──ということで、ここからは「この映画は二度はじまる。」という「カメ止め」のキャッチフレーズになぞらえて、テレコを止めず、引き続き謙遜ラヴァーズのお二人にお話を伺いたく思います。
鈴木・伊藤 はい、よろしくお願いします。
──ボーカリストの渡辺リコさんはどのようなオーディションで決まったんですか?
伊藤 昨年末に募集して1カ月後にレコーディングというタイト過ぎるくらいタイトなスケジュールでした(笑)。彼女は、かなり最初のほうに応募してくれたんですよ。最初にエントリーしてきた5人以内に入っていたんじゃないかな。
鈴木 その時点で光っていましたね。「カメ止め!」のスピンオフ作品なので、ボーカリストとして完成しすぎてるような人は嫌だったんです。むしろ今後の伸びしろを感じさせてくれるような人がよくて。彼女にはそれが感じられたんです。オーディション用に録った動画を何本か観させてもらったんだけど、自分に合ってないタイプの曲を歌っていて。「その曲じゃないほうが、もっといい部分が出るのにな」って、そういうふうに思わせてくれたのも逆によかったですね。ほかに歌がうまい方もいたんですけど。
伊藤 とんでもなくうまい人もいましたね。
──決め手は、声と「これから」感ですか。
鈴木 ですね。二次面接もやって直接歌声を聴いてるんです。それで決めて。
──「ポンデミックスガール」は渡辺リコさんに寄せた部分もあるんですか?
鈴木 というか、渡辺リコちゃんに決まってから作ったんです。この曲に関してはオーディションの結果が完全に決まるまで作るのを我慢しました。アレンジにも、めっちゃ時間がかかって。
伊藤 サビのメロディを最初に作って、そこからけっこうな数のやりとりが始まりましたね。最初はもっとシンプルなテクノポップみたいなアレンジだったんですよ。
鈴木 ギターの音も入っていなくて。サビに和音のギターを入れたり、彼女の歌声とのバランス感を整えながらアレンジを固めていきました。
──ボーカルに儚さみたいなところも感じられますね。
伊藤 そうですね。あと、吸収力がめちゃくちゃある。「ここをこうして」って言うと、すぐに対応してくれるし。
鈴木 上田も、ものすごく声がいいと言ってました。さっき濱津さんが言ってくれたことと上田の感想がまったく同じで、「カメ止め」のスピンオフだけど完全に別のものになってるねって。それは彼女の歌声によるところも大きいのかもしれないですね。
オーディションに合格したときの気持ちは?
合格をいただいたときは正直驚きました。でもやるからには絶対にいい作品にしたかったし、私を選んでくださってよかったと思ってもらえるように全力で挑もうと思いました。
楽曲を最初に聴いたときの感想は?
「ポンデミックスガール」
メロディがすっと頭に入ってくる感じでした。すごく耳に残るような。きっと聴いた人はすぐに口ずさんじゃう歌になるだろうなと思ってレコーディングをする日が待ち遠しかったです。曲中のどこのフレーズもステキですが、サビのあのフレーズがやっぱりぐるぐるリピートしちゃいます。
「君の魔法にかけられて」
曲の始まり方がすごく好きです。大人っぽくてカッコよくて。曲調も落ち着いた感じで聴いててリラックスできるそんな曲です。
そして歌詞が、何か言葉のメッセージ性が強いイメージを受けました(笑)。
言葉の数が多いことも理由の1つかもしれないけど、1つひとつステキな言葉がつながってできてるなって感じます。それがよりカッコいい響きになってて。オシャレな歌です。
歌入れ時の印象に残ったエピソードは?
スタジオに足を踏み入れたところから、さらに緊張が増した記憶があります。でもワクワク感、キラキラ感が同じぐらい湧き上がってました。もう絶対いい作品にしたい気持ちでいっぱいだったのでやる気に満ちてました(笑)。
歌入れで難しかったところは、声の緊張がなかなかほぐれなかったことと、これでいいのかなと不安に感じたりすることでした。最初はなかなか声が出しきれず、本当に時間内にレコーディングし終えることができるかなと思ったり。でも不安になっても、レコーディングでお世話になった方々は皆さん温かくて和やかで、そのおかげでだんだん緊張もほぐれていきました。最終的にはもうシンプルにレコーディングが楽しかったです(笑)。
できあがった自分の曲を聴いて初めに感じたのは、恥ずかしさでした(笑)。というか照れくさい感じで。でも絶対目はキラキラしてたに違いないし感動がすごすぎてたぶん脳内“スゴイ”の単語しかなかったはずです。オーディションの合格をいただいて本当によかったと噛み締めましたね。
そして普段はあまり触れてこなかった曲調だったこの2曲は、私にとって自分の新たな魅力につながると感じました。本当に感謝でいっぱいです。
今後の目標は?
私は感動が大好きで、感動してもらうことも大好きです。これからもっと多くの方に感動や笑顔を届けられるような人でいたいと思っています。自分がこの先どんな人生を進んでいくにしても、その目標だけは変わらずに持ち続けていたいです。