アニメやゲームなどのオタクカルチャーに造詣が深い“エビ中のハイテンションガール”真山りか。自宅用、外出用などTPOに応じてヘッドフォンを使い分けているという彼女には、普段愛用しているiPhoneとこだわりの私物ヘッドフォン2機種を使って、SONYのDAコンバータ / ヘッドフォンアンプPHA-3を通したサウンドを試してもらった。
試聴音源は彼女のiPhoneに入っているお気に入りの楽曲と、エビ中の最新アルバム「穴空」(アナーキー)のハイレゾ音源。iPhoneのヘッドフォン端子から直接出力した音とPHA-3を通した音を何度も聴き比べたり、ボリュームを上げ下げしたりと、初めてのヘッドフォンアンプ体験に興味津々な様子だった真山の感想は……?
取材・文 / 臼杵成晃 撮影 / 佐藤類
SONY PHA-3
ハットのチキチキがよりチキチキ
──ヘッドフォンアンプを使うのは初めてとのことですが、違いは感じました?
全然違います。楽しい! いろんなジャンルの曲を聴いていると、アーティストによってはすごく音圧が高かったりしますよね。例えば私の大好きなaikoさんは、音圧が上がりすぎないようにマスタリングしてるのかなと思うんですけど、ヘッドフォンアンプで聴いてみたら、音も力強いし、空間がわーっと広がる感じがあって。全体を通して全然違うなと思ったのが、ハイハットのチキチキです。ハットのチキチキがよりチキチキする感じ。……これで伝わります?(笑)
──PHA-3とiPhoneにインストールしたハイレゾ再生アプリとの組み合わせで、エビ中のアルバム「穴空」をハイレゾ音源で聴いてもらいましたが、こちらはいかがでしたか? 途中「恥ずかしい!」という声も漏れてましたけど。
スタジオで録ってる声のまんまというか、ミックス前の自分の声がそのまま鳴っているような生々しさがあって。映らなくていいところまで映っちゃう4Kテレビみたいな(笑)。でも、曲によって音のバランスや方向性が違うのが、ハイレゾだとよくわかりますね。「面皰」(にきび)みたいに全部の音がバラバラに聞こえてくるものもあれば、「全力☆ランナー」は1つにまとまった音の下のほうをピアノが流れていくような立体感があって。「ポンパラ ペコルナ パピヨッタ」はハイレゾだとよりボーカルが立つのかなと思ったら、むしろ全体がなじんでいるように感じました。低音の声が楽器の下にぺたーっと貼り付いて、高音パートはフッと触れたら消えてしまうような感じ。中音域はボーカルの息遣いまで伝わるから「わっ、スタジオみたい!」って。
普段使っているiPhoneにSONY PHA-3をつないでお気に入りの楽曲を試聴する真山りか。
“プロ中”のこだわり
──ヘッドフォンは真山さんが普段愛用しているものを持ってきていただきました。ホームリスニング用と外出用、2つお持ちですけど、どんなこだわりがあるんですか?
私、最近まではイヤフォン派だったんですよ。好きなアーティストさんがヘッドフォンについて書いている文章が面白くて、読んでいるうちに欲しくなったんです。お兄ちゃんが趣味でDJをやっていて、ヘッドフォンを持っていたので、家で使わせてもらったことはあったんですけど、自分のものが欲しくなって。“プロ中”(プロの中学生。“永遠に中学生”のエビ中において、真山は現在“中学8年生”)になったとき、もっと音楽をがんばりたいなと思って、もっともっと音楽を好きになるには、音楽を聴くための道具もいいものを選びたいなって。
──数あるヘッドフォンからSENNHEISER HD598を選んだのは?
まずは見た目です(笑)。モニター用のヘッドフォンって、だいたい黒くて男の子っぽい、ゴツい感じのものが多いんですけど、この“プリン”と呼ばれているヘッドフォンは女の子が持つにもいいデザインだし、音もしっかりしていて。お店でいくつも試聴して、「音が気に入って、かつ可愛くて、耳が疲れない」という理想にハマったのがこの子だったんです。
真山りかの愛機“プリン”ことSENNHEISER HD598は、同社のロングセラー製品。オープンエアタイプの人気ヘッドフォンだ。
──では外出用のB&O PLAY H8は?
自分としてはかなりがんばった値段ではあるんですけど、「高いの買ったね」って言われるのはちょっと嫌なんです。値段じゃないと思うんですよ。外で使うものはケーブルが外れたりしないようにBluetooth対応のワイアレスがいいというのが第一にあって、あとはやっぱり音と見た目と着け心地ですね。あと、イヤフォンも同じメーカーを使っていたので、乗り換えるのにも少し安心感があって。
いいと思ったものならお値段関係なく選びたい
──そのほか、いつものリスニング環境で何かこだわっていることはありますか?
普段はやっぱりiPhoneで聴くことが多いんですけど、iPhoneにはイコライザーのアプリを入れてます。ボイトレの先生に、普段聴いてる音楽に合うイコライジングを教えてもらって。
真山りか
──細かい音質の差にこだわるタイプなら、遅かれ早かれヘッドフォンアンプにはたどり着いていたかもしれないですね。
欲しいー! でも、こだわっていくとどうしてもお金がかかってしまうから……。私はオタクなので、アニメとかゲームとかアニソンとか、ほかにも何かとお金がかかって大変なんですよ!(笑)
──あー、資質的にオーディオマニアになりかねないですね。オタクってどのジャンルにおいても求道心の強い人だと思うので。
そうですよね。コミケとかに行くと、みんなすごいヘッドフォンを付けてたりするから「どこのなんだろう……」ってつい見ちゃいますね(笑)。でも私はたぶんコードを替えたりとか、そこまでのタイプじゃないです。ゲーム用に使ってるのは3000円ぐらいのヘッドフォンだもん。ほかにもいくつか持っていて、中でもお気に入りなのがこの2つですね。見た目で愛着が湧くかどうかも大事だし、自分の中でいいと思ったものだったら高くても安くても、お値段関係なく選びたいんです。
プロフィール
真山りか(私立恵比寿中学)
私立恵比寿中学の出席番号3番、1996年12月16日生まれの“中学8年生”。アニメやアニソンの話になると熱が入るオタク気質で、大の田村ゆかりファンとしても知られる。2014年にはテレビアニメ「アカメが斬る!」第2クールのオープニングテーマ「Liar Mask」でソロデビューを果たし、念願のアニソンシンガーとなった。エビ中は2016年9月にニューシングル「まっすぐ」をリリース。11月には初のベストアルバム(タイトル未定)を2作同時に発表する。
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2016年12月21日更新