ナタリー PowerPush - HER NAME IN BLOOD

よりエグく!よりエモく! ラウドシーンの新スタンダード完成

「もっと聴きたい」ってぐらいの長さが最適

──今作の楽曲タイトルは、前作「THE BEAST EP」と比べると非常にシンプルなものが多い気がしました。

Ikepy そうですね。曲のタイトルは歌詞を書いてから考えることが大半なんですけど、今回シンプルなものが多くなったのは意図的にそうしたわけではなくて。今回の楽曲を聴いたときにわりとストレートなものが多いと思ったから、そういうタイトルが出てきたんでしょうね。

──なるほど。その歌詞ですが、困難に立ち向かっていく姿勢にすごく共感を覚えました。Ikepyさんは歌詞を通じてリスナーにどんなことを伝えていきたいんでしょう?

Ikepy 僕はそこまで自分の考えをリスナーと共有したいとか深く考えてないんですけど……強さだったりポジティブな気持ちというのはテーマとして、どの歌詞にも通ずるものがあると思います。ストレートに書いてるぶん、それが余計に響いているのかもしれないし。

──特に前作「THE BEAST EP」以降だと思うんですが、HER NAME IN BLOODの楽曲ってどれも3分前後のものばかりで、長くても4分程度なんですよね。そこは意識しているんですか?

Daiki(G)

Daiki そこはけっこう意識してますね。昔はわりと長い曲が多かったんですけど、やっぱり今ぐらいの尺のほうが……ライブでたくさんプレイできますし(笑)。

Ikepy 昔は曲を作るにあたって、曲のベースになるものにどんどんいろんなパーツをくっ付けていくことが多くて、その結果自然と長くなってたんです(笑)。でも今はいかにシンプルにまとめていくかを考えるようにしてます。

──シンプルとは言いながらも、曲によっては3分の中にいろんな要素が詰まってますよね。だけど無駄な要素がまったく感じられなくて。

Daiki 今このバンドでみんながやりたいことは、たぶんそういうことなんだと思います。

──中には往年のスラッシュメタルを彷彿させる楽曲もありますが、80~90年代のバンドだったらもっと複雑なアレンジを取り入れた大作になっていたと思うんです。でもHER NAME IN BLOODはこの曲を非常にコンパクトで聴きやすい形でまとめている。そこが非常に面白いなと思いました。

Daiki やっぱこう「もっと聴きたい」って思ってもらえるぐらいの長さが最適なんですよね、今の時代って。聴いてるうちにダレるだろうなと思ったパートはなるべく削って、どんどんコンパクトにする。そこはかなり意識しました。

後半の曲が印象に残らないアルバムは作りたくない

──今作には「DUSTING」というインストナンバーが収録されています。

Daiki 今回は制作の初期段階からインストを1曲入れようと決めてたんです。うちはIkepyが叫び散らかしてる曲が多いんで、インスト曲をライブで演奏することによって休憩できるかなと(笑)。ちょっと休んでチャージしといてくださいってわけじゃないですけど、特にこれから長いセットを組んだときにこういう曲があるとIkepyが休めるだけじゃなくて、ここを起点に別の雰囲気を作り出すこともできると思うんです。そういう意味では、今後重要な1曲になるんじゃないかな。

──インストナンバーがアルバムのど真ん中(7曲目)に配置されているのも興味深いですね。

Daiki この曲をアルバムの折り返し地点に配置するっていうのもけっこう悩んで。最初はどの位置が適切なのか、すごく考えましたね。

──そのほかの曲も曲順はけっこう悩んだ?

左からDaiki(G)、Ikepy(Vo)。

Daiki ですね。何回も曲を並び替えて、その都度いろいろ聴き込んだんですけど、この曲順が一番しっくりきたんです。

──さっき1曲目の「HERE WE COME」で驚かされたと言いましたが、2曲目以降はひたすら攻めまくって、アルバム折り返しの「DUSTING」で一度雰囲気を変えて、後半では「IF I MELT AWAY」みたいなちょっと変わった曲も含みつつ、最後は「PRAY TO THE SUN」で勢いよく終わる。この流れはかなり考えられているんじゃないかと思ったんです。

Daiki かなり意識しましたね。やっぱり通して聴いたときに、どの曲も印象に残ってほしいですから。よく後半の曲が印象に残らないアルバムってあるじゃないですか。うちはそういうアルバムは作りたくなかったし、1曲も捨て曲は作りたくないんです。どの曲にも思い入れがしっかりあるんで。

──5月からは全国ツアーもスタートします。ライブはこのアルバムからの楽曲が中心になると思いますが、これらの楽曲が加わることでライブの流れがどう変化するのか気になります。

Daiki そうですね。過去の作品からの楽曲も織り交ぜつつ、かなりバラエティに富んだ感じになるんじゃないかと。自分たちもそこはかなり楽しみですね。前作のツアーよりもっと楽しいものにするんで、期待していてください。

HER NAME IN BLOOD / ZERO (FUCKED UP WORLD)

ニューアルバム「HER NAME IN BLOOD」 / 2014年4月23日発売 / 2160円 / TRIPLE VISION / TRVE-0102
HER NAME IN BLOOD「HER NAME IN BLOOD」 / Amazon.co.jpへ
CD収録曲
  1. HERE WE COME
  2. HALO
  3. ZERO (FUCKED UP WORLD)
  4. THIS IS RETRIBUTION
  5. IMPULSES WITHIN
  6. ALL THAT LIVING INSIDE OUR HEAD
  7. DUSTING
  8. CITY OF DESPERATION
  9. VOID
  10. IF I MELT AWAY
  11. THE CLOWN
  12. PRAY TO THE SUN
HER NAME IN BLOOD(はーねいむいんぶらっど)

Ikepy(Vo)、Daiki(G)、TJ(G)、Makoto(B)、Umebo(Dr)からなるメタルコア / ラウドロックバンド。2008年から活動を開始し、BEFORE MY LIFE FAILSとスプリットCDをリリース。同年開催された「Taste Of Chaos 2008 in Japan」への出演を経て、全国各地でライブ活動を展開していく。2010年には1stフルアルバム「DECADENCE」を発表。以降、A Day To Remember、As I Lay Dying、August Burns Red、Heaven Shall Burn、Story Of The Year、Unearthなど数多くの海外アーティストの来日公演でサポートを務めるほか、「SCREAM OUT FEST」など大型イベントにも積極的に出演する。また東南アジアや中国などでの海外公演も敢行。2013年3月には3年ぶりの単独音源となる「THE BEAST EP」をリリースし、初のヘッドライナーツアーを全国15カ所で開催した。2013年末から2014年初頭にかけては、中国でのフェス出演を含むアジアツアーを実施。2014年4月にフルアルバムとしては約4年ぶりとなる「HER NAME IN BLOOD」をリリースする。