いれいす「DICE」特集|急成長中の歌い手グループが“イレギュラー”なアルバムでメジャーデビュー (2/3)

聴いていて飽きないメジャー1stアルバム、その“推し曲”は?

──では、メジャー1stアルバム「DICE」についてお聞きします。メジャーレーベルからアルバムをリリースすることへの思いと、それぞれの好きな曲、いわゆる“推し曲”を教えてもらえますか?

りうら まだ実感はないんですけど、メジャーデビューが決まったときは、「これでテレビで観ているようなアーティストの皆さんと同じ土俵に上がることになるのか」と思いましたね。アルバムの収録曲はすごくバラエティに富んでいて、20曲収録の大ボリュームで。ロックな曲、かわいい曲、エモい曲、いろんなジャンルの曲があるので、聴いていて飽きないと思います! 推し曲は「Another」ですね。アニソンっぽい雰囲気でゴリゴリのロックなんですけど、こういう系統の曲は今までいれいすにはあまりなかったんですよ。王道アイドルソング系が多かったから、メジャー1stアルバムで「Another」のような曲を入れられたのはうれしいです。

-hotoke- メジャーデビューということに関しては、僕もまだ実感がないですね。ライブやアルバム制作に関わってくれる人が増えたことはすごくうれしいし、活動の幅がさらに広がるんだろうなというイメージはあるんだけど、それを実際に感じるのはまだ先なのかなって。アルバムの中で好きなのは、「宵闇彼岸花」です。和の雰囲気からガラッと変わる展開もよくて、すごくいい曲だと思っていて。歌詞はリーダーのないちゃん(ないこ)が書いてくれてます。古語が入っていて、正直、よく意味がわかってないんですけど。

ないこ それ、褒めてくれてるの?(笑)

-hotoke- もちろん! ちゃんと調べれば深いストーリーがあるはずなので。僕は洋楽を聴くときみたいに、メロディとサウンド、歌詞の響きが合っていていいなと思ってます(笑)。

初兎 メジャーデビューに関しては……いれいすはここまで、とてつもないスピードで成長してきたと思っていて。その速さ故に実感が遅れてしまうことが多いので、メジャーデビューの機会をいただけたことを重く受け止めてます。グループで活動を始めたときはド素人みたいなものだったし、歌い手ってフワッとしてるというか、誰でもなれる印象があると思うんです。そんな自分がメジャーアーティストになるのはすごいことだし、身が引き締まる思いですね。

いれいす「Irregular Dive in バーチャル」より。

いれいす「Irregular Dive in バーチャル」より。

──なるほど。そして推し曲はどれでしょう?

初兎 タイトル曲の「DICE」ですね。いれいすには「Crazy Dice」というオリジナル曲もあるんですが、その曲に近い雰囲気がありつつ、さらにアダルトでダーク、上品さもある曲になってます。メンバーのラップパートは今回も僕が書いたんですけど、それぞれ「こういうラップが似合いそうだな」と想像して書くのが楽しくて。結成当時は他人同士だったメンバーですが、今はちょっとずつ得意なこともわかってきたので。

ないこ メジャーデビューに関しては、僕もやっぱり実感がないですね。ただ、大きいイベントであることは間違いないし、目標にしている武道館にまた1歩近付けたかなという感じはあります。推し曲は「おきて。」ですね。この曲、メンバー1人ひとりが歌ったフレーズをつないで構成しているんです。こういう柔らかい音色の曲も初めてだし、また新しい雰囲気を感じてもらえるんじゃないかなと。

──メンバー6人の声の個性がはっきりわかる曲ですよね。

ないこ そうですね。しかもめっちゃかわいい曲なので、ぶりっ子の6人も楽しんでもらえると思います。

If がんばってかわいく歌いました(笑)。このインタビューもそうですけど、メジャーデビューが決まってからメディアで取り上げてもらえることも増えて、もっとたくさんの人に知ってもらえるのがシンプルにうれしいですね。僕らはリスナーさんとの距離がかなり近くて。毎日のように配信し続けているし、皆さんと一緒に走ってきた感覚もあるので、これからもいろんな経験を共有していきたいと思ってます。

──メジャーデビューを発表したときのリアクションも大きかったのでは?

If すごかったですね! バーチャルライブ(2022年5月に開催された「Irregular Dive in バーチャル」)で発表したんですけど、すごい反応をいただいて。めちゃくちゃうれしかったです。僕のアルバムの推し曲は「のんすとっぷ!L♡VEサマー」。去年も「トキメキ☆LOVEバケーション」という夏曲をリリースして、それも大好きで。「のんすとっぷ!L♡VEサマー」も方向性は似てるんですが、超カッコかわいい曲になっています。ライブで声出しOKになったら、ファンの皆さんと一緒に盛り上がりたいですね!

「のんすとっぷ!L♡VEサマー」映像より。

「のんすとっぷ!L♡VEサマー」映像より。

──悠佑さんはどうですか?

悠佑 さっきも言いましたけど、僕はいれいす以前にも長く音楽活動をやっていて、メジャーデビューした知り合いもけっこういたんですよ。でも、デビューして何かが変わるかと言えば、必ずしもそうではなくて。苦労している人も見てきたし、「メジャーデビューはゴールじゃない」という気持ちが強いですね。もちろん、もっともっと活動の規模をデカくしたいという思いもあるし、これからだなと思ってます。アルバムの楽曲では、「僕の歩く道」が印象深くて。自分で作詞させてもらったんですけど、マイナスからプラスへと変わっていくイメージというか、僕の人生をけっこうそのまま書いた感じなんですよ。

ソロ曲の聴きどころは?

──アルバムには6人のソロ曲も収録されています。それぞれ聴きどころを教えてもらえますか?

りうら はい。僕のソロ曲「瞬く」はめちゃくちゃロックなサウンドです。歌詞は誰かを応援するような内容にしたくて。目標や夢に向かっていると、逃げたくなることもあるし、苦しくてあきらめたくなることもある。「でも、その先にお前だけの価値がある」ということを伝えたくて。

──リスナーに向けた強いメッセージが込められているんですね。

りうら そうですね。自分自身の経験値もまだまだなんですが、年齢的にも10代のリスナーの皆さんに近いし、同じ目線で伝えられることもあるのかなと。普段の配信などを通してファンの皆さんの声を聞く機会も多いし、いろいろな思いを込めて歌詞を書きました。バンドサウンドもすごくカッコいいので、ライブで披露するのも楽しみです。お客さんと一緒に歌えるフレーズもあるんですよ。

──-hotoke-さんの「超次元♡理論→→→」はポップに振り切った楽曲です。

-hotoke- 電子音のサウンドが大好きなので、そういうテイストの曲を作っていただきました。歌詞のテーマは“LOVE”ですね。僕の周りにもボカロのキャラクターが好きな子がいたり、アイドルが好きな子もいたりして。「誰を、何を好きになってもいいんだよ!」と伝える歌にしたくて。タイトルを決めるのも難しかったですね。Ifくん、初兎ちゃんにも相談して、絵文字を付けたらいい感じになりました。作詞の経験は少なくて、これが4曲目かな? 自分を表現するのは恥ずかしいし、不安もあるんですけど、今やれることを精一杯やったので、皆さんにもたくさん褒めてほしいです(笑)。

一同 ハハハハハ。

──褒められて伸びるタイプなんですね。初兎さんの「Ella」はネオソウル系のおしゃれなナンバーですね。

初兎 ありがとうございます! チルっぽい落ち着いた雰囲気のラップも好きなので、こういう曲を作れたのはうれしいですね。ソロ曲に関しては、ずっと“お姫様”をテーマにしていて。これまでに白雪姫、人魚姫、眠り姫の曲を作ってきたんですが、一番ポピュラーな“シンデレラ”は大事なタイミングに、と残しておいたんです。シンデレラの本名は“Ella”なので、それを曲名にして。「0時に解けるはずの恋の魔法」など、シンデレラの物語をなぞりつつ、現代の恋愛観を表現しました。