華乃インタビュー|共感を生む新世代ラブソングシンガー本格始動 (2/2)

華乃の恋バナ

──そして、ソロとして初のオリジナル楽曲が「お気の毒様ね。」です。楽曲制作をされたふるーりさんとは、曲を作るにあたってどんな話をしたんですか?

恋バナです(笑)。自分のことだけじゃなくて、周りの友達の話とか、「今の世代の子たちって、どんな恋愛してるんだろう?」みたいな話をしました。この曲は、同世代の女の子たちに聴いてほしかったので、なるべくリアルな感覚を大事にしたくて。LINEのやりとりとか、SNSの使い方とか、そういう細かいところまでかなり話しましたね。

──SNSが当たり前にある世代の恋愛と、なかった時代の恋愛では違いそうですよね。

全然違うと思います。今は簡単に連絡が取れるからすぐに会える。昔の人たちは、電話するのもひと苦労だったんですよね? 家の電話にかけなきゃいけなかったりして。

華乃

──携帯電話が普及しても、相手の連絡先を知るのが大変でしたからね。今はLINEを知らなくてもSNSでDMができたり、コミュニケーションの手段が増えていますよね。

そういう意味で、恋愛の形も変わっていそうだなと思います。今はマッチングアプリもあるじゃないですか? そう考えると、昔のほうがロマンチックだったのかな? 手軽じゃない分、出会いが本当に「運命」という感じだったんじゃないかなって。

──逆に、すぐに連絡が取れる今の時代の恋愛をどう感じていますか?

無駄な悩みが多い気がします。連絡が返ってこないとか、そういう些細なことに、いちいちリアルタイムで振り回されがちだなって。Instagramのストーリーは見ているのにLINEの返信がないとか。別に気にしなくていいことまで気にしちゃう。感情がすごく忙しい時代だなって思います。

──スマホを見ていると、どうしても目に入ってしまいますもんね。

気にしないって決めても、結局気にしちゃう。昔のことは正直わからないですけど、今はそういう複雑な気持ちを抱える場面がより多いんじゃないかな。

──友達同士で恋バナをするときの話題はどんなものが多いんでしょう?

「気になってる人がいる」みたいなところは今も昔も変わらないと思うんですけど、その先に必ずSNSが出てくる。「その人のInstagramないの?」とか。やりとりのスクショを見せて、「これ、どう返信したらいいと思う?」って相談したり。スマホありきの恋愛だなと思います。

──逆に、スマホなしで過ごした日ってあります?

あります! 私、わりとそういうことをしちゃうタイプで。急にインスタを消したくなったり、LINEのアカウントを変えたくなったり、全部遮断したくなる時期があるんです。グループを辞めたタイミングは本当に全部辞めて。友達とつながるためのアカウントも持っていなかったんです。そのあとスペインに行ったときは、ママと写真を撮って、ごはんを食べるだけ、みたいな生活で(笑)。そういう時間が少しでもあると、切り替えられるんですよね。今って情報量が多すぎて、みんなパンクしちゃうと思う。ライターさんもそうだし、仕事の関係とかもあるから、LINEもノリで消せないじゃないですか。でも、私はそのとき何もない状態だったので、1回全部まっさらにしてみようって。

華乃

モヤモヤする恋愛模様に共感

──「お気の毒様ね。」は、恋愛ソングの中でもかなり毒のある、強い切り口の楽曲ですよね。いろいろな恋愛の描き方がある中で、どうしてこの切り口を選んだんでしょう?

一番共感しやすいと思ったからです。ハッピーなときの思い出を曲にするのもすごく素敵だけど、私自身は、ちょっと悲しいときとか、むしゃくしゃしているときのほうが心にスッと音楽が入ってくるタイプで。そういう感情のときに聴いた曲って、自分の中でちゃんと消化される感じもあるので、この切り口はすごく自然でした。

──失恋ソングではあるけれど、どこか復讐心も感じるというか。

これは女の子側の強がりですね。私、負の気持ちをバネにするタイプで。恋愛に限らず、悔しいとか負けたくないとか、そういう気持ちがあるからこそ「よし、がんばろう」と思える。この曲も、そういう感情に近いです。傷付けられて、「ふざけんなよ!」ってなる感じ。

──完全に女の子が吹っ切れている曲だと思って聴いてました。

いや、吹っ切れてないです(笑)。女の子ってたぶん、吹っ切れていたら無関心になると思うんです。歌詞にある「土に還ってしまえばいいや」とか思わないし、「そんな人いたね」みたいになるか、「楽しい思い出だったな」で終わる。でも、この歌詞の状態のときは、まだちょっと好きというか、未練がある状態だと思います。あるからこそバーッと言葉が出てきて、「ふざけんな」ってなっている。

──もしかしたら復縁する可能性もある?

どうなんでしょうね。相手にもよりますよね(笑)。「今さら優しくしても遅いんだよ」と歌っているけど、戻る人は戻りますから。女の子って、友達に「もう最悪、マジでありえない!」って言いながら、彼氏と結局ヨリを戻すなんてこともあるし。これを言ってるうちはまだワンチャンある。でも、何も言わなくなったら、たぶんもう戻らないです。

──完全に無関心になると終わると。

そうです。この曲は、「今さら出会った頃みたいに優しくされても 何もかも遅いから」って言いながら、実はまだ相手に関心を持っている状態なんですよね。

──「ならない日々」とは全然タイプが違う曲ですが、歌うにあたっては、どう向き合いましたか?

この曲は、昔自分がよく歌っていたネットミュージックの楽曲に近くて、感覚的にはかなりなじみがあったんです。自分の得意分野というほどではないですけど、歌いやすさはありましたし、曲自体もめっちゃ素敵だなって思いました。

──「お気の毒様ね。」を聴いたファンの感想などで印象に残っているものはありますか?

「彼氏に浮気されてムカついていたけど、華乃ちゃんの曲を聴いてちょっと吹っ切れました」とDMで伝えてくれた子がいたんです。「えー、ホントに吹っ切れてるのかな?」なんて思いつつ(笑)、でも、少しでもきっかけになれたのはうれしかったです。共感してもらえたらいいなと思っていたし、心のちょっとした支えにでもなれたらとも願っていたので。

新世代ラブソングシンガー、夢はでっかく

──今後も恋愛をテーマに歌っていきたいですか?

はい。歌っていきたいです。恋愛ソングって、いろんな人に共感してもらいやすいと思うんです。私自身も恋愛ソングを聴くタイプで、「この曲めっちゃ共感できる」とか「聴いて泣いちゃう」とか全然あるし、カラオケで歌っていて感情がヤバくなることもあります(笑)。そういうのも含めて、人の気持ちを動かす恋愛ソングはいいなって思いますね。

華乃

──作詞に挑戦してみたい気持ちもあるそうですが、どんなことを書いてみたいですか?

まだ作詞する機会はないし、まだまだこれからなんですけど、普段からちょっとメモしていて。恥ずかしいんですけど、……遠目に見ます?(笑) (スマホの画面をすごく遠い位置から見せる)こんな感じで……。

──びっしり! ものすごくたくさん書かれていますね!

本当に思った瞬間に書くようにしているんです。大事にしたい気持ちって忘れちゃいけないし、嫌なことがあっても、初心に帰って「あ、そうだよな」って思えたりする。そういう感覚をちゃんと残しておきたくて。あと、周りの声とか雑音が聞こえなくなるくらいがんばるぞ!みたいな気持ちなんかも書いています。

──すでに新しい曲作りも進んでいるんですよね。これから、どんな曲が生まれていきそうですか?

歌うテーマは引き続き恋愛なんですけど、本当にいろんなタイプの曲があります。めちゃくちゃ明るくて、アイドルみたいなポップスもあって。でも、そういう曲ほど歌詞は片想い系でけっこう切ない。そのギャップがいいんですよね。あとは、おしゃれで踊れる曲とか。これから、ジャンルやテイストはどんどん増えていくと思います。

──将来的に一緒にやってみたいアーティストの方はいらっしゃいますか?

すごく大きな存在なので、完全に夢みたいな話なんですけど、DECO*27さんの曲はずっと好きなので、もし関われたらうれしいです。あと、RADWIMPSさんも好きで。トリビュートアルバム(「Dear Jubilee -RADWIMPS TRIBUTE-」)に参加されていたYOASOBIさん、ずっと真夜中でいいのに。さん、ヨルシカさんも好きで、最近ずっと聴いています。あと、野田洋次郎さんが楽曲提供した「フラレガイガール」を歌っている酸欠少女さユりさんもすごく好きで。野田洋次郎さんが書く曲を女の子が歌っているのもすごくいいなと思うので、いつか書いてもらえたら……って、完全に勝手な願望です。

──楽曲提供以外に、今後やってみたいことはありますか?

アニメの曲も歌ってみたいし、声のお仕事もやってみたいです。それから、とにかく振付をやりたいです。アイドルさんでも、ほかのアーティストさんでも、アニメで踊るものでも、なんでも挑戦してみたいです。いつでもお待ちしてます! あと、EPやアルバムも作っていく予定なので、曲数をそろえて、ワンマンライブができるようにがんばりたいです!

華乃

プロフィール

華乃(カノ)

アイドルグループ・GANG PARADE、KiSS KiSSのカ能セイとしての活動を経て、2025年8月に活動を開始した新世代のラブソングシンガー。9月にMAISONdesに入居し、「ならない日々 feat. 華乃, MIMI」で歌手デビューを飾る。11月に初のオリジナル曲「お気の毒様ね。」を配信リリース。12月にMAISONdesのメンバーとして、「COUNTDOWN JAPAN 25/26」に出演した。