空想と妄想とキミの恋した世界が、2021年1月17日に東京・TSUTAYA O-WESTでワンマンライブを開催する。
空想と妄想とキミの恋した世界は、2018年12月にステージデビューしたアイドルグループ。“絶対的オシャレエモカワ“をコンセプトに掲げる彼女たちは、ミリタリーロリータ風の衣装を身にまとい、荘厳でゴシック色あふれるエモ系バンドサウンドの楽曲を歌っている。音楽ナタリーではメンバーにインタビューを行い、グループの特徴やワンマンライブを含む今後の活動への思いについて話を聞いた。
取材・文 / 三浦良純 撮影 / 宇佐美亮
「絶対的オシャレエモカワ」とは
──6人組と聞いていたんですが、今日は5人なんですね。
今井なぎさ はい。実は堀井美佑ちゃんが気管支喘息で今日(10月23日)卒業することが決まって。
──それはショックですね……。急にメンバーが1人抜けることでモチベーションに変化はないですか?
仲谷瑠夏 辞めるって聞いたのは「MARQUEE祭 Vol.72」の日だから10月15日で最近ですけど、前からホッピー(堀井)の病気の話は聞いてはいたんです。
今井 前々から聞いていたので、ある意味ちょっと気持ちが楽になったところもあるというか……1月のワンマンライブに向けてグループとして1つになって進みやすくなった面はあります。
中山みる 寂しいですけど、グループとして同じ方向を向けるようになったかなって。これから新メンバーも入るのかもしれないけど、この5人は空想と妄想とキミの恋した世界(以下「空想」)でがんばっていこうって気持ちです。
──今回はナタリー初登場となるので、いろいろお聞きしたいんですが、まず「絶対的オシャレエモカワ」というキャッチフレーズが気になりました。これは具体的にどういう意味なんですか?
仲谷 これはムズい(笑)。実はそのコンセプトを明確に表現できてなかったよねってメンバー同士で話してるんです。若い女の子にもファンになってほしいから、最新のファッションを取り入れたおしゃれなグループになりたいけど、なかなか難しいよねーみたいな。
中山 でも衣装はおしゃれかな。ミリタリーロリータを基調としたオリジナル衣装と、アパレルブランドのToAliceに提供してもらった衣装の計6パターンがあって。オリジナル衣装については、私が服飾の学校を出ているので、デザインしたり、生地を選んだり、ベースの部分を考えています。
──活動2年ほどのグループで衣装6パターンは多いほうだと思いますし、メンバーが衣装製作に関わっているというのは1つの特色ですね。ライブでは毎回違う衣装なんですか?
仲谷 グループLINEで「どれにする?」って話して、みんなの気分で決めてます。
有沢ありさ 今回は各媒体に登場するうえでこの白い衣装で統一しています。
──グッズもデザインにこだわって作っていたりしますか?
中山 ファンの人はグループ名がしっかり入ったグッズを着たいと思うから、そこは普通ですね。
松樹マユウ でも、グッズにもおしゃれ要素を入れていって、普段使いできそうなものを作ったら武器になるかもね。
デビューから2年でようやく手にする初音源
──楽曲は全体的に激しめで、どれもライブで盛り上がりそうな感じですね。これがキャッチコピーの「エモ」の部分ですかね。
仲谷 はい。ロリータ風の衣装に合わせて、楽曲もゴシックなエモ系のバンドサウンドで統一されています。
中山 歌詞も、聴いた友達からよく「共感した」って言ってもらえるんです。自分を重ねられるようなフレーズがあふれてるから、アイドルファンじゃない人にも聴いてほしいですね。年齢的には大人だけど、大人になり切れてないみたいな女子に。
──メンバーの皆さんはこういう楽曲が歌いたいと思って集まったんですか?
仲谷 オーディションの時点で「未成年とか。」と「オマージュとリスペクト」のデモ音源が公開されていたので、楽曲の方向性は知っていました。
中山 私が普段聴くのは王道アイドルの曲なんですけど、自分はキャピキャピできないから、こっちかなみたいな(笑)。
松樹 私も私立恵比寿中学さんがずっと好きで、空想の曲は自分の好みそのままというわけではないんですけど、自分には合ってるかなと思います。
──持ち曲は何曲くらいあるんですか?
仲谷 今発表してるのは17曲ですね。
──僕は「それでも、人を愛していいですか」がヴィジュアル系バンドを彷彿とさせる感じで、ライブで聴いたらテンション上がるなと思ったんですが、皆さんは持ち曲の中で特に聴いてほしい曲はありますか?
今井 その曲はファンの方の投票で最下位になりましたね(笑)。
仲谷 でも最近ちょっと人気出てきたよ。
中山 私たちも今初めてパッケージの現物を見たんですけど、12月3日に会場限定CDが発売されるので、そのタイトル曲の「未成年とか。」をまずは聴いてほしいですね。ありしゃん(有沢)がセンターの曲です。
──センターの有沢さんから、この曲の聴きどころを教えていただけますか?
有沢 グループのコンセプトをそのまま表したような曲で、聴きどころは……全部です。
一同 (笑)。
中山 「私の落ちサビです!」って言おうよ(笑)。
有沢 いや、聴かないでほしい……。歌い出しと落ちサビを担当することが決まって、最初はうれしかったんですけど、今は「私でいいのかな」みたいに思っていて。
仲谷 もっと自信を持ってほしいですね(笑)。
有沢 MCとかこういう取材とかでしゃべるのが苦手で……。
──それにしても、2年近く活動していて、これまで音源はまったく出していなかったんですね。
中山 YouTubeで公開しているので、それで自由に聴いてって感じでした。
仲谷 ファンの人からも言われるし、もちろん音源は出したかったんですけど、中途半端なものを出したくない気持ちもあって。こうして20ページのブックレットも付いた、ちゃんとした作品を出せてよかったです。あとファンに負担をかけて積ませる文化に抵抗したい気持ちもあって。特典とかも付けないで、会場限定で販売する形なんです。
──こだわりがあったんですね。CDをようやく手に取ってみてどうですか?
中山 ちゃんとしたものが出せてうれしいんですけど、本当は4月にこの「未成年とか。」を第1弾CDとしてリリースして、そこから第2弾、第3弾と2カ月おきにCDを出す予定だったんです。
──コロナで計画が変わってしまったんですか?
松樹 はい。今年を勝負の年に位置付けていたんですけど、決まっていた大事なライブとかもコロナでダメになって、どう立て直せばいいのかわからなかった。でも最近になって、ようやくがんばり方が見えてきたんです。
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楽曲がゴリゴリなのに