曲を聴いたら歌詞がスラスラ書けた

──そして12月14日に1stシングル「BRAVING!」がリリースされます。この曲は、テレビ東京系アニメ「遊☆戯☆王ゼアル」のオープニングテーマになっていますが、そのために作ったのでしょうか？

はい。まずコンペにかけてもらえることが決まって、アニメをイメージして作りました。

──タイトル曲の「BRAVING!」は、珍しくラブソングではありませんが、歌詞はすんなり書けました？

恋愛の曲はスラスラ書けるんですけど、それ以外の歌詞だと止まってしまうんですよ。特に明るい歌詞、前向きな歌詞っていうのが書けなくて。恋愛でもすっごい暗い別れ話とか、そういうのだったら書けるんですけど、明るくて幸せになる話とか、勇気を持って前に進む、みたいなのがすごく苦手で。でも今回に限っては、曲を聴いたらスラスラ書けちゃって。

──楽曲は、聴くと勇気が湧く、前に進む力がもらえるような歌になってますよね。

曲を聴いて受けたイメージをそのまま書いただけなので。それだけ曲が素晴らしいんだと思います。

──これまでの曲と比べてスピード感あふれる曲ですが、レコーディングは順調に？

実は直前まで風邪を引いていて、病み上がりだったんですけど、すんなりいきました。

──歌詞のキーワードは「仲間」だと感じました。KANANさん自身、以前に比べて仲間やチームメイトが増えたことも歌詞に表れているのかなと思ったのですが。

仲間が増えたというのはあるかもしれないですね！ ずっとネットを介しての活動だったので、デビューする前はネットの中には知り合いがいっぱいいたけど仕事が忙しくて外出する暇もないし、友達もあんまりいないし、仕事でクタクタで遊びに行く気力もないという感じだったんです。それが最近はアクティブに動けてて、いろんな人と話をする機会もできて。あとは「遊​☆​戯​☆​王​ゼ​ア​ル」が、主人公が仲間に引っ張られていく、弱かった主人公が仲間に支えられて、精神的にもどんどん強くなっていく、というストーリーなので、そういうのも意識して書いてます。

──ちなみに、ジャケ写でもアー写でもPVでも、KANANさんは顔を出していないですよね？

イベントで出すのはいいんですけど、CDとかPVとか後々まで残るもので出すと、恥ずかしくて。どんなに素敵な写真家さんに撮ってもらうとしても、自分的には恥ずかしいんです。元々写真を撮られるのが苦手で。だから今後もこういうスタンスでやっていくんじゃないかと思います。

──PV撮影は2度目ということですが、いかがでしたか？

何回もライブをされてる方だったら体が自然に動くと思うんですけど、私はライブをやったことがなかったので、体を動かしながら歌うことができなくて。レコーディングだと逆に音をたてないように、体を動かさないように歌いますし。なのでかなり苦労しました。

──そうなんですね！ でも何の違和感もなく、カッコよかったですよ。

何回もやりましたから。丸1日かけて。

「Birthday」がシングルに入れられてうれしい

──カップリングの「Birthday」は、一転して寂しくて切ないラブソングですね。

この曲は、2ndミニアルバムの「CandyCore」に入れたかった曲なんです。歌詞も曲もすごく気に入ってて、表に出したい、みんなに聴いてもらいたい曲だったんです。ほかにもカップリング曲の候補はあったんですけど、この曲が入れられてうれしいです。

──別れた恋人を思っている、という内容だと思うのですが、なぜ「Birthday」というタイトルなのでしょうか？

前は誕生日を2人で一緒に祝ってたんだけど、相手が永遠にいなくなってしまって、何回誕生日を迎えても、自分が歳をとっていっても、相手の年齢を超えても、その人の年齢は変わらない、っていう歌なんです。サビで「明りを何度灯すの？」って出てくるんですけど、ケーキのろうそくをともしても、そこに、前はいた相手が今はいないっていう。

──なるほど。歌詞ではそこまで明確に触れてないので、別れた恋人を思い出して切なくなっている、というふうにとらえてたんですが、その話を聴いてもっと切なくなりました。

「BRAVING!」を聴いてから「Birthday」を聴くと、おそらく皆さんびっくりされるんじゃないかと。

ライブをやる機会があったらちゃんと技術を身につけてから

──そして12月18日には2回目のワンマンライブを渋谷O-Crestで開催します。チケットは既に完売ということですが、もっと大きな会場ではやらないんですか？

さすがにまだ勇気が!! っていうか、ずっとこのままでいいかなと思ってます（笑）。

──でもやってみたらライブが楽しくてハマるかもしれないですよね。

ああ……私はやらず嫌いなところがあるんで、その可能性はありますね。実は2～3年前に一度ライブに出たことはあったんです。でも練習もできてなかったのに、シークレットでトリという位置づけで。そのときのことがトラウマになってて、もし次にライブをやる機会があったらちゃんと技術を身につけてから、とすごく思っていて。そんなとき、去年友達が700人を動員した大きなライブをやったのを観て。自分もその中に入れば良かったなと感じたんです。それがあったから今回、ライブをやてみようと思ったのかもしれないですね。

──そのほかに、今後挑戦したいことなどはありますか？

アニソンカバーを始め、カバーはどんどんやりたいです。やりたいこといっぱいです。アニメだけじゃなくドラマとか映画のオープニングとかエンディングとかも。あとはゲームの主題歌もだし、もし、声優として役がもらえたらめちゃめちゃうれしいです。元々ゲームが好きなので、もし本当にやれることになったら泣きますね。私は、これまで立ててきたいろいろな目標が、今のところ全部クリアできてるんです。アニメの主題歌もだし。で、次の目標を考えてたんですけど、やっぱり今後またこういう主題歌の機会をもらいたいですね。次はゲームがいいな！