ナタリー PowerPush - Hi-Fi CAMP
ポカリスエットCMソングに大抜擢! 涙がこぼれる応援ソング
オーディションに落ちたときは、めちゃくちゃ悔しかった
──ところで、みなさんはこの歌詞にあるような“涙が勇気に変わったエピソード”ってあります?
SOYA お、KIMありそうな顔してるね?
TOSHIRO 急に振った!(笑)
KIM え、俺!? うーん、大したことじゃないんですけど……学生時代にあるライブに出るためのオーディションがあって、それに落ちたことあって。め ちゃくちゃ悔しくて、受かったバンドの曲を聴いて、絶対俺の曲のほうがいいのに! って思った経験があります。でもその甲斐あってか、翌年チャレンジしたときはそのイベントのトリみたいな感じで出させて もらえて。
──悔しさをバネにしたパターンですね。
KIM しましたねー。本当に悔しくて。
──一粒どころか、大粒(の涙)……?
KIM でしたね(笑)。
──そうそう、今回はCDジャケットも一面、ポカリスエットカラーの青で。これはもちろん、狙いなワケですよね?
SOYA そうですね。今はもうポカリスエットのために生きてるんで(笑)。
──あはは(笑)。
SOYA この曲を作ってから青がすごく好きになって。気が付くと青いものを買っちゃってるんですよ(笑)。僕のこのネックレスもそうだし、TOSHIROは……。
TOSHIRO 今日も履いてるんですけど、青いパンツ(笑)。
SOYA なんか、青がほっとけなくなっちゃいまして。
昨年末、初めて死というものにリアルに直面した
──そして、カップリングの「白い花」はA面とはガラッと変わって……。
KIM ええ。ダークサイドへようこそ(笑)。
メンバー (大爆笑)。
TOSHIRO KIMの時間に入った!(笑)
──あの……このドラマチックで切ない純愛ストーリーはどういったところから?
KIM 僕のおじいちゃんとおばあちゃんが昨年末に同時に入院したんですよ。ちょっとヤバイらしい、みたいな感じで。僕は家族を失った経験がないの で、その時初めて死というものにリアルに直面して。ちょっと悶々としてたんですよね。
──ええ。
KIM で、もうこれは曲にするしかないと思って、実際に書いてみたら気持ちがスッとしたんです。それで僕の中では一旦決着がついてたんですけど、 AIBAにアレンジしてもらったらすごく良い仕上がりになって。なんとか世の中に発表したいなーと思ってたんです。でも、この超ポジティブな表題曲のカップリングに選んでもらうつもりは全然なかったんですよ ……。
──本当に両極端ですもんね(笑)。
KIM はい。でも、今出していいんじゃない?ってみんなが言ってくれたので。
──でもまさか、おじいちゃんおばあちゃんの話がモチーフとは思いませんでした。現在、お2人は?
KIM じいちゃんは退院したんですが、ばあちゃんは今も入院してて。でもね、じいちゃんが毎朝ばあちゃんの夢を見るって言うんです。で、一緒に見 舞いに行ったときに「おまえ、毎朝夢を見ないか? 俺は毎朝おまえの夢を見るんだ」ってじいちゃんがばあちゃんに聞いたんです。もしかしたら一緒の夢を見てて、お互いに(夢に)出てきてるんじゃないかっ て。
──すごい!
KIM でもね、ばあちゃんは「(沈黙)……あん?」って。何言ってんだ? みたいな(笑)。
SOYA えー!? イイ話だったのに!
AIBA 奇跡だと思ったのに!
SOYA それを歌詞に書けよって言おうと思ったのに! 全然オチが違ってた……。
KIM ごめんごめん(笑)。まあそういうエピソードもありますが、この曲はファンタジックなストーリーものとして聴いてもらえたらうれしいです。
──でも、おじいちゃんの想いがすごく素敵ですよね。歳をとっても、そういうふうに想われたいですもん!
KIM お、ありがとうございます。じいちゃんに言っときます(笑)。
Hi-Fi CAMP
KIM (Vo)、SOYA (Vo/MC)、AIBA (Key)、TOSHIRO (DJ)の4人により2007年1月結成。2008年6月にシングル「キズナ」でメジャーデビューを果たす。デビュー曲が映画 「僕の彼女はサイボーグ」挿入歌に起用され、リリース前からUSEN総合チャートベスト10入り、全国45局のラジオ局でパワープレイに選ばれるなど大型新人として話題に。その後、2008年8月リリースのSMAP「この瞬間(とき)、きっと夢じゃない」(TBS北京オリンピック2008テーマソング)の作詞作曲も担当。2009年5月発売のシングル「一粒大の涙はきっと」は、大塚製薬ポカリスエットCMソングに抜擢された。メンバ ーは全員仙台在住。