「ヒプノシスマイク-Division Rap Battle- 2nd D.R.B Fling Posse VS MAD TRIGGER CREW」特集 白井悠介×浅沼晋太郎×ALI-KICK×TeddyLoid|負けられない理由持つ者同士の神聖なバトル

音楽原作キャラクターラッププロジェクト「ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-」では、作中に登場する6つのディビジョンによるトーナメント方式のバトル「2nd Division Rap Battle」を開催中。それぞれの試合の勝敗を決めるのは、実施済みの無観客配信ライブ、CDシリーズ、キャラクターがバーチャル空間でバトルを行う「VR BATTLE」へのファン投票だ。

音楽ナタリーでは各試合にフォーカスした特集を展開しており、第3弾となる今回はシブヤ・ディビジョン“Fling Posse”とヨコハマ・ディビジョン“MAD TRIGGER CREW”の試合の特集として、シブヤのリーダー飴村乱数を演じる白井悠介とヨコハマのリーダー碧棺左馬刻を演じる浅沼晋太郎、2つのディビジョンのバトル曲である「Reason to FIGHT」を手がけたALI-KICK、TeddyLoidの4人へのインタビューを公開。特集の後半には各ディビジョン曲の作詞を担当した、たなか(前職:ぼくのりりっくのぼうよみ)、ICE BAHNからのコメントも掲載している。

取材・文 / 黒田隆憲 撮影 / 森好弘

新日本プロレスかと思うくらい怖かった

──去る2月21日にFling PosseとMAD TRIGGER CREWによる配信ライブが開催されました。手応えはどうでしたか?

浅沼晋太郎 バトルとはいえ、エンタテインメントとして成立させるためには、どこかで冷静な自分がいなきゃいけないと思っていたのに、終わったあとは何も覚えてなかったですね(笑)。

白井悠介 ですね(笑)。本気で勝ちたいという気合いが両ディビジョンとも入りすぎてしまって。

浅沼 リハのとき、シブヤはもっとポップなノリだったんですよ。どちらかというと、ポーズで僕らヨコハマを挑発するみたいな。例えば「解ったらマイク置けよドアホ」とこちらがラップしたら、一旦マイクを置くフリしてから「はあ?」ってノリツッコミみたいなこともしてくれたのに(笑)、本番じゃバッチバチっていう。

白井 リハのときは「いかにヨコハマをイラッとさせるか?」をテーマに煽っていくスタンスでやっていたんですけどね。本番は、そんなおちゃらけている余裕もないくらいヒートアップしてしまいました。

TeddyLoid MAD TRIGGER CREWの入場のとき、浅沼さんがカメラに向かって「どけこの野郎!」みたいなことをやっていて。「何これ、新日(新日本プロレス)の入場?」って思うくらい怖かった(笑)。

ALI-KICK 台本とか全然ない感じがしましたよね。

浅沼 もちろん、あとでカメラマンさんには平謝りしましたけどね(笑)。

ALI-KICK あんなバチバチのバトルを観たあとだから、「2人がこんな距離にいていいのかな?」と思ってヒヤヒヤしてます(笑)。

浅沼 バトル曲「Reason to FIGHT」のあと、全員で歌う曲(「ED Medley(Survival of the Illest +/SUMMIT OF DIVISIONS)」)があって救われましたよね。あそこでもう、「垣根なしで楽しもうぜ、とにかくパーティだ!」みたいな気分になれたので、一旦リセットできた気がします。

ラッパーとしてカッコよかった

──演出面でも、配信ライブならではの趣向をいろいろと凝らしていましたよね。

TeddyLoid ミュージカルみたいでしたよ。

浅沼 シャボン玉の演出もズルいよね。

白井 そうそう! シャボン玉の中にスモークが入っているとか、細かいところまで演出が行き届いていて、それによって我々のパフォーマンスにもより力が入りました。今回は配信ライブということで、もしお客さんが入っていてくれたら、盛り上がり方もまた違っていたのかなとは思いますけど。

左から白井悠介、ALI-KICK、TeddyLoid、浅沼晋太郎。

TeddyLoid でも、「ヒプマイ」にはもともと二次元の要素があるじゃないですか。普通の生ライブと違って配信で観ていると、画面の中でキャラそのものが動いているような錯覚をする瞬間が何度も訪れました。バトルのときとか、お互いがズラッと並んでいる感じ……ライブハウスだと、観る位置によってその見え方も変わってくると思うのですが、配信だと視聴者全員が同じ「絵」として観ているから、そこにも一体感のようなものを感じたんですよね。

白井 なるほど、そういう効果もあったんですね。

ALI-KICK 舞台の演出もすごかったし、演者さんたちの表情も前回より豊かでラッパーとしてカッコよかった。そのあたりを間近で観られるのも、配信ライブのよさかも知れないですね。

浅沼 そんなこと、ALI-KICKさんに言われること自体恐縮ですよ……。今の「ラッパーとしてカッコよかった」っておっしゃっていたところ、太字にしておいてください(笑)。

パイプオルガンで表現した神聖なバトル

──ライブの終盤では、先ほど浅沼さんもおっしゃったように新曲「Reason to FIGHT」も披露されました。これはALI-KICKさん作詞、TeddyLoidさん作曲のバトル曲ですが、どのように作っていったのでしょうか。

TeddyLoid まずはトラックから作っていったのですが、今回レーベルから「ちょっとシリアスな楽曲にしたい」というリクエストがあって。「シリアス」と聞いたときに、僕としては単に「怖い」だけじゃなくて、神聖なバトルにしたいと思ったんですよ。

浅沼 ああ、だからパイプオルガンだったんですね!

TeddyLoid そうなんです。教会音楽の要素を取り入れたくてパイプオルガンの音を導入しました。それと、僕は普段エレクトロニックなダンスミュージックを作っているんですが、「ヒプノシスマイク」の楽曲ではオルガンやギターなど、生楽器と電子音楽を融合させることをテーマにしています。リアルと二次元の融合をテーマにしている「ヒプノシスマイク」の世界観を、サウンドでも表現したかったんですよね。

ALI-KICK 僕はそのトラックを聴かせてもらいながら、今回のドラマパートにもすべて目を通してリリックを考えました。いつも歩きながらリリックを考えているのですが、あまりにもスケールの大きなエモいトラックだったので、具体的なイメージが湧くまでだいぶ歩き回りましたね(笑)。