくれますよね?

──パッと見で覚えられます。

顔出してる女の子の歌手はたくさんいるから、同じことをしたらたぶん一緒になっちゃうし。あとはこうやって見せ方を考えたりするのが好きなんですよ。自分の顔写真よりは、れ子ちゃんにこういうポーズとらせて、こういう絵にしよう、とか考えて表現したいなって。

──今後もれ子ちゃん推しでいくんですか?

ずっと推し続けたいんですけど、れ子ちゃんの出し方についてはいろいろと考えていきたいですね。やりたいことはいっぱいあります。毎回同じことはしたくないし。

AXでやりたかった

──ではその今後についても伺いますね。これからますますいろんな活動をされてくと思うんですけど、当面の目標というか、こうなっていきたいなっていうビジョンはありますか?

コレサワのライブの様子。

今はまだ200人くらいの小さいキャパでしかワンマンをしたことがないので、大きい会場でワンマンライブをしたいです。やっぱり小さいところだとできることも限られちゃったりするんですよね。本当は映像をめっちゃ使ったりとか、いろいろとやりたいことがあるから……。自分のやりたい表現がしっかりできるように、たくさんいい曲を書いてお客さんの心をつかめるようなアーティストになりたいです。

──具体的に「ここでやりたい」っていうライブ会場ってありますか?

本当はAXでやりたかったんですよ。高校生のとき、自分がうまくできなかった場所だから。でももうなくなっちゃって。

──そうですね。

AXにはちょっと間に合わなかったんですよね。でもやっぱりその……親に一番お世話になってるから、お母さんがいろんな人に自慢できるような場所っていうと、やっぱ日本武道館が一番わかりやすいかなって思うんです。だから武道館では絶対やりたいと思います。お母さんを連れて。

ポップは絶対

──すてきですね。では曲作りに関しては、今後の展望ってありますか?

そうですね。女の子が思うこととか、人が思うこと……なんというか、心に浮かんでは流れていくような小さな心の動きをちゃんとつまんで歌にして、「そうだ、それだよ」って共感してもらえるような曲をたくさん作りたいなって思ってますね。人が思ってる些細な感情を、いかにこう、なんだろう……。

──ポップに?

うん、絶対ポップにはしたい。

──ポップであるってことはコレサワさんの持ち味?

そうですね、もうポップは絶対。どんなに暗い曲の中にもポップなメロディは入れたいし。私はポジティブしか取り柄がないので、そのポジティブさをポップに表現していきたいなって思います(笑)。

──ありがとうございます。で、最後に1つ。「君のバンド」を聴いていて感じたんですけど、歌詞に出てくる「私の好きなバンド」を今のコレサワさんに投影すると、最後の「いつか君の好きなバンドになるから」っていうフレーズが、コレサワさん自身のメッセージとして受け取れるなって思ったんです。

私の音楽がまだ売れてないっていうか、いろんな人に知られてないのは、知るきっかけがないからだと思うんですね。私がみんなのところに音楽を届けに行けてないから知らないだけで、もしそれができたら聴いてくれた人はコレサワのことを気にかけて、好きになってくれるんじゃないかなっていう、ちょっとした自信はあるんです。だから、「もし私の曲がいろんな場所で流れるようになったらきっと君も好きになってくれるから、がんばるぞ!」っていう思いも、この曲には込めてます。

コレサワ
ミニアルバム「君のバンド」 / 2015年4月29日発売 / RECO RECORDS
[CD] 1080円 / RECO-002
収録曲
  1. 君のバンド
  2. 笑えよ乙女
  3. わんちゃん
  4. 洗濯物
  5. 君のバンド(カラオケ)
コレサワ「君のバンド」レコ発
~君の好きなバンドになりたいツアー~
2015年6月10日(水)愛知県 名古屋栄TIGHT ROPE
<出演者>
コレサワ / and more
2015年6月11日(木)大阪府 knave
<出演者>
コレサワ / みるきーうぇい / and more
2015年6月21日(日)東京都 渋谷Star Lounge
<出演者>
コレサワ / U sus U / and more
コレサワ

コレサワ

大阪出身の女性シンガーソングライター。日常の風景を独自の視点で切り取ったポップなナンバーを得意としている。2012年に「SUMMER SONIC」の「出れんの!? サマソニ!?」ステージに出演。2013年5月に初のワンマンライブ「お誕生日会」を東京・gee-geにて開催する。2014年、ミニアルバム「憂鬱も愛して」をライブ会場限定でリリース。同年11月にはワンマン公演「コレシアター」を東京・Star loungeで実施した。2015年4月に、初の全国流通盤であるミニアルバム「君のバンド」を発表。


2015年4月17日更新