西中島きなこ+吉田靖直「西中島きなこ+吉田靖直」 PR

西中島きなこ|「暗いからこそ楽しい音楽を作る」敬愛するトリプルファイヤー吉田と描くフルアルバム

西中島きなこが吉田靖直(トリプルファイヤー)をゲストボーカルに迎え、12月6日に1stフルアルバム「西中島きなこ+吉田靖直」と配信限定アルバム「コミックパッション」を同時リリースした。5月にはミニアルバム「ナイスなヤング」、7月にはdiskunion限定アルバム「ナイスなユニオン」を発売するなど立て続けに作品を制作してきた2人。「西中島きなこ+吉田靖直」には西中島が作詞作曲した楽曲のほか、吉田が作詞作曲とギター演奏を担当した「地獄の魔術師」も収められる。一方「コミックパッション」には、歌モノを中心としたCD未収録曲がパッケージされる。

音楽ナタリーでは大阪在住の西中島に電話インタビューを実施した。深くかぶった帽子やサングラスに付けヒゲというインパクトのある装いで、メディアやライブで一切の素顔を明かさない西中島。彼はいったいどんな理由からこのビジュアルで活動をしているのか。音楽家としての歩みや吉田とのコラボ作品を続けてリリースするに至った理由を聞きながら、西中島の本音に迫った。

取材・文 / 石橋果奈 イラスト / 西中島きなこ

目立ちたくないからこのビジュアルにしている

ビンカン少年

──謎多き西中島さんですが、ご自身では「西中島きなこ」とはどんな存在だと思いますか?

西中島きなこ

ミュージシャンって言うとちょっとカッコ付けてる感じがして嫌ですけど……創作をしてアウトプットする人間なので、一応ミュージシャンという枠だと思います。音楽を作っているだけだし、それ以上でもそれ以下でもないのですが、見た目がちょっとほかの人と違うので「狙ってるんじゃないか」「目立とうとしてるんじゃないか」と思われてるんだろうなと。でも実際は目立ちたくなくてこのビジュアルにしていて……。

──そうなんですね。

まあ、自分は普通だし暗い人間なんで。ほんまに有名になりたいとか芸能人になりたいみたいな気持ちはないし、いつでも「自分なんて」と思っています。例えば、いつかCDが売れて「あ! 西中島さんじゃないですか」って声をかけられることを想像すると怖いんですよ。だから顔を出すのはちょっとやめとこうかなって、この見た目にしました。

──その怖さはどういった気持ちから来るものなのですか?

僕、地味で平凡な日常を生きることをすごく大事にしたいんです。それがないとたぶん音楽が作れないんですよ。日常があって初めて西中島きなこが存在するし、西中島きなこはあくまでも音楽を作るだけの人間なので。

──なるほど。西中島さんは2014年、ソロプロジェクト・音に敏感として活動を開始しました。この頃から素顔を見せないスタイルでしたよね。

ビンカン少年

はい、ビジュアルはあまり変わりないですね。いい名前だと思ってこのプロジェクト名にしたんですけど、あるとき検索をかけたら精神疾患の症状ばかりが出てきてしまって。音に敏感はそもそも“西中島きなこの1人ユニット”という感じでやっていたので、それから西中島きなこ名義でいこうと決意しました。

──では音に敏感と西中島きなこは、ご自身の中で別物ではないんですね。

そうですね。やることとしてはそんなに変わってないです。

スーファミよりもタッチトーンでの作曲にハマった少年時代

──西中島さんの音楽の原体験はどんなものですか?

父がプリンスとかハードロックバンドとかが好きで、いろんなレコードがたくさん並んでる家で育ったんです。幼少期の僕にはそういったロックは響かなかったんですけど、ドライブに連れて行ってもらったときに車内でユーミン(松任谷由実)の「守ってあげたい」が流れていて「すごくいいな」と思ったことを覚えています。あとは学生運動など、昔起こった出来事を映像で振り返るようなテレビ番組で当時のヒット曲がかかっていて。そういうテレビから聞こえてきた好きな音楽を自分で調べたときに、筒美京平さんの曲が多いことに気付いて掘り下げていました。歌謡曲のメロディはすごく好きだし、影響を受けていると思います。

──テレビから受けた影響も大きかったんですね。

西中島きなこ

テレビが大好きでしたね。友達と外で遊ぶよりも、家でテレビを観てるような少年時代で。よくファミコンで遊んでいたのですが、その後スーパーファミコンが出てきたときに、僕はスーファミではなく家にあったタッチトーンって言う小さなキーボードに目覚めてしまったんです。たぶん家族の誰かが安いから買ってきて、そのまま家の中に転がってたんだと思います。

──それが楽器を演奏するようになったきっかけですか?

そうですね。あんまり学校になじめなくてどうしようかなと思ってるときにハマって、曲のようなものを作っていて。今考えると、タッチトーンで遊び始めたのが音楽を作るという喜びの始まりだったと思います。家にたまたまあったカセットレコーダーにタッチトーンから流れる安っぽい音のメロディとリズムを入れて貯めていくっていう作業をひたすらしてました。

鼻ボーイ

──その中学生時代には、どんな音楽を聴いていたんですか?

その頃はビーイング系が流行ってたんですけど、僕はあまり好きになれなくて。そのあとスピッツのアルバムを初めて聴くんですけど、「あっ、アルバムで捨て曲がない人がいるんだ」って衝撃を受けました。その後深夜番組で「DAYDREAM」を演奏していたJUDY AND MARYに出会って、当時今よりだいぶ破天荒だったYUKIさんのキャラクターや楽曲のメロディに惹かれまして。すぐに商店街にあったレコード屋さんでシングルを取り寄せてもらいました。

西中島きなこ+吉田靖直
「西中島きなこ+吉田靖直」
2017年12月6日発売 / BINKAN
西中島きなこ+吉田靖直「西中島きなこ+吉田靖直」

[CD]
2160円 / OTOBIN-012

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TOWER RECORDS

diskunion

収録曲
  1. ぶっ飛び隊
  2. ジューシー
  3. お前を予約
  4. Bボーイ
  5. グイグイ来る人
  6. うまくはいかない
  7. ナイトプール
  8. 地元の不良
  9. EDMはポップコーン
  10. 若者
  11. 地獄の魔術師
西中島きなこ+吉田靖直「コミックパッション」
2017年12月6日配信リリース / BINKAN
西中島きなこ+吉田靖直「コミックパッション」
収録曲
  1. 女子大の学園祭
  2. プレミアムフライデー
  3. ウォシュレットイットビー
  4. コミックパッション
  5. 花の好奇心
  6. 相席が出来る店
  7. うまくはいかない配信MIX
  8. ぶっ飛び隊

イベント情報

西中島きなこ+吉田靖直 レコ発イベント「笑美天」
  • 2018年1月27日(土)大阪府 ロフトプラスワン ウエスト
    出演者西中島きなこ+吉田靖直 / ぱいなっぷるくらぶ / オオルタイチ / 曽我部恵一 / バレーボウイズ / 印象派 / オカザえもん
西中島きなこ(ニシナカジマキナコ)
西中島きなこ
ソロプロジェクト・音に敏感として2014年から宅録を中心とした創作活動を開始。2016年からは西中島きなこ名義で活動を行う。2017年3月、タワーレコード限定シングル「調和と恵み / MELLOW / 春風の遊覧船」をリリース。吉田靖直(トリプルファイヤー)をゲストボーカルに迎え、5月にミニアルバム「ナイスなヤング」、7月にdiskunion限定アルバム「ナイスなユニオン」を発売した。さらに12月には吉田とのタッグによる1stフルアルバム「西中島きなこ+吉田靖直」と配信限定アルバム「コミックパッション」がリリースされた。