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KAMIJO流“ルイ17世の生存説” 全7楽章からなる大作完成まで

Versaillesの活動休止後、昨年8月に満を持してソロデビューを果たしたKAMIJO。彼がVersailles時代の古巣・ワーナーミュージック・ジャパンから新作「Symphony Of The Vampire」をリリースする。今作では、謎に包まれたルイ17世の生存説を題材に、史実を踏まえた上で“全7楽章”からなる架空の物語を作り上げた。KAMIJOは、この大作を完成させるまでのプロセス、ソロ活動全体のコンセプトなどを真剣なまなざしで語ってくれた。

取材・文 / 土屋京輔

 
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ソロの方法論は無限大

──今までずっとバンドの一員として活動をしてきましたが、昨年ついにソロ活動をスタートさせましたよね(参照:KAMIJO「Louis~艶血のラヴィアンローズ~」インタビュー)。改めて、その背景にはどんな思いがあったのでしょう?

KAMIJO

ソロというものは続くものじゃないですか。だから、下手にできないなとはずっと思ってたんですよ。

──バンドのように解散というものはなく、そこに待ち受けるのは引退になってしまうかもしれませんからね。

そうですね。ある意味、ソロには僕が求めていた、永遠というものが存在するんです。自分の世界って、結局バンドになってもソロになっても正直変えることはできないんですけど、ソロだといろんなアプローチができますから、手法としてはバンドよりも多い。そういった意味で、ソロならではの魅力に惹かれたというのはありますね。ファンの子も、バンドはバンド、ソロはソロということで、すごく応援しやすいんじゃないかな。僕も今はすごくいい環境でやれている。スタッフの皆さんに感謝、感謝という感じですね。

──Versaillesをスタートさせる前からソロ活動をやると発表していましたが、そのときと今では、やりたいことは変わっていないんですか?

いや、そこはもうVersaillesのメンバーに感謝するところなんですけど、やっぱり僕自身、人間的にも音楽的にもその当時からすごく成長できましたし。だから、きっと向かっている方向は一緒でも、内容は全然違います。今の僕だからできることっていうのがある。わかりやすく言うと、薔薇の世界を追求してきた僕と、それとはまったく違う角度からその世界を追求していたHIZAKIがいて、Versaillesは結成されたわけですけど、そういった同じような物事に対しても、まったく別の手法があるという捉え方を今の僕はできるんですよ。つまり、自分の中にないものも武器にできると言えばいいのかな。方法論は無限大だなと思ってます、ソロだから余計にね。

──では、ソロ活動に関しては具体的なコンセプトもあるんですか? Versaillesであれば、“薔薇の末裔の物語”という1つのテーマがありましたよね。

最重要コンセプトは、“国家”の構築です。音楽で国を作りたいんですよ。まるで1つの国のようなアルバムであり、ライブであり、そういったものを作って大きくしていきたいんです。

──その“国家”の構築には何が必要なんでしょう?

住民と……仕える者たちぐらいですかね(笑)。例えば、掟があってもいいと思いますし、ライブでは国歌を歌ってもいいと思いますし、ファンの子とパレードしてもいいと思いますし。「地球」というものを除外して考えると、「国」というのは最大級の集合体だと思うんですよ。そこでは秩序も愛情も必要になる。そこにチャレンジしてみたいんですよね。国境という意味での国は実際に世界に存在しますけど、人の心とか音楽の中に、共鳴し合う者同士が集まった、目には見えない国があっていいと思うんです。ホントにおぼろげながらですけど、国家のような世界観を僕なりの形で作り上げたいということなんですよ。それはこうやって発表していく作品の中で、ファンの方がそれぞれ作ってもらえればいいなと思っているんですが、聴き手に委ねる部分はありつつも、今回に関してはまったく委ねない作品になってますけどね。押し付けがましい作品です(笑)。

ルイ17世の生存説をベースに

──ははは(笑)。しかし、この「Symphony of The Vampire」を聴けば、これが“国家”なのだなとも納得するでしょうね。

例えば、今回は歌詞の原作まで公表しているんですよね。そこまで理解していただいた上で聴く音楽なんです。CDの音だけでは表現し切れない部分もあって、映像でもいろんな角度から描いているんですけれども、基本的には抽象的な表現はなるべく避けて、いかに忠実に物語というものを表現できるかというところになってますね。

KAMIJO

──ええ。「Symphony of The Vampire」では、いわゆるルイ17世の生存説をベースに架空の物語が繰り広げられるわけですが、それを今回取り上げようと思ったのは、どういった理由なんですか?

なんでしょうね……これを取り上げようと思ったのは、ちょうどVersaillesが活動休止する頃からフランス革命の裏側にすごく興味を持ちまして、いろんな書籍を漁ってたんですよ。DNA鑑定によって、ルイ17世の生存説が否定されたのは2004年に入ってからなんですけど、僕が集めた書籍にはそれ以前のものもあって、書かれている内容もそれぞれ違っているんですよ。

──そこでいろんな推論がなされているわけですね。

そうなんですよ。いまだに「ルイ17世は自分の先祖だ」と言っている家系もありますし。じゃあ、医学の進歩でそれだけ歴史を塗り替えられるんだったら、僕も1つの国ぐらい音楽の世界の中で作れるという気持ちにもなりますし、この作品は“ifストーリー”でしかないですけども、それについても「違う」と証明できる人は誰もいない。だから、ホントにいろんな面からの挑戦でもありますよね。

──それでルイ17世についてを曲にしてみようと?

そうです。フランスの歴史自体、僕はすごく好きで、特に「ベルサイユのばら」で描かれている時代に惹かれていたんですが、ルイ17世はあまり取り上げられないんですよね。史実ではすごく悲しい生涯を送られた方なんですけど、きっといろんな希望、夢を持った少年だったんだろうなと僕は感じたんですよ。すごくピュアで、きっとそのまま王様になっていたら、すごくいい政治をしていたんじゃないかなと思うし。それが選んだキッカケですかね。選んだというより、自然と書いてましたけど。

メジャーデビューミニアルバム「Symphony Of The Vampire」 / 2014年3月5日発売 / Warner Music Japan
初回限定盤A [CD+Blu-ray+ブックレット] 3990円 / WPZL-30803~4
初回限定盤B [CD+DVD] 2940円 / WPZL-30805~6
初回限定盤C [CD2枚組] 2625円 / WPCL-11720~1
通常盤 [CD] 2100円 / WPCL-11719
CD収録曲
  1. 第一楽章「Presto」
  2. 第二楽章「Sacrifice of Allegro」
  3. 第三楽章「Royal Tercet」
  4. 第四楽章「Dying-Table」
  5. 第五楽章「Sonata」
  6. 第六楽章「満月のアダージョ」
  7. 第七楽章「Throne」
初回限定盤A Blu-rayおよび初回限定盤B DVD収録内容
  • シンフォニー・オブ・ザ・ヴァンパイア(フルバージョンMV)
初回限定盤C 特典CD収録内容
  • 映画「ヴァンパイア・ストーリーズ」サウンドトラック
イベント情報
KAMIJO WORLD & TOWER RECORDS PRESENTS KAMIJO "PREMIERE SHOWCASE"
2014年4月26日(土)
東京都 タワーレコード渋谷店B1F CUTUP STUDIO
START 19:00

「Symphony of The Vampire」発売記念イベント
2014年3月6日(木)
東京都 タワーレコード新宿店 7Fイベントスペース
START 21:00
2014年3月7日(金)
愛知県 タワーレコード名古屋近鉄パッセ店 イベントスペース
START 19:00
2014年3月8日(土)
大阪府 タワーレコード難波店 5F イベントスペース
START 13:00
2014年3月9日(日)
福岡県 タワーレコード福岡店 3F イベントスペース
START 14:00
KAMIJO(かみじょう)

1999年、ヴィジュアル系ロックバンドLAREINEのボーカリストとしてSME Recordsよりデビュー。その後2007年春にVersaillesを結成し、2009年にワーナーミュージック・ジャパンよりデビューした。Versaillesはデビュー作となるシングル「ASCENDEADMASTER」でオリコン週間ランキング8位を記録し、2012年12月にファンに惜しまれつつ活動休止。KAMIJOは在籍したバンドでほぼすべての作詞と大半の作曲を手がけており、劇伴制作でも才能を発揮している。2013年8月にシングル「Louis ~艶血のラヴィアンローズ~」で満を持してソロデビュー。2014年3月にはワーナーミュージック・ジャパンからソロメジャーデビュー作品「Symphony Of The Vampire」をリリースする。