HOKUTO「LOVE PARADOX, LOVE MYSELF」インタビュー|ポップに自分らしく、吉野北人がソロで表現したいこと (2/2)

この曲はいけると思えた

──2曲目の「MINE」は2ndシングルとして6月25日に配信されました。こちらの反響はいかがですか?

めちゃくちゃいいですね。びっくりしました。Nozomi Kitayさん、Noah Cooperさん、GAL Dさんに提供してもらった曲で、歌詞がいいんですよ。

──「オパッキャマラド!」はmeiyoさんとやりとりを重ねて完成させたとおっしゃっていましたが、提供ということは、ある程度形になったものが届いたんでしょうか。

この曲も何か携わりたいと思っていたんですが、最初に届いたデモがよすぎて、触るところがなかったんです。たぶんNozomi Kitayさんがめちゃくちゃ僕のことを研究してくれて。僕のことも、ファンの気持ちも理解して書いてくれたんだなと思いました。

──歌詞を読んだとき「これは自分っぽいな」と思ったところも?

というよりも、「自分がこれを言ったらファンの人はうれしいだろうな」という(笑)。でも「MINE」のようなロマンチックなラブソングを以前から歌いたいと思っていたのでドンピシャでした。配信がスタートしたときも「歌詞がよすぎる」とか「声質と合ってる」とか、もう褒め言葉しかなくて。「オパッキャマラド!」のときは戸惑いの声もあったけど(笑)、「MINE」に関してはハマってくれている感じがありました。

──1曲目が「オパッキャマラド!」だったからこそ、ギャップもありますしね。

そうそう。

──HOKUTOさんとしても、かなり手応えを感じていらっしゃる様子ですね。

はい。何がバズるかわからない時代ですけど、この曲はいけるんじゃないかなって、ちょっと期待しています。MVのビジュアルもめっちゃ盛れてるし(笑)。

HOKUTO

──衣装やセットもかわいいですしね。

そうなんですよ! 衣装もセットもかわいいし、ロケの抜け感もよかった。

──歌いたいと思っていたというロマンチックなラブソングですが、実際に歌ってみていかがでしたか?

めちゃくちゃ歌いやすいし、気持ちも乗せやすくて、早くライブでやりたいなって思いました。ライブでの演出も決まってます。まだ言わないですけど(笑)。

今はもうなんでも歌にできそう

──ライブで聴けるのを楽しみにしておきます。そしてアルバムのリードトラックは乃紫さん作詞作曲の「Tiger boy」です。写真集撮影で訪れたイタリアの都市名「ミラノ」やHOKUTOさんのチャームポイントである「泣きぼくろ」といったHOKUTOさんを思わせる歌詞が印象的ですが、ご自身としてはどんなふうに受け取りましたか?

これもめちゃくちゃ自分のことを研究して書いてくれたんだなと思いました。「華奢なジュエリー」という歌詞がありますが、実際僕はいつもそういうアクセサリーを付けているし。乃紫さんが「HOKUTOさんの強さを引き出したい」と言ってくださり、そういうポイントを感じられる歌詞もあって。MVはちょっとセクシーな要素もあるし、ダンスもしっかり踊る感じで、「オパッキャマラド!」や「MINE」とはまた違う雰囲気の曲になりました。この流れも自分としてはバッチリですね。

──強い部分を引き出したいという意図で書かれた歌詞だということですが、「どこにいたってポップスター」や「I'm a singing star, I'm a dancing star」といった歌詞はどんな気持ちで歌いましたか?

これを自分で歌うのはちょっと恥ずかしくて。でも歌ってみたら恥ずかしさはなかった。やっぱり歌にするとなんでも表現できるなと思いました。歌だからこそ言えるというか。今はもうなんでも歌にできそうです。

HOKUTO

──それにしても、ソロでは歌うだけではなく制作の段階からしっかり関わっているんですね。

そうですね。“自分が入っている”というのがソロでやる意味でもあると思うし、1つでも自分のこだわりがないと、熱意が欠けてしまったり、気持ち的に「うーん」となったりしそうで。だから、これからもちゃんと自分の意見を持って、自分がやりたいものをやりたいし、でも周りの意見も大事にしたい。いいバランスでやっていけたらいいなと思います。

──作家のチョイスはどこまで関わっているのでしょうか?

参加してくださるアーティストさんについては、スタッフさんが考えてくれていて。そのアーティストさんと打ち合わせする段階で自分も入らせていただくという感じです。

──実際、楽曲制作のアーティストとの打ち合わせから制作に入ってみていかがでしたか?

楽しいですよ。「こういうものがやりたい」と話したものが形になるのもすごくうれしいし。「オパッキャマラド!」では、少しですけど作詞にも携わらせていただいて。その歌詞で「救われた」とか「支えられた」とかそういう言葉が聞くとソロ始めてよかったなと思うし。自分が伝えられることや表現できるものをこれからも発信していきたいなと思っています。

──では今後、作詞や作曲も?

あるかもしれません。なんなら全部自分でできるようになりたいですけど、さすがにそこまでの才能はないので、皆さんの力を借りながらやっていければと思っています。

最近のお気に入りは松浦亜弥

──そうして制作にも関わった1st EP「LOVE PARADOX, LOVE MYSELF」ができあがりましたが、完成してみていかがですか?

3カ月で5曲、トントントンって曲を出したので、ファンの皆さんからしたら早すぎると感じるかもしれないですけど、自分の場合はこれくらい早いペースのほうが安心するんです。次々と新しいエンタテインメントが生み出される時代だから、ちょっとでもリリースのスパンが空いてしまうと不安になるので。皆さんに楽しんでもらえていたら何よりですし、自分も楽しんでやれたらなと思っています。

HOKUTO

──とはいえ、THE RAMPAGEとしての活動もあって、俳優業などの個人仕事もある中で、このスピード感でソロ活動もするってけっこう大変なことじゃないですか?

大変って思ったことはあんまりないんです。楽しいです。THE RAMPAGEの活動も、俳優業も、ソロもそれぞれが別なものという感覚で、なんならソロに関しては息抜きくらいの感じで。息抜きって言ったら失礼になるかもしれないですけど。大変とかキツいと思ったことがないです。

──楽しみの1つという感覚なんですね。

はい。

──THE RAMPAGEのボーカルとしての吉野北人と、ソロ名義のHOKUTO、ご自身の中ではどのような違いがありますか?

THE RAMPAGEはチームのカラーがあって、その一員に徹しつつ光っている感じ。ソロはもう自由です。ありのまま。だいぶ翼広げちゃってます。

──変な話、ソロでは光ってなくてもいいくらい?

いや、光ってはいます。でも、“より北人”って感じです。

──ソロを通してTHE RAMPAGEに持ち帰りたいことや還元したいことはありますか?

還元できたらそれはもちろんうれしいですけど、なんか本当に別モノという感覚になっちゃっているんで……あまりそこは深く考えていないかもしれないです。

──先ほど、「ライブでやりたい」という話もありましたが、HOKUTOとして今後やりたいことや目標を教えてください。

ライブはもちろんやりたいです。あとはいろんなところに行きたいですね……保育園とか。

──保育園で歌うんですか?

はい。人のためになることをしたい。そう思ったのは、EXILE B HAPPYという子供向けのチームでの活動の経験が大きくて。子供と接していると、言葉が通じなくてもみんなが笑顔になれる音楽ってすごいんだなって感じるんですよ。音楽を聴いて子供が幸せになれば世の中が幸せになるんじゃないかと思って。いろんなところに行って、いろんな人と触れ合っていけたらいいなと思っています。

──だからこそ、カッコつけないとか、背中をさするみたいなことが、今のHOKUTOさんのやりたい表現なのかもしれないですね。

子供って、カッコつけていてもそのよさがあまりわからないじゃないですか。つまり、一番人に伝わるのって、等身大の姿や言葉なんだと思うんです。と言いつつ、いろんなことをやりたいので、今後はもしかしたらめちゃくちゃカッコつける曲もあるかもしれないですし。自分でも未知ですね。

──ちなみに、ソロを始めたことで聴く音楽や音楽の聴き方に変化はありましたか?

自分でも作詞に関わるようになったからか、歌詞をしっかり読むようになりましたね。あとは、少し昔の曲を聴くようになりました。松浦亜弥さんの曲とか、ちゃんと聴いてみると歌詞がすごく素敵で。「♡桃色片想い♡」の「胸がキュルルン」とかめっちゃかわいい。

──今後はそういうかわいい曲も生まれるかも?

(笑)。これからいろんなことに挑戦していくのが楽しみです。

HOKUTO

プロフィール

HOKUTO(ホクト)

1997年3月6日生まれ、宮崎県出身。2014年に「VOCAL BATTLE AUDITION 4」で候補メンバーとして選出され、同年THE RAMPAGEのボーカルとなる。2017年に1stシングル「Lightning」でメジャーデビューを果たした。2018年にドラマ「PRINCE OF LEGEND」で俳優デビュー。主演映画「私がモテてどうすんだ」をはじめ、俳優としても多くの話題作に出演し、2025年1月には主演映画「遺書、公開。」が全国公開された。2025年5月にポニーキャニオンよりHOKUTO名義でソロデビュー。1stデジタルシングル「オパッキャマラド!」などを含むEP「LOVE PARADOX, LOVE MYSELF」を7月にリリースした。