映画「家族のはなし」|岡田将生が“バンドマン”になるまで

岡田将生が主演を務める映画「家族のはなし」が、11月23日に公開された。

この作品は鉄拳によるパラパラマンガを原作に、リンゴ農家の一人息子として生まれた主人公・拓也が家族の大切さを感じながら成長していく姿を描く。映画の主題歌には11月28日にリリースされたサイダーガールのニューアルバム「SODA POP FANCLUB 2」の収録曲「dialogue」が使用されている。

音楽ナタリーではこの映画の公開を記念して、主人公の拓也を演じた岡田将生へのインタビューを実施した。拓也は劇中で仲間たちとバンドを結成し、実際にサイダーガールのインディーズ時代の楽曲「群青」「橙の行方」を演奏している。フェスやライブにも足繁く通うという音楽好きの岡田に、バンドマン役を演じた感想や劇中曲への印象、映画の見どころなどを語ってもらった。また岡田の感想を受けてのサイダーガールのメンバーからのコメントも掲載しているので、あわせて楽しんでもらいたい。

取材・文 / 小林千絵 撮影 / 後藤壮太郎

生まれ変わったらバンドマンになりたい

──岡田さんは映画「家族のはなし」の中で、バンドに熱中する大学生・小林拓也役を演じています。バンドマンを演じる難しさはどんなところでしたか?

僕は音楽を聴くのは大好きなんですけど、ギターを弾いたことがないので大変でした。撮影までの準備期間もそんなになかったので「バンドマンは練習が大事なんだな」と思いました。

──演技のほかにギターの練習もしなくてはいけなかったんですね。

岡田将生

でもバンドメンバー3人で演奏しているとすごく楽しくて。息が合ってくるとどんどん熱も上がってくるので。ライブシーンの撮影では、お客さんの方々も一緒に盛り上げてくれて、みんなで1つになって撮影したのはすごく気持ちよかったです。

──バンドマンの役を実際に演じてみていかがでした?

やっぱり憧れます。でも性格的に自分はバンドマンには向かないなとも思いました。なので生まれ変わったらバンドマンになりたい。

──音楽はお好きだということですが、例えばコピーバンドなどの経験は?

中学生とか高校生のときにちょっとだけやってました。

──そのときはギターではなかった?

ギターは……よく言う“Fコードの挫折”です。Fの壁がどうしても超えられなかったので当時はドラムをやってました。

先生は石崎ひゅーい

──じゃあ今回はそれ以来のギターだったんですね。撮影や役作りにあたって参考にしたバンドやギタリストがいたら教えてください。

「家族のはなし」

今回、撮影のためにギターを教えてくれる先生がいたんですけど、その練習とは別に、普段から仲良くさせてもらってる石崎ひゅーいさんに教えていただいたんです。ひゅーいさんに「時間がなくて」と説明して。だからもうひゅーいさんには頭が上がらないです。

──劇中では演奏だけでなく、苦悩しながら曲や歌詞を作るシーンも多くありました。そのシーンではどのような役作りを?

それもひゅーいさんにいろいろ伺ったんです。「曲作りをするときってどんな感じなんですか?」とか。そこで、1つの曲を作るにどれだけ思いを込めて作ってるのか、どれだけ大変なのかということを教えていただいたので、僕も役の中では曲を大切に作るようにしようと思いました。

──石崎さんの話の中で特に印象的だったことってあります?

「出てこないときは出てこない」と言ってました。特に歌詞。

──実際に拓也も歌詞を書いては消して、消しては書いていましたね。

そうですね。ミュージシャンのドキュメンタリーとかを見てるとよく「降りてくる」と言いますけど、本当にそうなんだなと思いました。映画では「一度挫折した青年が、バンドマンになりたくて一生懸命に歌詞を作ってる」というその状況や一生懸命さを感じてもらえたらうれしいです。

「家族のはなし」
2018年11月23日公開
「家族のはなし」
あらすじ

リンゴ農園を営む優しい夫婦の一人息子・拓也。スポーツで神童と呼ばれた幼少期に怪我をし、大学生活の傍らで熱中していたバンド活動もうまくいかず。うまくいきかけてはつまづくことを繰り返す自分に苛立つ拓也は、田舎でりんごを愛し育てることにすべてを注ぐ父親をいつしか疎ましく思うようになっていた。そんなある日、夢破れてひさしぶりに里帰りした拓也は、“父親が大好きだった頃の自分”と出会う。わがままで身勝手な自分を黙って支えていてくれた家族のありがたみ、そして彼らから注がれていた愛情に気付いた拓也にささやかな奇跡が起こる。

出演:岡田将生 / 成海璃子 / 金子大地 / 佐藤寛太 / 水田信二 / 渡辺憲吉 / 財前直見 / 時任三郎

監督:山本剛義

脚本:青塚美穂

音楽:遠藤浩二

アートディレクター:鉄拳

主題歌:サイダーガール「dialogue」

原作:鉄拳

岡田将生(オカダマサキ)
1989年8月15日生まれ、東京都出身。2006年デビュー。2009年には「重力ピエロ」「ホノカアボーイ」などでの演技を評価されブルーリボン賞新人賞を受賞する。そのほかの出演作に「天然コケッコー」「宇宙兄弟」「秘密 THE TOP SECRET」「銀魂」など。2019年5月には舞台「ハムレット」、8月には舞台「ブラッケン・ムーア~荒地の亡霊~」にて主演を務める。
サイダーガール「SODA POP FANCLUB 2」
2018年11月28日発売 / Universal J
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収録曲
  1. アクセル
  2. サテライト
  3. パレット
  4. 化物
  5. ぜったいぜつめい
  6. 最終電車
  7. ミスターデイドリーマー
  8. スパイス
  9. dialogue
  10. スーパーノヴァ
  11. 約束