堀内まり菜「さくら色のメロディー」インタビュー|枯れないさくらの木、消えない絆 (2/2)

ずっとさくらの木は枯れない

──「さくら色のメロディー」はオルゴールを開けるかのようなサウンドで始まりますね。

はい。まさにそうです。キラキラしたものが詰まった宝箱を覗くような感じで始まります。ステージでみんなと呼吸を合わせて歌っているときのイメージを大切にしたので、合唱曲っぽい雰囲気もあって。

──確かにさくら学院の楽曲にも似た雰囲気があります。歌詞はどんなイメージで書きましたか?

お手紙を書くように歌詞を書いたんです。まず当時の自分に向けて思いついた言葉が「あのときの誓いはまだ破っていないよ」。さくら学院で最初に歌った「夢に向かって」という曲に「熱い誓いを 幾つも重ねたなら」という歌詞があるんですけど、初めて歌ったときからその言葉がずっと心の中に残っていて。さくら学院では自分の夢を育てて向き合うことを大事にしていたので、「あのときがんばっていた自分を裏切らずに今もその夢を育てているよ」ということを書きたくて、そこから書き進めていきました。最終的には「心に誓ったダイヤモンド」という形で歌詞に入って。あとはみんなが周りにいてくれたからここまで来れたので、メンバーへの感謝の思いも込めています。

さくら学院在籍時の活動記録を記したノートを読み返す堀内まり菜。

さくら学院在籍時の活動記録を記したノートを読み返す堀内まり菜。

さくら学院在籍時の活動記録を記したノートを読み返す堀内まり菜。

さくら学院在籍時の活動記録を記したノートを読み返す堀内まり菜。

──YouTubeに公開されていたレコーディングの様子を切り取ったドキュメンタリーを観ましたが、堀内さんと同級生の飯田らうらさんのお名前が出ていましたよね。

はい(笑)。さくら学院って常に自分の課題というか、高みを目指してがんばっていたから、挫折することもたくさんあって。そういう悔しいときにらう(飯田)が「大丈夫だよ」って笑い飛ばしてくれたことが印象的だったんです。どんな華やかなライブの照明や演出よりもみんなの心がつながっていることで、さくら色の景色を作れていたんだなと思って、そういう思いも歌詞に書きました。

──「『好きな気持ちが夢見ることが生きるパワーになるんだよ』 教えてくれたあの言葉今度は私たちが伝える番」という歌詞がありますが、これはどなたからもらった言葉なんでしょうか?

これは丸ごともらった言葉というよりも、職員室の先生やダンスの先生が「誰かになるんじゃなくて自分にしかできないことをやって自分になるんだよ」とずっと教えてくれていて、それを自分なりに解釈して「好きな気持ちが夢見ることが生きるパワーになるんだよ」という意味として受け取ったんです。

──この曲はメンバーや父兄さんにはとても響く曲だと思いますが、ソロになってから堀内さんを知った人にとってはどんな曲になると思いますか?

一歩踏み出して「これで本当にいいのかな?」と不安に思うときとかに、「ちゃんとそこで経験したことは身に付いているから大丈夫だよ」と背中を押せる曲になったらと。あと、「好きなことや夢中になれることに対するキラキラした気持ちを忘れないでいて」というメッセージになったらうれしいです。自分1人じゃないよって。新しいことに挑戦する人に贈りたいですね。

堀内まり菜私物のさくら学院アイテム。

堀内まり菜私物のさくら学院アイテム。

──堀内さんはオンラインライブでさくら学院の楽曲のカバーも披露されていますよね。歌ってみていかがでしたか?

さくら学院が閉校しても、さくら学院の歌を歌い継いでいきたいと思っていたので、実現できてうれしかったです。その中でも「未完成シルエット」は8年ぶりに歌ったんですけど、全然色褪せない曲だなと思いました。

──「未完成シルエット」と言えば、芸能界を離れて今は看護師としてがんばっている杉﨑寧々さんが卒業公演で力強く放った「バイバイ!」というパートが印象的で、父兄さんたちの間では名シーンだと今でも語り継がれていますよ(笑)。2013年度卒業生とは今でも連絡を取り合いますか?

はい。会えるときは会っていますし、仲よくしています。2013年度に限らず、さくら学院の卒業生たちと連絡を取り合っていて感じるのは、みんなそれぞれの場所でがんばっていて、さくら学院メンバーの成長は止まらないなって。

──桜の木の枝が広がり続けているというか。

本当に。ずっとさくらの木は枯れないと思います。

堀内まり菜

堀内まり菜

堀内まり菜

堀内まり菜

やっとお招きする準備ができました

──来年2月にようやく有観客ライブも開催されますね。

念願だったのでワクワクが止まらないです。セットリストや演出も決まったので、やっと私が作った音楽のテーマパーク「Nanoland」に皆さんをお招きする準備ができました。音楽のアトラクションに皆さんをご案内できたらと思います。しかも会場が……。

──さくら学院時代にも立ったSHIBUYA PLEASURE PLEASUREですね。

そうなんです。さくら学院のライブでは「魔物が住んでいる」と言われていたあの会場です。あのステージに立つときはいつも誰かしら泣いていたので(笑)。今回はそうはならないように……いや、感動の涙に変えたいです。さくら学院の頃はすごく大きく感じた会場だったんですけど、自分も成長して大きくなったのでどう感じるのか楽しみです。ライブは、来てくださる皆さんが鑑賞するのではなく、体感できるようなものにしたいと思っています。

──2021年もそろそろ終わりますが、振り返るとどんな年でしたか?

ありがたいことに休む暇もなく駆け抜けた1年でした。人や音楽との出会いにすごく恵まれた年だったなとも思いますし、あとファンの皆さんとのコミュニケーションも増えてうれしかったです。こっちから投げかけたことにたくさんの反応をいただいて、皆さんからの言葉がすごく染みたというか、その言葉に救われた1年でした。来年はライブもあるし、1人のアーティストとしてもっと成長してファンの皆さんが応援していてよかったと思ってもらえるような存在になりたいですね。来年は楽しみがいっぱいなので、期待していてください。

堀内まり菜

堀内まり菜

ライブ情報

堀内まり菜 1st LIVE ナノ・ストーリー~第一章~

2022年2月20日(日)東京都 SHIBUYA PLEASURE PLEASURE
昼公演 START 13:30
夜公演 START 18:30

プロフィール

堀内まり菜(ホリウチマリナ)

1998年4月29日生まれ。2007年に「ちゃおガールオーディション2007」に入賞し、小学館「ちゃお」のモデルとして活躍。2010年よりさくら学院のメンバーとして活動し、2014年3月にグループから卒業した。以降は声優・女優としてマルチに活動している。2021年3月にアルバム「ナノ・ストーリー」でLantisよりソロアーティストデビューを果たした。11月に配信シングル「さくら色のメロディー」を発表。2022年2月に初の有観客ワンマンライブ「堀内まり菜 1st LIVE ナノ・ストーリー~第一章~」を東京・SHIBUYA PLEASURE PLEASUREにて開催する。