こはならむ「Iam」特集|こはならむ×マクドナルドさん対談 (3/3)

こはならむ ソロインタビュー

こはならむの“自己紹介アルバム”

──ここからは、らむさんに2ndアルバム「Iam」についてお伺いできればと思います。

「Iam」という名前の通り「これを聴けば今のこはならむがわかる」というアルバムになったと思うので、ぜひ手に取っていただきたいです! 曲順は“自己紹介アルバム”として成立するようなものを意識していて、ライブでこのまま歌っても違和感のないような流れになっているので、自分でもすごくしっくりきています。

こはならむ

──アルバムには、2024年リリースの配信シングル曲など全10曲が収録されています。この1年の活動を凝縮したような内容になっていますが、シンガーとしてのレベルアップを実感した曲はありますか?

「Iam」ですね。この曲はキーが本当に高くて、抑揚もすごくあるんですよ。最高音のhihiF#は「出ない!」と思って、裏声で練習していました。レコーディングでも初めは裏声で歌っていたんですけど、作詞作曲を担当してくれたGuianoくんが「いけるんじゃない?」と言ってくれて。やってみたら本当にいけたんですよ。「私ってこんなに高い音が出せるんだ」と初めて気付きました。レコーディングが終わってからも、今後ライブで歌うときのことを考えて練習を続けていたんですけど、そしたらがんばらなくても普通に出せるようになって。あのときはレベルアップできた瞬間だったと思います。

「Have a Good Game!!」で見せた新境地

──では、いくつかの曲について聞かせてください。1曲目は「Overture」というインスト曲です。

ライブのSEとして使っている曲です。最初は異空間にいるような雰囲気だけど、そこから徐々に盛り上がっていって、クラップも入ってきて、最後は「ジャーン!」で終わって次の曲が始まるイメージ。次にどの曲が来ても最高だし、本当にライブにぴったりなSEを作っていただきました。

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──おっしゃる通り2曲目「Have a Good Game!!」への流れは最高ですね。

去年の11月にリリースした最新のシングルの曲で、私は「HGG」と略して呼んでます。私はゲームが好きなので、SAKURAmotiさんに曲を作っていただく際、「ゲームに関連した曲を書いてほしい」とお願いしたんですよ。SAKURAmotiさんもゲームをされる方なので、ゲーム用語を歌詞にたくさん入れてくださいました。例えば曲のタイトルにもなっている「Good Game」という言葉は、ゲーム中によく使う言葉で。「いいゲームだったね!」「おつかれさま!」という意味で「GG」ってよく言うんです。ゲームが好きな人なら「あっ、ここって!」と気付くポイントが多い曲なんじゃないかと思います。

──3曲目の「恋してる自分すら愛せるんだ」はバラードで、「泣きながら歌ってみた」「感情を沢山込めて歌ってみた」シリーズで人気に火がついたらむさんの真骨頂といった印象です。対して「Have a Good Game!!」はらむさんにとって新境地だったのでは?

そうですね。今までは「恋してる自分すら愛せるんだ」のように感情を込めた歌い方をすることが多くて、「Have a Good Game!!」のように切り替えの多い曲はあまり歌ってきませんでした。だけどレコーディングは意外と苦戦しなかったんですよね。かわいい曲やカッコいい曲、今までいろいろな曲をカバーしてきた経験が生きたのかもしれません。

“みんなに”ではなく“あなたに”届けたい

──7曲目の「Attitude」は、2023年リリースの同名の1stアルバム「Attitude」にも収録されていましたよね。どういう経緯で、今回のアルバムにも収録することになったのでしょうか?

収録曲のうち1曲だけファンの皆さんに投票で決めてもらったんですけど、それが「Attitude」なんです。「Attitude」はファンの方から配信ライブなどで「らむちゃんにとっては、どの曲が一番お気に入り?」と質問されたときに、私がいつも答えている曲で。私の気持ちを汲んで投票してくれたのか、シンプルに好きだから投票してくれたのかはわからないけど、「Attitude」はまさに自己紹介のアルバムにふさわしい曲だなと思っています。すこっぷさんに曲を作っていただいた当時、私の今までの人生について1、2時間くらい語らせてもらったんですよ。そうやってできた曲なので、私の思いがそのまま曲に入っている感じがしますね。

──アルバムのラストナンバー「Iam」についてはいかがでしょう?

この曲を作ってもらったときも、Guianoくんが電話でいろいろと質問してくれたんです。「こういうときはどういう考えになるの?」というふうに私の気持ちを聞いてくれたので、私が今の活動において大事にしていることや、ファンの方に対して思っていることをたくさん語って。その内容が歌詞にけっこう入ってますね。例えばDメロの「私はいつもぜったい 君に歌う」とか。この曲はまだライブで歌ったことがないんですけど、今のところ「クラップをする場所になりそうだな」とイメージしていて。みんながクラップをしている中、最後に音が止んでキメ台詞のような感じで「君に歌う」と言う。この流れがすごく好きなんです。

──こはなさんは以前から、ご自身の歌を“みんな”ではなく“あなた”に届けることを大事にされていますよね。

そうですね。“1人ひとりに歌う”という感覚は持ち続けていますし、こういうインタビューやライブ配信でお話するときも“みんなに”ではなく“あなたに”“君に”と言うようにしています。「Attitude」に「座席の片隅の涙に気がついて 手を差し出せる人になりたい」という歌詞がありますけど、そういう気持ちをずっと大事にしてきたんですよね。「Iam」を作っていた時期はライブが続いていたから、その影響が大きいのかも。毎月ライブがあって、ライブの余韻がずっと続いていたんですけど、そういうときって「あなたに届けたい」という思いがもっともっと強くなるんですよね。自分の部屋にいると、いただいたプレゼントや手紙が自然と目に入って、「これはあの方からもらったものだったな」と思い出すので。“君に歌う”という意識は全曲ありますけど、特に「Attitude」や「Iam」に関しては、歌っているというより“私の思いをあなたに話している”という感覚ですね。

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こはならむの今後の夢は?

──今作には「夢」という言葉が歌詞の中にたくさん出てきますけど、らむさんが今後叶えたい夢はありますか?

小さいものも大きいものもいっぱいあります! 「日本武道館でワンマンライブがしたい」という大きな目標がありつつ、最近は「中国語を日常会話レベルでしゃべれるようになりたい」とがんばっていたり。あと、バンドメンバーと一緒に、ギターを弾きながら歌えるようになりたいですね。

──昨年、別の媒体でインタビューさせていただいたときにギターを練習しているとおっしゃってましたね。

そうなんですよ。あれから練習して、弾き語りはできるようになったんですけど、まだバンドメンバーと合わせたことはなくて。いつかライブでも披露できる日が来るといいなって。

──中国語を練習しているという話でしたが、昨年11月には初の中国公演があり、今年は中国3都市を巡るツアーもありました。

中国語を勉強しているのは、そのためでもあります。去年北京でライブをしたときに、日本語がわかる方が多いんだなと思ったんですよ。MCでは私がしゃべったあとに翻訳してもらっていたんですけど、通訳の方が話す前に反応をくれて。例えば「○○歌います」と言ったらすぐに「わー!」と盛り上がってくれました。そのとき、中国の方は日本のことを近しく感じてくれているんじゃないかと思って、うれしかったんですよね。

──いいですね。ちなみに中国ツアーのほうはいかがでした?

たくさんの方が来てくださって、楽しく終わり大成功でした! 3都市ともファンの方々の雰囲気が違って、それぞれによさがありました。日本語を知っている人がたくさんいたり、声をよく出してくれていたり、一緒にたくさん歌ってくれる場所があったりして、引き続き中国語の勉強をがんばりたいと思えました。中国以外だと韓国での初ワンマンも決まっているので、現地の言葉でファンの方としっかりとコミュニケーションが取れるようになりたいなと思います。

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公演情報

KohanaLam 「Iam」LIVE IN SEOUL

2025年4月20日(日)韓国 musinsa garage


こはならむ「Iam」オンライントーク会

2025年3月29日(土)
第1部 11:00~11:30(約30秒間のオンライントーク会)
第2部 11:40~12:10(約60秒間のオンライントーク会)
第3部 12:20~13:20(約90秒間のオンライントーク会)
第4部 14:00~15:00(約90秒間のオンライントーク会)
第5部 15:10~16:10(約90秒間のオンライントーク会)

プロフィール

こはならむ

2019年9⽉にYouTubeを中心に活動をスタートさせたアーティスト。“泣きながら”“感情を沢山込めて”歌うカバー動画で注目を集め、YouTubeチャンネルの登録者は現在66.7万人を突破している。2021年11月にエイベックスからデビュー。2025年3月にテレビアニメ「僕の心のヤバイやつ」第2期のエンディングテーマ「恋してる自分すら愛せるんだ」や、テレビドラマ「DIY!! -どぅー・いっと・ゆあせるふ-」のエンディングテーマ「Attitude」などを収録した2ndアルバム「Iam」を発表。4月には初の韓国単独公演の開催を控えている。