10周年を機に立てた3つの新たな目標

──10周年を迎えるにあたって、川嶋さんは新たな目標を3つ立てたそうですね。

はい。「日本武道館で歌うこと」、「紅白歌合戦に出場すること」、そして「ずっと歌い続けていくこと」の3つです。5、6年前からずっと思っていたことなんですけど、10周年のタイミングで告白した感じですね。

──「ずっと歌い続けていくこと」という目標は、すごく簡単そうであり、同時に難しいことでもありそうですよね。

そうなんですよね。明日の自分もどうなっているかわからないですし、根がなまけものなので投げ出したら終わりになっちゃいますから。でもこれまでの経験で、歌い続けていくことで新しいことが見えてくるということはわかっているので、だったらずっと歌い続けていきたいなって思うんですよね。

──この10年間で音楽を投げ出しそうになった瞬間はありませんでした？

投げ出そうと決めたことはないですけど、その都度もがいたり悩んだりっていうのはありました。先のことは全く見えないし、いい曲を書くことができるのかなっていう不安は常に拭い去れないし。でも、そこも大きな目標を掲げていれば乗り越えられる気がするんですよね。壁にぶつかったとしても、どれだけ時間がかかったとしても、とにかくがんばってやるっていうことだけですね。

逆らっていきたいんですよ、時間の流れに

──来年の2月に控える10周年記念ライブ「I WiSH」はどんな内容になりそうですか？

まだ具体的に決まってはないんですけど、I WiSHの曲たちをメインにやってみたいなって思っています。I WiSHは2、3回しかライブをやったことがないので、貴重な夜になるんじゃないかなって。

──川嶋さんにとってのキャリアのスタートとも言えるI WiSHに対して、ある種の恩返し的な意味合いもありそうですね。

それはあると思います。I WiSHにはいい楽曲が多いので、ライブをやりたかったっていう後悔もありますし、ファンの方からいただく「ぜひ歌ってください」っていう声にも今までは応えることができなかったので。すごく楽しみですね。ファンの皆さんにもたっぷり喜んでいただけるライブにしたいと思います。

──東京でのライブは記念すべきデビュー日、そして大阪でのライブは川嶋さんの誕生日にあたるんですよね。

そうなんです。16歳でデビューした私が、もう27歳になるっていうのが不思議ですね。長いようで短い10年でした。

──歳を重ねる楽しみを感じる瞬間もありますか？

楽しみ……あんまり歳はとりたくないので、楽しみっていう感覚はないですね（笑）。逆らっていきたいんですよ、時間の流れに。

──若返っていきたいということ？

いや若返るというよりは、ずっとピュアなまま、子供の感性を持ったままでいたいんです。10代のときの爆発的なエネルギーって、20代になるとどうしても落ち着いてきちゃうんですよね。感覚が衰えていってしまうというか。だから作品を作る上では、年齢に逆らっていきたいなって思うんです。難しいことだとは思うし、どうすればその感性を保っていけるのかはわからないですけど、そこを意識して過ごすのと過ごさないとでは全然違うような気がするので。

音楽は人が楽しんで作るもの

──では、ここからの10年で挑戦してみたいことって何かありますか？

いろんな方とコラボさせてもらいたいですね。対バンライブで最後に一緒に何か歌うとか、そういう経験は今までにもあるんですけど、ミュージシャンの方と一緒に曲を作って、一緒にレコーディングするっていうことをやってみたいです。そういう経験をすることで、きっとまた新しい世界に踏み出せるんじゃないかなって。

──1人での作業に孤独を感じることもあります？

曲作りが一番楽しい作業ではあるので、1人でやることから脱出したいっていう気持ちはないですね。でも、音楽は人が楽しんで作るものだと思うので、人と人とが一緒にやることで生まれる相乗効果は絶対あると思うんですよ。なので、そういうことをやってみたいと思ってます。

──現在、新たな曲の制作も行っているそうですね。

はい。アルバム作りをやってます。ここからもがんばりたいです。

──ちなみに、フルマラソンにはまた挑戦したい？

「神戸マラソン2012」を走り終わったときに、また出てもいいかなっていう感覚になりました。終わった瞬間、反省点が見えたぐらいですからね。次は絶対10分はタイムを縮められると思うので。

──疲労骨折には注意してくださいね（笑）。

ほどほどにがんばります（笑）。