ナタリー PowerPush - Hi-Fi CAMP
ポカリスエットCMソングに大抜擢! 涙がこぼれる応援ソング
Hi-Fi CAMPのニューシングル「一粒大の涙はきっと」が、大塚製薬ポカリスエットのCMソングに大抜擢! 現在テレビで大量オンエア中の今作は、耳なじみの良いメロディと、口ずさみたくなる軽快なサビがヒットを予感させるポップチューンだ。
精度の高いソングライティングと、ツインボーカルによる贅沢なハーモニーで人気上昇中の彼ら。グループの現在地も含め、今作についてじっくり話を聞いてみた。
取材・文/川倉由起子
ポカリスエットのイメージは青い空、白い雲、そして……頑張ろう、女の子!(笑)
──「一粒大の涙はきっと」は、大塚製薬ポカリスエットのCMソングとして書き下ろした曲だとか。
SOYA はい。まさか僕たちが選ばれるとは思わなったので、正直驚きましたが嬉しかったですね。
AIBA これは勝負だな、気合い入れなきゃって(笑)。
KIM ポカリスエットに対してはみんな良いイメージを持っていると思うんですよね。僕らも昔から慣れ親しんできた飲み物だし。なので、すごく光栄 だなと。
──メーカー側から楽曲に関して具体的なリクエストはありましたか?
AIBA いえ、完全にセルフプロデュースでやらせてもらいました。でも、ある程度、僕らの中にもポカリスエットに対してのイメージがあったので。
──それはどういったイメージですか?
AIBA (アーティスト写真を指して)まさにコレ、青空ですよね(笑)。
SOYA そうそう、青い空、白い雲。そして……頑張ろう、女の子!(笑) 僕の中では、女の子が走っているイメージが強くありました。そして、その子はおそらくいろいろな悩みを抱えていて、家で1人で携帯をいじっている……そこまで僕は想像したりしてました(笑)。
負の感情も出していかないと、思いっきり笑えない
──ところで、今回SOYAさんが“涙”をモチーフに歌詞を書いたのはどうしてですか? 青い空や白い雲から“涙”はちょっと連想しにくいのですが。
SOYA そうですね。でも今回は、すごく溜め込んだ涙のイメージで、“一粒大”というのも、溜めた涙が大きくなって出てきたっていう感じなんです。 辛さや悲しさという感情が最終的にどうなっていくのか? “涙”をポジティブなものとして描くことで、聴いた人の背中を押すような応援ソングにしたいと思って。
──サビの、“こぼれた涙が空に昇っていく”というフレーズ。ここは映像としても頭に浮かぶ、すごくキレイな部分ですね。
SOYA ありがとうございます。本当にこの詞は絵本みたいなイメージで書いていて。涙クンが空へ……みたいな。
──あぁ! 確かに涙クンがいますよね、この詞の中には。
KIM 本当に。僕も読んだときに絵がパッと浮かんで、その涙クンが……っていうイメージをがっちりとらえることができたんです。歌詞のメッセージに しても、涙や笑顔ってけっこういろんな歌詞に使われる言葉ですが、この曲に関しては、“負の感情も出していかないと、思いっきり笑えないんだぞ”ということを伝えてる気がして。ただハッピーなだけじゃなく 、みんな悩みを抱えているんだっていうしっかりした裏付けもあるので。
SOYA なんか、小さい子でもわかりそうな歌詞だと思います(笑)。これを絵本にしたらもっと伝わるだろうなって気もしますね。
何回聴いても飽きのこない曲を作りたい
──そういう具体的なイメージを、どのようにメロディに反映させていったんですか?
AIBA 今回はとにかく最高のポップチューンを作ろうということで。サビでパーッと開ける感じや、気持ちよくなるメロディを意識して。今の時代背 景に合った、Hi-Fi CAMPらしいアプローチでポカリスエットの曲を作りたいという想いがありました。
──今回はラップがなく、歌モノ的な楽曲になっているなぁという印象を受けたんですが。
KIM はい。その辺もあまりこだわりはなくて。ラップを入れたいってこだわるときもありますけど、必ず入れなきゃいけないっていうわけでもないの で。
AIBA どの楽曲もそうですが、やっぱり何回聴いても飽きのこない曲を作りたいっていうのがあって。歌詞の世界とメロディをリンクさせたいという 部分でも、場面転換っていうのは絶対必要だと思っています。なので、同じAメロでも2番は少し変わっていたりとか、いろいろやってますね。けっこう感覚的な部分だったりするんですけど。
──なるほど。あと今回はサビで初のユニゾンボーカルにも挑戦したんですよね。
SOYA とにかく元気な曲にしたくて。サビは特にハッピーでワイワイしたイメージだったので、ユニゾンがいいかなと。
KIM 単純に歌っていて気持ちいいですね。ハモリもテクニカルな部分で心地よさはあるんですけど、ユニゾンって単純に声が分厚く前に出ていくじゃ ないですか? それがやっぱり快感で。あと、聴いてくれる人も口ずさみやすくなるのかなと思います。僕も私も歌いたい!っていう気持ちになって、思う存分、一緒に歌ってくれたら嬉しいです。
──確かにユニゾンの歌って、乗っかりやすい感じがしますよね。3人目のボーカルとして参加……みたいな?
KIM ええ、本当にそんな感じで。
SOYA ウェルカム、ウェルカムです!(笑)。
Hi-Fi CAMP
KIM (Vo)、SOYA (Vo/MC)、AIBA (Key)、TOSHIRO (DJ)の4人により2007年1月結成。2008年6月にシングル「キズナ」でメジャーデビューを果たす。デビュー曲が映画 「僕の彼女はサイボーグ」挿入歌に起用され、リリース前からUSEN総合チャートベスト10入り、全国45局のラジオ局でパワープレイに選ばれるなど大型新人として話題に。その後、2008年8月リリースのSMAP「この瞬間(とき)、きっと夢じゃない」(TBS北京オリンピック2008テーマソング)の作詞作曲も担当。2009年5月発売のシングル「一粒大の涙はきっと」は、大塚製薬ポカリスエットCMソングに抜擢された。メンバ ーは全員仙台在住。