音楽ナタリー PowerPush - KNOCK OUT MONKEY
“新たな土台”でさらなる高みへ
スタジオに入って「せーの!」で曲が生まれた
──では、アルバムの話に戻って。アルバムのタイトルに使われている“Foundation”は、土台や出発点という意味がありますね。
w-shun はい。今回はまず、“シンプルにやりたい”という意識があったんですよね。特に「ベーシックに立ち返って曲を作ろう」という会話をしたわけではないんですけど、前回のアルバムで新たに吸収したものを生かしつつ、昔の作り方に戻してみたいっていう。実際、スタジオに入って「せーの!」で何も考えずに音を出していくことで、曲がポンポン生まれてきたんですよ。ひととおり曲が出揃って聴いてみたときも、初期の頃に近い感覚があったし。このタイトルも、メジャーでの1年を経てできあがった“新しい土台”っていうイメージから出てきたんですよ。
──1周して原点に戻ってきたということ?
w-shun 1周して、ちゃんと進化した状態で戻ってきたということだと思います。そういう手応えがあったのは、自分たちにとってもすごくよかったと思うし。
dEnkA 制作中、煮詰まることも特になかったしな。
w-shun そうやな。メンバーがどんどんアイデアを出してきたことも印象的でしたね。以前よりも「こうしたほうがいい」という会話が増えて、それをしっかり積み重ねられたというか。
──生々しくライブ感のあるサウンドメイクも、このアルバムの特徴だと思います。実際、音数も減ってるんじゃないですか?
dEnkA ダビングするとしたら、それは主に僕のギターになるんですけど、確かに音数は減ってますね。そのぶん、1つひとつのフレーズがしっかり浮き出てると思うんですよ。さっきの曲作りの話と同じで、芯になっているフレーズが強くなってるぶん、そんなに音を重ねなくても成立するというか。前回はわりと多めに重ねたし、もっと複雑なアレンジだったので、真逆の手法ですね。
「1分半で曲ができた!」
──なるほど。アルバムの新曲の中で、特に印象に残ってる曲というと?
ナオミチ 僕は「Our World」ですね。めっちゃ短い曲なんですけど、その場のノリで一気に作ったんですよ。スタジオに入っていて、あと5分しかないときに「このコード進行を速い2ビートでやってみよう」ってw-shunが言い出して。
w-shun ははははは(笑)。
ナオミチ 適当なメロディを歌いながら「せーの!」でやったのが原型になってるんです。
w-shun しかも、そこから全然イジってないですからね。
ナオミチ イジろうとしたら、曲の勢いがちょっとなくなったんですよ。で、「やっぱり、あのときの衝動のまま形にしたほうがいい」ってことになって。さっきも“考えずに作った曲が多い”みたいな話してましたけど、この曲はまさにそれですね。じっくり考えて制作したからといって、いい曲になるとは限らないっていう証明みたいなもんです。
w-shun スタジオでやってたときは、曲のよし悪しとかよりも「1分半で曲ができた!」っていう喜びのほうが強かったな(笑)。
──歌詞にもある通り、まさに「ほとばしる感性」から生まれた曲なんですね。
亜太 僕は「Eyes」が印象に残ってますね。KNOCK OUT MONKEYの曲はw-shunのアイデアや、dEnkAのリフから作ることが多いんですけど、「Eyes」は僕からの発信なんですよ。それがしっかり形になって、アルバムのトリを務めさせていただいて。
──メロディアスなベースラインが軸になっている曲ですよね、これは。
亜太 そうですね。バンドを始めた頃は、シンプルなベースが好きだったんです。GLAYのJIROさんに憧れてて、ああいうベースを弾きたいと思ってたので。逆にL'Arc-en-Cielのtetsuyaさんのベースラインは「どんだけ動くねん!」と思っていて(笑)。
dEnkA なるほど(笑)。
亜太 でも、「Eyes」のベースはかなり動いてるんですよね。特にサビのパートは、今までで一番動いてると思います。自分にとっては挑戦だったし、また新しいことができたという手応えもあって。
w-shun そうやな。僕は「Take you」ですね。最近はゴリゴリとしたラップをやってなかったし、ベーシックに立ち返るという意味でも、そういうタイプの曲をやりたくて。歌詞には今自分が思ってることをツラツラと書いていったんですけど、「KOM foundation 振り返るビジョン」「Back to the basic」という言葉が出てきたんですよね。そのときに「今やりたいことはコレだな」と気付いたというか、とにかく本能的に、鳴らしたい音を鳴らすっていう意識がさらに強くなったと思います。
次のページ » 「街」は恥ずかしいくらいリアリティがある歌
収録曲
- Revolution
- RIOT
- If you fly
- Take you
- How long?
- Priority
- Greed
- MOON
- 街
- Our World
- ?
- Wonderful Life
- Eyes
KNOCK OUT MONKEY TOUR 2015 “Mr. Foundation”
- 2015年1月28日(水)東京都 CLUB PHASE
- 2015年1月31日(土)北海道 BESSIE HALL
- 2015年2月5日(木)兵庫県 MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎
- 2015年2月7日(土)香川県 DIME
- 2015年2月8日(日)広島県 ナミキジャンクション
- 2015年2月14日(土)福岡県 DRUM Be-1
- 2015年2月15日(日)長崎県 DRUM Be-7
- 2015年2月21日(土)岩手県 Club Change WAVE
- 2015年2月22日(日)宮城県 darwin
- 2015年2月28日(土)新潟県 CLUB RIVERST
- 2015年3月1日(日)石川県 vanvan V4
- 2015年3月7日(土)岡山県 IMAGE
- 2015年3月8日(日)愛媛県 松山SALONKITTY
- 2015年3月15日(日)静岡県 HAMAMATSU FORCE
- 2015年5月2日(土)愛知県 DIAMOND HALL(※追加公演)
- 2015年5月16日(土)大阪府 なんばHatch(※追加公演)
- 2015年5月17日(日)東京都 新木場STUDIO COAST(※追加公演)
BEA × Zepp Fukuoka presents FX 2015(出演日未定)
- 2015年3月21日(土)福岡県 Zepp Fukuoka
- 2015年3月22日(日)福岡県 Zepp Fukuoka
PUNKSPRING 2015(出演日のみ掲載)
- 2015年3月28日(土)兵庫県 神戸ワールド記念ホール
- 2015年3月29日(日)千葉県 幕張メッセ 9~11ホール
KNOCK OUT MONKEY(ノックアウトモンキー)
神戸で結成。w-shun(Vo, G)、dEnkA(G)、亜太(B)、ナオミチ(Dr)からなる4人組バンド。ラウドロック、レゲエ、ヒップホップ、メタル、エモといったさまざまなジャンルの要素を取り入れたキャッチーなサウンドと、感情むき出しに咆哮するボーカルが魅力。2012年にアンドリューW.K.の来日公演でサポートアクトを務めたほか、「SUMMER SONIC」をはじめ数々の大型フェスに出演し、その名を広く知らしめた。2013年10月に1stシングル「Paint it Out!!!!」でビーイングよりメジャーデビュー。2014年2月に1stフルアルバム「INPUT ∝ OUTPUT」を発表し、同年7月に大阪・なんばHatchでのワンマンライブを成功に収めた。同月以降「Wonderful Life」「Greed」「How long?」と3枚のシングルを発表するなど精力的なリリースを重ね、2015年1月に2ndフルアルバム「Mr. Foundation」を発表。同年1~5月に全17公演のワンマンツアー「KNOCK OUT MONKEY TOUR 2015 “Mr. Foundation”」を開催し、ツアーファイナルを東京・新木場STUDIO COASTで迎える。